2008年9月14日日曜日

再開 / 再会

長いバカンスを終えて、いよいよ音楽学校も2008-2009の活動をスタートさせました。
昨日土曜日、生徒の親との顔合わせ、そして先生と学校運営事務の会議があったんです。

2ヶ月半以上のバカンスをはさむと、どの顔と向かい合っても「久し振り!元気?!」と自然と盛り上がります。特に子供なんてしばらく見ないうちに大きくなってたり、顔つきが変わってたりするから驚かされます。

私は午後はオペラjrでの仕事があるため、他のクラスはみんな午後に集まるなか、私のクラスだけが11時に集合ということだったのですが、もとから私の生徒さん、新人さん、他の先生のところから移ってきた人、みなさん入り混じっていて、本当だったら皆さんを前にきちんとあいさつして、それなりにまとまったことを言ってみたいところだけど、一番の目的はレッスンの時間決め。こればっかりは個々に対応しないといけないから、どうしてもしっちゃかめっちゃかの会合になってしまう。。。

でも、毎年のことながら時間を決めるのは簡単じゃない!フランスの学校は、というか学校だけでなく社会全体に言えるけど、お昼に2時間の休憩をとるものだから、午後の活動時間がずれるわけです。そのため、日本みたいにみんなで給食なりお弁当なりさっさと食べて、午後の授業をしていれば15時とかに下校できるのに、小学校一年生からみんなそろって17時まで授業があるのです。だから子どもたちは平日17時以降しか習い事に来れないのです。さらに子供相手に夜遅くなってもだめ。だから誰もが17時から19時の間のレッスンを希望します。一方、フランスではたいていの小学校で水曜日の授業がなく、中学校では午前だけ、高校では選択授業などがあるのみといった感じ。じゃあこの水曜日にレッスンをすればいいじゃないかというと、水曜日はほとんどの子供たちにとって習い事の日なので、何時には○○がある、何時には○○がある、とすでにスケジュールはいっぱい。グループでする習い事だと、すでに時間が設定されているのに対し、個人レッスンだとどうしてもみんなそれぞれの都合のいい時間を要求する。まああたりまえだけど。

もともと6月の時点で各クラスの先生が時間枠を提示してあります。私の場合、基本的にオペラjrの仕事の時間割を優先して、私が今年度のためにつくった時間枠は、火曜日の午後、水曜日の朝から15時まで、木曜日の午後、土曜日の朝から14時まで。でも、ちょっぴりいる個人レッスンの生徒さんもどこかに組み込まないといけません。それに私にだって希望や都合があります。去年、夜の帰りが遅い日ばかりだったので、ただでさえ週末の仕事が多いのだから、せめてもう少し平日が普通のリズムにできたらな~と思っているのです。
一方、音楽学校の生徒さんたちも、一応6月末に仮登録という形で、私の提示した時間枠から早いもの順で希望の時間枠をとって、そのリストは作ってあります。でも、9月にならないと学校の時間割がわからないという子供も多いもの。だからやっぱり9月半ばにならないと決められないわけです。案の定、「水曜日の9時って言われてたけど無理です!」とか、「毎日授業が18時まであります!」とか、いろいろ言われてしまいました。まるでパズルの組み直しみたいな作業。

私はやっぱり日本人だからか、働き盛かりだからか、できる限りたくさんの生徒をもって多く働きたいし、少しでも収入を安定させたいと思っているため、多少、自分の予定や理想からずれてしまっても、結局は生徒さんの希望にそってなんとかしてしまいます。 そのため、お昼を食べる時間がないとか、移動の時間が30分のはずが15分になった、、、とかになってしまいます。

そんなこんなでなんとか無事パズルのはめ込みは完了し、30人の生徒さんと新たな年をスタートさせることになりました。音楽学校で30人という人数は、フランスで働き出して5年目にして過去最高。というか、おかげさまで毎年、順調に少しずつ増えてきています。ここまできたら、あとはもうこれ以上は無理かなと思います。あともう一日、月曜日もレッスンするようにすれば増やせるけど、土日の仕事が多い私としては、すくなくとも月曜日だけ、仕事ゼロの日を確保しておきたいからです。平日の日中の仕事があったらいいけど、今いる分野ではまず無理ですね。。。

30人の生徒さんのうち10人が新人さんです。どんな感じになるかな?

さて、各クラスの先生と生徒の顔合わせの後、18時からは先生一同、そして学校運営、事務をしてくれているメンバーとの会議がありました。運営、事務をしてくれているのは、生徒の親代表で、ボランティアで参加してくれているのです。私たちの学校は、6つの村にまたがっている広範囲な団体で、それぞれの村の代表もかねて、学校の活動のために熱心に力をそそいでくれているのです。
生徒数は今年ほぼ300人、先生の数もソルフェージュやアンサンブルも含めて18人。大会社や大手楽器店が運営するような日本の音楽教室のシステムとは違うフランスの音楽教育事情の中で言うと、私たちの音楽学校はかなりの大所帯なんです。必然的に問題も数多く。。。
会議では予算などの運営問題、今年度の企画、計画、そして諸問題について話し合ったのですが、普段は発言しない私も、今回ばかりは言わざるを得ないことがありました。それは私がレッスンをしている教室というか部屋の環境問題。これは年々深刻になってきている問題で、話せば長くなるのでまたいつか別クチでお伝えしたいと思います。

「そろそろ、、、」と言って会議をお開きにしたあとは?というと、みんなで一緒に飲んで食べてのパーティーでした。日本だったら、「飲みに行きましょう!」といってくりだすなり、料亭に行くわけですが、なんでも手作りでお金のかからない楽しみのプロであるフランス人はどうするかというと、事務メンバーの一人の家にみんなで行って、みんなが持ち寄ったものを飲んで食べての立食パーティーをするのです。

今年の場所はMさんの家。庭にはプールもあって広々としたテラスもあるのだけど、昨日の夜は寒かった!とても外ではいられずに、結局室内立食パーティーとなりました。





もとからおしゃべりな南フランス人も、お酒が入ればますます止まりません。



食べ物も大方、事務のメンバーが用意してくれたのですが、ピザやらお肉やらライスサラダやらでお腹いっぱいになったところへ、さらにケーキも二種類。手作りでとってもおいしかった。



私たち先生はみんな、なんとかこうにかして音楽の分野で生活をしていこうとしている人ばかりで、言ってみれば貧乏人集団(笑)。ついつい給料が悪いだの、文句を言ってしまう先生もいます。かたや、生徒の親代表のメンバーたちは、みなさん立派な仕事をもち、立派な収入があって、音楽が大好きという思いと、自分たちの子供がこの音楽学校で楽しく音楽を身につけているのがうれしくて、じゃあ学校のために、みんなのために、とボランティアで参加してくれているわけです。会議や行事のたびに時間をさいてくれて、こんなパーティーと称しては自宅を提供してくれて、料理をしてくれて、本当に「気持ち」があってこそのありがたい行動。
事務のメンバーの顔触れも毎年、入れ替わるわけですが、今年のメンバーはここ数年力を注いでくれているメンバーで、フレンドリーでなおかつ頼もしい人たち。昨年度の大きなスペクタクルという行事を成功させたこともあって、先生側と事務メンバーとの間にすごくいい関係ができてきていて、いい雰囲気です。予算の大問題がすべての問題にかかわって、学校の運営は厳しいのが現状だけど、このメンバーでなんとかいい方向にもっていけたらいいな。
今週の火曜日から私もフル活動再開です。

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