2010年1月25日月曜日

Les Victoires de la musique

Les Victoires de la musique (ヴィクトワール・ドゥ・ラ・ミュジーク)というのは1985年から始まった賞レース、その一年間フランスでもっとも活躍した音楽アーティストを選んで表彰するセレモニーのことです。日本のレコード大賞のように発表されたアルバムだけを対象にするのではなくて、CDアルバムはもちろんのこと、音楽活動を総合的に見て選ばれるアーティストそのものや、ライブコンサート、または一つの作品に限ったものなど、いろんなカテゴリーがあります。


もともとはポップス、クラシック、ジャズを全部ひっくるめて行われていたのですが、1994年にはポップスとは分けて、Les Victoires de la musique classique が作られて、クラシック音楽とジャズを対象とするようになり、さらに2002年にはジャズ部門も独立して今日に至ります。


さて、クラシック音楽を対象とするLes Victoires de la musique classique では、器楽奏者、室内楽グループ、オペラ歌手、作曲家などそれぞれのアーティストや、CDアルバム、DVD、オペラ公演、音楽スペクタクル、世界初演の作品などいろんなカテゴリーがあり、基本はフランス国内での活動を対象としているのですが、インターナショナルレベルのアーティスト、またはフランス音楽に貢献した海外アーティストとかも選ばれます。


これまでにこのブログで名前がでたアーティストの中にも、過去の受賞者が結構いたりしますが、なんといっても、オペラjrの子供たちが参加したオネゲル作曲のオラトリオ「火刑台のジャンヌ・ダルク」の公演を録画して発売されたDVDが、2008年のDVD部門の受賞を受けているのです。
当時、私も子供たちを含め、制作にかかわったということで、このDVDをプレゼントされたんですが、やっぱり選ばれただけあって、完成度の高い舞台です。演出はこのブログでおなじみのスカルピタ氏。実際にこの作品は上演されることも少ないことはあるにしても、オネゲルの作品自体が傑作だと私は思うし、このDVDは一見の価値はあると思います。日本でも興味のあるかたがかなり購入されている様子を結構みかけます。お薦めします!





さて、前置きがながくなったのですが、なんで今日この話題なのかというと、実はLes Victoires de la musique classique の2010年バージョンが、二週間後にここモンペリエのCORUMで行われ生中継でテレビ全国放送されることになっているのです。

ブログでもおなじみのCORUMの大ホールBerlioz が会場なのですが、フランスを代表するクラシックの音楽アーティストが勢ぞろいするだけでなく、地元としてモンペリエのオーケストラとオペラ座の合唱団、そしてなんとオペラjrの子たちが出演するのです。


この話は11月ごろに急きょ決まったものなんですが、ただ並んで歌うだけではなくて、ここはオペラjrらしく演出振付をつけて舞台上で歌うことにしました。
若者のグループGroupe Vocal が中心となるのですが、やっぱりテレビ効果のことを考えてテレビ局サイドからの注文にしたがって、一番ちびっこのLa petite chorale と子供グループLe choeur d'enfants からも数人ずつが選ばれて、只今合同練習に取り組んでいます。やっぱりこういうイベントもので子供というと、ちびっこの存在が大きいわけですね。
実際、16歳から25歳の若者グループの中に12歳くらいの子たちが入るだけでも子供らしいのに、さらにそこに8歳の子が加わるとそれはそれは小さくってかわいいのです。テレビ局がねらってる効果もわかります。


さて、オペラjrが演奏するのに選ばれた曲は、私たちが11月末にしたフォーレのコンサートから「パヴァーヌ」。そして演出振り付けを担当するのは、オペラjr今年最大のプロジェクトであり4月公演予定の「アマルと夜の訪問者たち」で振付アシスタントを担当しているジスレンヌ。残念ながら、モンペリエ・オーケストラが伴奏を務めるので私はなんにもなし。準備練習だけに取り組んで、本番はテレビで見るか、会場で見せてもらうか。


舞台に慣れているオペラjrのメンバーとはいっても、今年から加わった新人メンバーも多いし、フランス人ならだれもが知っている有名な番組に生中継出演というのは誰でもドキドキ。特に、テレビというのは大きな舞台の上で演技するのと違って、カメラがズームとかするので、顔を大写しにされる可能性もあるという点が大きな特徴。
振付、演出する側にとっても、舞台上の全体の構成だけでなく、クローズアップされる場合のことにも配慮しないといけません。
これには私たちもちょっとドキドキ。


また、彼らが着る服装のことでもけっこうもめています。大まかな線では、若者、子供らしい恰好ということで合意していて、さらにオーケストラのミュージシャンたちが全身黒で、その前、舞台全面でオペラjrは歌うことになっているので、元気な色をつけたいということまではいいのですが、テレビ映り、舞台照明のライトへの反射のことなど配慮しはじめると、これまたデリケートな問題で話し合いが続いています。モンペリエのとある服屋さんがスポンサーに名乗り出たとかいう話も。


一体どうなるんでしょうね!?


テレビ番組の生中継なだけにタイムキーピングもかなりデリケートな問題です。
曲のカットについてという大事な決定についての交渉が、つい3日前に始まりました。もう本番2週間前なのにね。。。

そして練習はというと、セレモニーの前日に45分だけオーケストラとの合わせ、そしてもう45分が舞台上でテレビカメラとの調整のためにリハーサルにあてられます。それだけ!

これにはかなりドキドキです。指揮者がどんなテンポで振るかもわかってないわけですし、それによってはタイムキーピングも変わってきてしまいます。まあ、テレビ局のスタッフもプロなわけですけど、こっちはプロではない若者と子供をかかえているのでちょっと心配です。


それにしてもここ数年でオペラjrは大きく成長して、フランスの音楽業界ではすでに認められた存在となりつつありますが、今回のテレビ出演はまたさらに知名度を上げる絶好のチャンスです。


フランスに住んでる方、または日本からインターネットでこちらの番組が見れる方、放送は2月8日月曜日の20時半からFrance 3上での放送です。番組自体は3時間くらい続く長丁場ですが、オペラjrの登場は21時から21時半の間ごろのはず。

興味のあるかた、ぜひ見てみてください!

2010年1月23日土曜日

Ein Deutsches Requiem

先週、15日金曜日と17日日曜日に、私が練習にたずさわったブラームスの「ドイツレクイエム」のコンサート本番がありました。

その前の木曜日には通し最終リハーサルのジェネラル(日本でいうゲネプロ)があったんですが、正直言って、聞いていた私はハラハラドキドキ。よくいえばエキサイティングな演奏なんですが、やっぱりアマチュアの大合唱団はどうしても不安定な部分があります。
そもそも80人のオーケストラミュージシャンはプロとは言っても、統率するのが容易ではないのに、そこへプラス160人のアマチュア合唱団。「ドイツレクイエム」という大曲を前に、「無難な運転をすればいいのに、、、、」とついつい私も思ってしまいそうなニケ氏の挑戦的な運転。
プロのオーケストラは見事指揮についていくとしても、160人のアマチュアの中にはついていけてない人がちょこっとでもいると、全体の演奏は危険にさらされるわけです。


そんなわけで木曜日のリハーサルが終わった時点で、私の心境はちょっと複雑でした。
10月の練習開始の時期からしたら、アマチュアのみなさんはすごい進歩をして、すばらしい取り組みをしたことは明らかなのですが、普段の練習時にうまくいった時と比べると、この木曜日の出来はちょっと残念なものでした。
ソロのプロ二人はもちろん素晴らしいし、特にバリトンのナウリ氏はさすが。大ホールではどう響くのかな~と思っていたけど、響き抜群でした。






金曜日の本番前のウォーミングアップに行くと、ニケ氏に「君、昨日の練習聞いてた?」と聞かれました。複雑な心境に陥っていた私は、失礼にも彼に声をかけずにこっそりと立ち去ってたんです。
で、改めて感想を聞かれたからには正直に思ったことを言いました。良いところと悪いところを。まあ、アマチュアなんだから、プロと仕事をするときと同じ要求はできないのはわかりきってます。でもやるからには、いい結果を出したいに決まってます。その辺の要求度と現実の理解とのラインをどこにおくかが人それぞれの判断ですよね。
で、私としては感想のレジュメとして、「アマチュアの彼らの残念なところは、100発100中の成功度には達せていないところ。」と言わせてもらいました。そしたらニケ氏も全くの同感という感じで、「そうなんだよ!それだよ!やる度に毎回うまくいってくれないんだよね。。。」と。


この日のニケ氏はやっぱり自分の責任に対するプレッシャーからかなりピリピリしてました。私とは普通にしゃべってくれるんですけど、合唱団のみなさんにはかなり言いまくり。
アマチュアのみなさんだから本番を前に余計に緊張との戦いとか大変だろうに、それに追い打ちをかけるような指揮者の言葉を聞いて、「う~ん、ニケさん、それってちょっと逆効果なんじゃ、、、、。」と思ってしまいました。(笑)
ま、そこら辺もリーダーの性格、人柄によりけりですよね。


この金曜日は私は他の仕事があったためにコンサートは聞けず、ニケさんにも「今日は聞けないんです。ごめんなさい。」と言うと、「気にしないで、自分だって最後まで残らないかもしれないから。」とかかなりのブラックジョークで返してきたから、ちょっとは本心も入ってるだろうけど、「まあまあ、そうは言わずにがんばって!よいコンサートを!」と声をかけて別れました。


さて、金曜日のコンサート終了後の人々の話によると、結構よかったんだけど、2か所、コーラスが一部ずれてしまうハプニングがあったそうです。
日曜日の本番前にニケ氏にあうと、同じことを言ってました。「最後なんてかなりよかったんだけどね~。」と。


日曜日のコンサートは招待券をいただいたので、ウォーミングアップを終えてからはホール内の特等席で聞くことができました。
演奏中、相変わらず私はハラハラドキドキでしたが、みんな見事な集中力を発揮して、あやうくなりそうな部分もあったけれどちゃんとしがみついて、ピンチのたびに乗り越えていました。
大迫力のパッセージなんて鳥肌がたつほど見事だったし、「みんな厳しいニケ氏の指導によくついてがんばった!おめでとう!」という気持ちで、聴衆の拍手の口火を切らせてもらいました。
木曜日と比べたら断然よかったし、普段の練習のことを考えても、満足のいくとてもよい結果だったと思います。ブラボーだって飛んでました。




ニケ氏もホッとしたようで、最後は拍手をうけながら、指揮台の手すり棒をひっこぬいて肩に担いで退場するアドリブギャグをサービス。

彼にコンサート終了後に楽屋に来てと言われていたのですが、この日は木曜日のような複雑な心境ではなく、晴れやかな気持ちで楽屋をたずねました。
すると先客はモンペリエの音楽界の王様クリング氏。
「おっ。」と思いましたが、どうやら二人は穏やかに言葉を交わしている。つまり、二人とも満足してるってことですね!
王様にも挨拶をして、「入って入って!」とニケ氏にうながされて楽屋に入るや否や、「どうだった?」と聞かれました。ごく正直に「よかった!」と答え、とくに「あなたのエネルギーはすごい!」と伝えました。
というのも、この驚きのニケ氏、実は金曜日のコンサートが終わってから、土曜の朝一の飛行機でスイスのバーゼルに飛び、土曜日の夜はそこでコンサートを指揮し、日曜日の朝一の飛行機でモンペリエに戻ってきてこのコンサートを指揮したというんですから。
普通に考えて、80人のオーケストラと160人のアマチュア合唱団と2人のソリストを指揮するのって、普通の人からは考えられない集中力とエネルギーを要するのに、この驚異のスケジュールをこなすこの人って。。。
正直言って、普通の人ではありませんね。

最後にニケ氏が「とにかくサポートしてくれてほんとありがとう。」と言ってくれたので、「こちらこそ、一緒にやろうと声をかけてくれて、参加さえてくれてありがとう。」とお礼をいいました。そしたらこの厳しいニケ氏が、伴奏ピアニストとしてとってもうれしくなることを言ってくれたうえ、「次回も君にやってもらいたい。」と言ってくれたので大きな励みになりました。なんたって、この人はインターナショナルな活動をしているだけでなく、若いころパリのオペラ座でコレペティを務め、同じくパリオペラ座の合唱指揮も務めた人で、オペラの世界のピアニストがなんというものかを知っている人。そのうえ厳しくて有名な人ですから、そんな人に称えてもらったらほんとうれしくなっちゃいます。

「ではまた今度!」と言って別れたのですが、合唱団のメンバーが楽屋での打ち上げに呼んでくれて、みんなと談笑してたら、最後にはニケ氏と二人のソリストも顔を出しにきました。

合唱団のメンバーがそれぞれお礼とともに、私のピアノに対する感想を言ってくれて、うれしかったんですけど、特におもしろかったのは、ピリピリしてみんなを恐怖に陥れるニケ氏の横で(笑)、いつも落ち着いて穏やかな様子の私にみなさん救われたということ。私のもつムードのおかげでニケ氏までもが柔らかくなっていたとまで。「ハハ、それは何より!」てなもんです。

打ち上げはニケ氏によるスピーチと合唱団のまとめやくイヴのスピーチで閉められました。ニケ氏はいつもながらちょっと毒舌もまぜながらも満足をした様子で、クリング氏も満足されたとのよい知らせを発表しました。つまり、また来シーズンも続けられるというわけです。晴れて「また次回!」とスピーチを終えられました。

合唱団のみなさんはそれぞれ普段の仕事を普通こなしながらのこのコンサート参加。みなさんお疲れ様~!また来シーズン!

2010年1月17日日曜日

ショコラ=chocolat=チョコレート

どうしましょう、どうしましょう。

この年末年始から私の家にはチョコレートがあふれています。



こんなのや



それから某有名チョコレート屋さんの3段重ねの箱詰めチョコレートや




箱までかわいい、地方からとりよせられたおしゃれなチョコレートやら。



他にもまだまだあるんです!

私は毎年冬になると病的かと感じるくらいチョコレートが大好き。
たとえ肌によくないといわれても、たとえ「チョコレートが欲しくなるのは愛が不足しているから。」とかなんとかいう感じの悪い言い伝え(笑)にもめげず、毎年おいしいチョコを楽しんでいます。

お中元やお歳暮を贈るという習慣のないフランスですが、クリスマスのシーズンだけは特別。
みんなが大事な人、親しい人へのプレゼント選びに必死になるものです。
家族、親戚、友人はもちろんのこと、弟の彼女とか親友の彼氏とかまでにもその範囲は及びます。

こちらでもギフトセットの類はありますが、やっぱり主流は贈る相手に合わせて特別に選んだプレゼント。そういうやりとりを見ているだけでうれしくなっちゃうもんだから不思議です、プレゼントがもたらす効果。

さて、そんなクリスマスの贈り物の中で、伝統かつ定番なのがチョコレートなんです。

みんながチョコレートでは面白みがないという声もあるものの、やっぱりみんなチョコレート好きだし、ノエル(クリスマス)の時期はやっぱりチョコレートだという感じがあります。
実際、全国のチョコレート屋さん、ケーキ屋さんは、この年末に年間の売り上げの大部分を稼ぐわけで、まさにフル回転で稼働します。そして毎年報道されるチョコレートの生産量、販売量を見てみれば、やっぱりみんながチョコレートを買っているのがよくわかります。

私にも毎年、数人の生徒さんがチョコレートをクリスマスの時期にくれていたのですが、今年はその量が急増!世間は不況とは言われているけれど、チョコレートをくれた生徒さんの数が多かっただけでなく、それぞれがくれたチョコレートの量が倍増したんです。
例えば去年は20センチ四方の箱をくれた子が今年は倍の特大パックでくれたり。

チョコレート好きの私はそんな大きなチョコの箱を見ただけでも、うわ~!ひゃ~!となってしまうわけです。

しかもどれも私好みでおいしい!

毎日、たくさんのチョコを前にして、「どれにしようかな~?」と贅沢な迷いをしている私でした。

2010年1月16日土曜日

ギターがやってきた!!!

今年の抱負をブログ上で宣言した三日後のこと。思ってもいなかったうれしいサプライズがありました。
ギターを買ってボサノヴァに再度挑戦したい!という私ですが、「今年こそは!」というのを友人、周囲の人たちに話し始めた矢先のことでした。

私は毎週火曜日に、友人リザのお母さんでアメリカはカリフォルニア出身のヴィッキーと「英語と音楽の交換レッスン」をしています。内容はというと、私が彼女の家に行って、彼女の旦那さんも交えてケーキとコーヒーをお供にフランス語と英語を混ぜたおしゃべりをし、次に英語だけでの会話を二人でして、最後に私が彼女にピアノのレッスンをするか、彼女のチェロのために伴奏レッスンをするという、なんともリラックスしたもの。

今のところの私は、大学生時代まではそれなりに知識をもっていた英語の記憶がさっぱりと消え去り、ここモンペリエの手元に英語の勉強道具もこれといってなく、彼女の英語を聞き取るヒアリング力と自分が言いたいことを伝えるスピーキング力の差が天と地の差ほどで、これは自分でじっくりと勉強しなおす時間が必要だな~と痛感しているところ。せっかくアメリカ人とおしゃべりする時間があっても、個人的に何かしないと、昔もってた知識さえもどってきません。
それでも、一応ヴィッキーにも下手な英語で「私は日本にギターを残してきてるんだけど、今年こそはここモンペリエでギターを買ってきちんと練習したい!」と宣言したのです。

すると彼女はすぐさま、「私のギター貸してあげようか?」と予想外の申し出をしてくれたのです。

実は彼女と私、楽器の好みがまるで一緒で、ギターとピアノとチェロが好きなのです。

私は一応ピアノで仕事をしていますが、音色とレパートリーが大好きなチェロは、その演奏のポジションが私の身体の故障に支障をきたすために挑戦すらできません。一方、ギターは一度購入したものの、ボサノヴァやジャズギターへの憧れが先行をして道とだえていました。

かたやヴィッキーは、まだカリフォルニアで生活していた若いころギターを好んで弾いていて、その後滞在したコロンビアでも現地の音楽などを演奏していたそうで、ギターとは長いつきあいです。ギターよりもあとに習ったのがピアノ。手が小さい彼女はハンディがありながらも、とりあえずショパンやドビュッシーなどのレパートリーは弾ける腕前をもっています。そして仕事を退職した2年前にかねてからの憧れだったチェロを購入してレッスンも受け、今日に至ります。

彼女は「今夢中なのはチェロだから、leonardoがよかったら私のを貸してあげるわよ。」と言ってくれたのです。

「え===ほんと~!?」と大喜びする私。

すぐさまとなりの部屋からちょっぴりホコリをかぶったギターケースを持ってきてくれました。
見てみると日本製!



ケースには飛行機に積み込んだ時のタグがついたまま。

ヴィッキーとともにカリフォルニア、コロンビアを旅してフランスまでやってきたギター。そして彼女の娘さんに数年貸していたそうで、その娘さんは仕事赴任先のアフリカやオランダにこのギターを連れていったのだとか。
そんな世界を旅するギターが、ここモンペリエで日本人のもとにやってきました。

数万円は覚悟でギターを購入することを決めていた私。
それが無料でのレンタルに。
期待もしていなかったサプライズ。

「え~、でもこれってあなたの宝物よね?宝物の一つよね?」と確認する私に、「そうね、宝物の一つだわ。」と答えるヴィッキー。「でもleonardo の役に立つなら。leonardoがさらに素敵な音楽をするのなら。」といって貸してくれるというのです。
「私、ほんとに大事にするからね!」と言うと、「その点なら全く心配してないわ。leonardoなら。」とニッコリしてくれました。

大事に両手でかかえて持って帰ったギターは今、私の部屋に。



このギター、一番低いE弦が切れているので、近々さっそく弦を買いに行ってチューニング整えて、譜面立てを購入して、いざギターに再挑戦です!
2010年、幸先いいぞ!

2010年1月15日金曜日

ソリスト登場!

モンペリエに戻るや否や、平常通りの活動を再開した私ですが、今週にはあの「ドイツレクイエム」のコンサート本番を迎えるために、火曜日から毎日エルヴェ・ニケ氏(Hervé Niquet)のもとLe Choeur Symphoniqueの合唱団も集結して、オーケストラとの練習を重ねています。

前回ニケ氏と練習をしたのが11月末のこと。以来、超多忙な彼はこの本番の週までモンペリエに来ることができなかったため、なんだかぶっつけ本番的な感じで、オーケストラと合唱とソリストの調整をして金曜と日曜の本番を迎えます。
火曜日、水曜日の日中、オーケストラだけの練習をし、火曜日の夜からはオーケストラと合唱の練習をし、水曜日の夜には二人のソリスト歌手が到着しました。
すでにオーケストラがいるわけですから、私のお役目は練習前のウォーミングアップを兼ねた確認プラス調整の30分だけ。ピアノを弾く内容的にはもう楽なんですけど、本番を直前にしてわずかな時間で問題を解決していかないといけないために、どうしてもピリピリムード。さらなる緊張感が必要で、短い時間ながらかなり意識が消耗されます。。。

さて、ブラームスの「ドイツレクイエム」は7曲からなるのですが、うち3曲目と6曲目にはバリトンのソロパートが、5曲目にはソプラノのソロパートがあります。
今回コンサートに参加するのは、今日のフランスバリトン歌手を代表する人 ロラン・ナウリ氏(Laurent Naouri)とデンマーク出身(確か、、、)の歌手 ヘンリエット・ボンド=ハンセンさん(Henriette Bonde=Hansen)です。
二人とも国際舞台での経験豊富な一流アーティスト。
水曜日の夜20時から初めて全員がそろっての練習があったのですが、その前に1時間だけ、指揮者とソリストの顔合わせ練習が私のピアノ伴奏で予定されていました。

この日、寒波と悪天候とストライキなんかも重なったために、ハンセンさんは飛行機のキャンセルと遅れのために約束の時間に間に合わず、ナウリ氏との練習だけになりました。
練習開始は18時とされ、私はオペラjrの練習が終わってからあわてて同じCORUM内の約束のリハーサル室にむかうと、もうすでにニケ氏もナウリ氏もいた!
ニケ氏は「あ~、君が弾いてくれるのか、よかったよかった!」と言ってくれ、その横でロラン氏はきっと予想外の姿の私の登場に「誰だこの人は?」的な顔をしていました。だって私はアジア人だし、この世界ではまだまだ若い方。一見、アジアの女の子でしかありません。

実はこのナウリ氏、フランスのスーパースターソプラノ歌手ナタリ・ドゥッセイさんの旦那さんなのであります。世界の舞台で夫婦共演なんかもしているカップルです。バリトン歌手らしく体格がよく、しかもスマートで見栄えのいい彼を、実は私はテレビで見たことがありました。
その人が私に向かって手を差し出して「こんにちは、ロランです。」と言い、なんちゃってピアニストの私は「初めまして、leonardoです。」とニッコリ握手。するとナウリ氏は「え?」と私の名前を聞き返しながらも、見事な発音で「leonardo?」と確認してくれました。

そう、こういう瞬間がいつも新鮮なのです。
まず、こういう大物スターを前に、今や緊張することもなく普通に自己紹介してしまえている私に我ながらちょっと笑えちゃう。
そして、やっぱりこちらの国ですから、こういうときもしょっぱなからお互いファーストネームで入るんですね。私からすれば、テレビで見たスターがいきなり自分の前で「ロランです。」ですからね。おもしろいもんです。

ざ~っとバリトンパートの合わせをしましたが、いや~なんという贅沢。フランスを代表する歌手の声を私のすぐ横から聞けてしまい、なにより、その人の伴奏を自分がしているんですから。
素晴らしい声ながらも、要求の高いニケ氏はやはり容赦なく気がついたことを指摘していきます。

こういうソリストと指揮者の初顔合わせって、いつみてもエキサイティングな瞬間です。
まずはお互いが腕自慢じゃないけど、自分のもってる力を披露しないといけないし、相手を魅了しないといけない。一緒にいい音楽をするためにそこにいるんですからね。で、たとえすでに名の知られた一流アーティストでも、指揮者の要求にそうようにしなければいけません。超ベテランの指揮者もいれば、まだ若手の指揮者もいる。若手の指揮者の場合、たとえまだ若いとはいったって、その舞台をまとめるのは指揮者の仕事。年配のベテラン歌手相手に遠慮ばかりしていてはいけません。この辺りからはそれぞれの人の性格が左右していきますね。

さて、この日のニケ氏とナウリ氏はだいたい同じ世代の二人。私から見ると、ニケ氏が彼らしく、細かいところまで自分の描くビジョンに沿って要求をバンバン言っていました。途中何度かナウリ氏に「うんざりさせてごめんね。」と言い、ナウリ氏も「いやいや、僕も同感だから。」とか言い合ってました。

ともあれ、ナウリ氏の声はぴかいち。「ドイツレクイエム」のソロパートにバシッとはまる声量と表現で、初合わせはうまくいきました。

お互いに「ありがとう」と言い合ったあとで、ナウリ氏が部屋を去り、残った私にニケ氏はいいました。「彼、いいよね~。素晴らしい声だしインテリジェントだし。」
ここら辺がニケ氏らしい。本人の前でべた褒めすることなんて絶対ないんだけど、心の中では「すごい!」と高く評価しているわけです。
私が「二人で一緒にするのは初めてなんですか?」と聞くと、「それがね、20年前に一回共演したんだよ、ここモンペリエで!」という。当時、彼は指揮者のアシスタントとして、歌手の準備をまかせられてたんだとか。
20年前と言うと、二人ともまだまだ若手の売り出し中ミュージシャンだったわけです。そういう二人が今こうしてそれぞれフランス音楽界を代表する人となっているって、彼ら自身にとってもうれしいことだろうし、励みになることでしょうね。

ナウリ氏はテレビで見たときとは違って、地味目で控え目で普通の人っぽい。そしてやるところはバシッと決め、かっこいいです。
もともと私はテノールの声よりも、バリトンの声のほうがずっとか好きですが、現在フランスを代表するバリトン歌手の声に惚れ惚れとしてしまいました。
きっとコンサートの観客も魅了されることでしょう。

2010年1月9日土曜日

Bonne Année 2010 !

少し遅くなってしまいましたが、改めましてあけましておめでとうございます。

2010年!

私は6年ぶりに日本で家族とともに年明けを迎えました。

お寺に行って除夜の鐘もついたし、年越しそばならぬ年越しうどん(笑)も食べたし、初詣にも行ったし、おせちもお雑煮も食べたし、たくさんの着物姿の女性を見たし、日本のお正月を満喫してきました。

二週間弱という短い滞在だったけど、各地に散らばる友達が足を運んでくれたおかげで会えたし、楽しく充実したバカンスとなりました。みんなありがとう。

二年半ぶりの日本はというと、「日本もなかなかいいじゃん。」という感じで、この7年間で一番いい印象が残りました。
日本にいたら当たり前のことなんですが、どんなお店に入っても店員さんの笑顔と穏やかながらきっちりした態度にふれるとやっぱりお客として心地よさを感じますね。こっちも笑顔でありがとうと自然と言えますもん。これが普通のことだと思っていて、フランスの実態にふれると、違和感どころかショックあるいは怒りを覚えるのは日本人として当然のことだと思います。
店がオープンしてる時間帯がフランスよりも大幅にひろいのも素晴らしいこと。
普通に道を歩くにも犬のフンとか気にして下を見ながら歩く必要がないというのも、当然のことなんだけど、今やすっかりありがたく感じてしまう。


あとはやっぱり人の多さ。久しぶりの人ごみをみて、おお~、大都会だな~と思ってしまった私。すっかり田舎者です。
私はこの休暇のほとんどを京都で過ごしたんですが、おせち料理の食材買いのお客と観光客でにぎわう大晦日の錦通りとか、







初詣客でにぎわう平安神宮とか、







同じく初詣客と観光客とでにぎわう二寧坂付近とか、







とにかくいつどこに行っても人が多かったですね。
それでも嫌気がさすような人の多さでもなく、次も帰省するならお正月がいいかな~なんて思いながら、月曜日にモンペリエに無事に戻り、翌日からは仕事も平常通り再開したところです。



日本滞在中はおみやげと自分のものを含めてショッピングにあけくれたので、ショッピングしに日本へ帰り、働くためにフランスに帰ったという感じです。ふと、私は出稼ぎ外国人労働者かと思わないでもない。。。



さて、フランス語で「あけましておめでとう」がBonne Année !(ボン・アンネ、ボナネ)です。直訳は良い年を。「望みが実現しますように=ご成功、ご幸福を祈ります」というところからTous mes voeux !(トゥ・メ・ヴ)も並んでよくつかわれます。

フランスでも日本と同じように、友人や職場関係の人だけでなく、ご近所さん同士でも「新年おめでとう!」の声をかけあいます。私も今住んでいるところにきて早3年半。「あけましておめでとう!」を言い合うご近所さんたちが数人います。こんなところでも「ここに暮らしている。」ということを実感させられますね。
親しい友人同士なんかでは、日本と同じように「たくさんのいいことが訪れますように!」とか「幸せがいっぱいきますように。」とか「愛に満ち溢れた一年になりますように」とか「たくさんのドッキリがありますように。」とか、いろんなフレーズが使われます。そんな中、友人が今年言ってくれたフレーズに、「あなたにとって2009年の最良のできごとが、2010年の最悪のできごとと(いえるように)なりますように!」というのがありました。現実にはなかなかそこまではいかないとは思いますが、それくらいの勢いで運気が上昇していくといいですね。

さて、新年となるといつも言うのが新しい年の抱負ですが、昨年の1月には何を言ってたかな~と思って見てみたところ(っていうか忘れてしまっている私)、英語力のアップと書いてありました。その点、アップとはいかなかったけど、毎週一回、英語でおしゃべりする交換レッスンをし始めたり、アメリカ映画は英語オリジナル音声と英語字幕で見るようになったし、ささやかながら英語力アップのための行動はおこせたのではないかと思います。一応ぎりぎり有言実行の合格ラインかな。
ブログで宣言すると励みになるかも、と確認したので、今年もあえてブログ上で宣言させていただきます。
英語力のアップ、フランス語力のアップはもちろんなんですが、今年の抱負はギターを買って再び挑戦すること!です。
実は私22歳ごろ、ギターを購入して「いつかボサノヴァを弾き語りできるようになりたい!」と夢見ていたのです。それはフランスに来ることになった時点で置き去りおなざりとなってしまっていたのですが、やっぱり私はギターの音色が大好き!
モンペリエでも2年ほど前から周囲の人に「ギターを弾きたい!」と宣言していたのに、結局買うことすらできないままで、友人たちにも「でleonardo。ギターはどうなったんだ?」とつっこまれることもよくあり、「く~。。。」とくやしさを感じておりました。

なので、今年こそ!です。

それから二つ目の抱負としてはイタリア語ですね。
この前の夏にイタリアへ行って、私のイタリア語熱が再発したことはブログでも書きましたが、やっぱりこれも自分で勉強する時間をとってこそ。9月以降仕事がたてこんでとてもその余裕がなかったのですが、今年はやります!がんばってみせます。

ただ、このほかにやっぱりこのところ痛感しているのが「健康であること」です。

昨年は何やらひどい腰痛持ちになってしまったり、徹夜の飲み会なんてもうできなくなったし、ある日突然目の中で出血をおこして、インターネットで調べたら「疲労、ストレス、そして年齢のせい」なんてことが書かれていて、あちこちガタがでてくる年であることを確認させられてしまい、ひ~。。。なんて思っていました。

だからどうせ年はとっていくにせよ、ちょっとでもいい状態でいられるように、自己メンテナンスはちゃんとしたほうがいいなと思いました。ので、身体にいいことを何か始めたいと思います。

みなさんの今年の抱負はなんですか?

私の2010年は、とりあえず今のところすでに7月末までの仕事の予定がぎっしりと入っています。今のご時世、仕事があるのはありがたいことですが、仕事に追われるだけで日々過ぎてしまわないように、しっかりと自分のしたいことを大事に、さらに前進できる年にできたらなあと思います。

どうぞ今年もよろしくお願いします。