2008年8月16日土曜日

マダムムッシュー mon voisin

マダムムッシューとは、実は私のお隣さんのこと。私が勝手にそう呼んでる隠れあだ名です。フランス語でお隣さん、御近所さんのことをVoisin ボワザン(女性だとVoisine ボワジンヌ)といい、ちなみに「となりのトトロ」はフランスでは「Mon voisin TOTORO 」ですが、今日は私のボワザンの話です。

私の家に来たことがある人は出くわす可能性が高いこの人、マダムムッシューだなんて呼んでるけど、男性です。年齢は不祥。47~58の間かな、って微妙ですね。なぜ隣の人をブログで勝手に話しちゃうのかというと、話さずにはいられない謎の人だからです。

マダムムッシューは見た目もかなりインパクトのある不思議な人。服装も、髪型も、そして顔も、いったいどこの土地の人か、いつの時代の人か、いろんな意味で微妙な人です。(ああ、写真を撮ってぜひ載せたい!)でも、私が引っ越してきたときから、私にはとても親切でした。すれ違うたびに、「元気?いろいろうまく行っますか?アパートで何か問題はないですか?」とか気にかけてくれる。でも機嫌のいいときと、何やら考え事をしているときとの差が激しく、彼の不意をうってあいさつをすると妙に驚いたりしている人。

私の住むマンションは、かなり大きな敷地にいくつか棟があって、部屋のサイズもいろいろで、独り身から家族までとバラエティーにも富んで、全体で140世帯くらいあります。賃貸で住んでる人もいれば、購入して住んでる人もいて、このマダムムッシューはきちんと購入して住んでいるので、マンションの自治、管理問題にも熱心に関わって、住人に知り合いも多い。私への話し方や、よく敷地内で他のご近所さんと立ち話をしてる姿とか見ると、ゲイだと思えるし、ゲイの中でも特に女性の味方のゲイ(って細かいですけど、わかる人はわかってくれるでしょう。ゲイにも2タイプあるんです。)に見えます。そういうわけで、私はマダムムッシューと勝手に呼んでるのでした。

私の入居の時に、私の部屋の大家さんが念のためといって、このお隣さんを紹介してくれたんですが、その時、大家さんから美術学校の先生だと聞いてました。すっかりそう思い込んでいたのですが、最近の立ち話で、ご本人から実は大学の文学学部で先生をしていると聞きました。

職業もきちんとしてて、何もびびることも怪しむことはないはずで、親切な御近所さんと仲良くして、いろいろと助け合いをするのはよいことだけど、このお隣さん、ゲイなのかノーマルなのか、はっきりしないので私的には微妙なんです。。。

今週の金曜日15日はフランスでは祝日でした。私はとくに予定もなく、部屋のそうじをしてから、めずらしくピアノを弾いちゃったりしてました。そしたら「チリリン、チリリン」と玄関のベルがなりました。その前にお隣さんが出てくるドアの音が聞こえていたので、きっとお隣さんだと思ったから、「は~い、、、」と返事をしながらドアに向かいました。(普段は居留守の常習犯ですからね、私)

ドアをあけるとお隣さん。「ごめんなさいね、お邪魔して、、、。」フランス語では男女で話し方が変わらないのに、ついつい女言葉風に訳して解釈してしまう私(笑)。「いえいえ、、、」と答える私に彼は「ちょっと携帯で困ったことがあって、、、。あなた携帯のメッセージ、どうやってするか知ってますか?」と聞いてきた。話を聞くと、携帯メールが打ちたいらしい。もしよかったら彼の部屋に来てくれと言うから、内心「。。。。。」と思いながらもちょっと手助けに行くことにしました。

実は私が彼の家に入るのはこれが初めてではありません。以前、マンション内の騒音の話をしたときのこと。私は自分がたまに弾くピアノの音をいつも気にしてますが、彼は最初から「ピアノは大好きな楽器。」と言って、全然気にしないでいいといってくれます。一方、彼は彼で、「昨夜テレビの音で邪魔しちゃったんじゃない?」とか、「音楽大きな音で聞いちゃったけど、うるさかったんじゃない?」とかいろいろ気にしてるのでした。このマンションはコンクリート造りで、音がすごく響いてしまうのが難点なのは確かですが、私には彼の部屋からうるさく音楽が聞こえてきたことはないのだけど、時々どこから聞こえるのかはわからないけど気になる音があったから、その話をしたら、彼はたいそう気にしてくれたみたいで、後日、私をわざわざ彼の部屋に通して、「この音じゃない?」とかいろいろ見せてデモンストレーションしてくれたのでした。
彼は「どうぞ入って、入って。」と言うけど、私は一応用心もしてます。そこらへんがね、女の味方のゲイとわかったらめっちゃ仲良くもするのにね。(笑)

以前、彼の玄関のドアがこじ開けられそうになった形跡があったと言って、私が何か物音とか聞かなかったと訪ねてきたことがありました。この夏6月ごろには、旅行先から帰ってきた彼はすぐにうちへ「チリンチリン」とベルを鳴らしにきて、留守中に何か異常はなかったか確かめにきました。私は普段、家で一人でいるとき、かなりボサーっとした服でいるので、突然チリンチリンと来られても、「ちょっと待って。」と言わざるを得ません。で、数十秒またせてるもんだからドアの外からはマダムムッシューが、「いいんです!僕、なんでもないことで邪魔してるだけだから!」とか叫んできたりして、なにかと笑える人。
今でこそ私たちのマンションは、防犯のために敷地の周囲がきっちり閉じられてますが、以前は誰でも敷地内に入れました。で、浮浪者がすごく多いモンペリエなので、冬場には寒さから避難してくるホームレスが、勝手に建物内に入って寝てることがあったのです。私が住むのは4階ですが、マダムムッシューが言うには、ある日、私と彼の部屋の前で誰かが寝ていたそうです。夜中、マダムムッシューも部屋にいたけれど、なにやらドアの向こうで音が聞こえる。でものぞき穴から見ても誰もいない。でも音がする。だから怖くなった彼は、向かいの建物に住む友人に電話をして助けを求めたそうです。で、この友人に「危険はないよ。ドアを開けてみろ。」と冷たく言われたらしく、彼はおそるおそる電話をもちながらドアを開けたら、やっぱり浮浪者が寝ていたそうです。
こんな話をきいたらやっぱり○○ですよね。

マダムムッシューの部屋はかなり広い間取りです。今日は彼の書斎っぽい部屋に通され、携帯のメールの説明をしました。が、機種によってちょっと勝手がちがうので、結局私にもできなかたんです。彼は説明書を探してあれこれと物を広げてくれましたが、結局見つからず、しかも彼が打ちたかったメッセージはすごく長い文章だったから、これだったらEメールか電話をした方がいいのでは、、、と言っておきました。彼は「僕はハイテクというかメカというか、テクニックのことは一切何にもわかんないんです。」と言う。そう言えば、前、確かタイヤの交換もできないと言っていた。。。(笑)私もあまりフォローもできません。
それからいつものように「何か問題はない?」と聞いてきたから、世間話の延長で、マンションの話になりました。
私の部屋はF1タイプといって、日本でいうと1DK?。つまりメインの部屋と別に小さなキッチンダイニングがあります。それなりに広々としているからいいのですが、今後のことを考えるとやっぱり寝室が別にできたらいいなーと思ってます。立地条件と駐車場もある環境はすごくいいという私に、長年住んでるマダムムッシューもこのロケ-ションは最高だと太鼓判を押しました。彼は「このマンション内で、F2(もう一部屋あるタイプの部屋)を見つけられたらいいのにね。」と言い、私を彼のベランダに案内しました。向きは私の部屋のベランダと反対側。お隣さんの方がモンペリエの旧市街地側です。そちら側には市営の小さな体育館があるので、てっきりそれが目の前にある感じかと思っていたら、体育館よりも高いので、視界を遮るものはなく、しかも向かいに誰かの家もなく、遠くには旧市街地の教会が見えて、想像よりもずっとかいい見晴らし。お隣さんも、このマンションの中で一番いい場所のはず、と得意げ。
彼はこのマンションは管理費が高くないからいい、とか、フランスのマンション購入事情などいろいろ話してくれました。
私のために音楽の話とかも出してくれたけど、今日の新しい発見は、彼は文学を教えてるだけでなく、執筆活動をしている現役の作家さんだということ。あ~、どおりで何か考え事してたり、ちょっと上の空の不思議さんなんだ!と納得。(作家さん、ごめんなさい、私のイメージです。)で、そんな話が出たついでに、ふと思ったのが私は彼の名前をしらないってこと。郵便受けにはなんとかカンパニーって出てるから、なにかグループの名前かと思ってたんです。で、名前を聞いたら、実はカンパニーというのが彼の苗字でした。一応名前はペンネームを使ってるそうです。どんな本を書いてるんでしょうね。でも機械おんちで、パソコン打ちができないと言いました。以前はタイプライターさんに打ってもらってたとのこと。今でも自分は手書きですって。

とまあ、新しい発見もあり、いろいろと話し、そんなこんなのマダムムッシューですが、結局今日もゲイかノーマルかわからなかった!!!

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