2008年8月2日土曜日

セレブな夜?

早いものでもう8月。

7月14日から行われていたラジオフランスのフェスティバルも31日で最終日を迎え、フランスのスーパーソプラノ歌手 ナタリー・ドュセイ Natalie Dessay を迎えて最後のコンサートが行われました。このコンサートは早くからチケットも完売していたので、私は聞きに行けなかったけれど、「やっぱり彼女はすごかった。」との声をあちこちでききました。もともと俳優志望だった彼女は、本格的な演技の勉強をした後で、その美声をかわれて歌の勉強を始めたというから、ユニークなキャリアの人ですよね。でもそのおかげで、発声も演技力も兼ね備えた圧倒的な存在感で、お客さんはもちろん、オーケストラのミュージシャンも「感動して鳥肌がたった。」と言っていました。

さて、このコンサート後に、フェスティバルの打ち上げのソワレが開催され、私は日本人ヴァイオリニストYさんの誘いを受けて、ちょっぴり乱入というか、参加してきました。

ソワレの場所はDomaine de Gramond という、モンペリエ郊外にある小さなお城跡。フランスにはこうしたDomaineと呼ばれる土地がたくさんあって、ワインのための大きなブドウ畑を所有した領主さんのお城だったわけです。このグラモンというところ、今ではモンペリエ市のものになっていて、市役所での結婚の儀式は全てここでとりおこなわれているそうです。
コンサートが終わったのが22時半ごろ。それからみんな移動するのですから、始まるのがすでに遅い。会場に近付くにつれ、なんだかセレブな匂いがしてきました。



参加しているのは、オーケストラのミュージシャン、テクニシャン、ラジオフランスの関係者、モンペリエ、エロー県、ラングドックルシオン地方などの政治関係の方々。



まずは一杯と思ってシャンパンをもらいにいくと、そこにはなんとお寿司までありました。さすが寿司人気。



みんながアペリティフとおつまみを楽しんでいると、11時半ごろになって、ある人がスピーチを始めました。これがフランスで知らない人はいないという政治家ジョルジュ・フレッシュ氏 Georges Fréche。彼は社会主義派の超大物実力者で、モンペリエの市長を長年務めてきた人。モンペリエが急速に発展し、こんなに充実した街になったのは、この人のおかげなんです。今でこそ市長の座は退いていますが、ラングドックルシオン地方のトップとして、まだまだ政治は現役のお方。あまりにも力があるからか、時には別名ルイ16世(笑)。このフェスティバルは、ラジオフランス、ラングドックルシオン地方、そしてモンペリエ地域共同体の共催なので、このフレッシュ氏はもちろん最重要人物の一人。さて、このお方のとなりにまた大物がでてきました。モンペリエの音楽界の王様ルネ・クーリング氏 René Koering。この二人のタイアップにより、CORUMが建設され、モンペリエオーケストラとオペラがナショナルというタイトルをかかげるようになり、そしてラジオフランスのフェスティバルが行われるようになり、しかもどんどん発展することになったのでした。この二人の王様はもう長年のパートナーのようなもの。二人そろえば怖いものなし。王様二人は今年のフェスティバルにも大満足のようで、関係者の労をねぎらい、感謝のスピーチをされました。




さて、このスピーチが終わってようやくみんながテーブルにつくことになりました。時計をみると0時!0時にフルコースのディナーがスタートです。どんな遅さや?


この建物がお城で、食事はその前一面に広がる芝生のお庭で、ということになりました。
さっきまで立食形式で、アルコールとかなりのおつまみを食べたわけだけど、テーブルについてしきりなおし。まずマグロのタルタルっぽいものがでてきました。


やっぱりフランス人の食事のペースだから、時間はゆっくり流れます。次のお皿はパイ生地の上にのっかった羊のお肉。


私はYさんと一緒に、二組の若いミュージシャンカップルと同席したけれど、彼らを見ていると不思議な感じがしました。彼らは私よりも若くて、すでにオーケストラの正式団員として立派な仕事があって、そしてまもなく結婚するという。あれ、私って何歳だっけ?とついつい思ってしまいました。

メインのお皿の次はもちろんデザート。パイ生地とアイスクリームとフランボワーズがお上品にでてきました。


このテーブルには若者が集まってるだけでなく、国籍もいろいろ。フランス人、日本人、ロシア人、ブルガリア人が集まっていました。私とミュージシャンの人達とは、仕事場ですれ違ったりあいさつを交わすことはあるけれど、お互い誰なのか知らないままのことがよくある。こうしてこの夜をきっかけに、またちょっぴり新しい知り合いができました。
デザートのお皿が片付けられると、続いてコーヒーのお供にチョコレートのおかしが。


時計をみるともう2時半をまわっている。。。。「こんな時間にコーヒーなんて飲めないわ。」と言う人もいたけれど、ちょっと冷えてきたし、私はコーヒーを飲まずにはいられない。

そんなこんなであっというまに3時が過ぎました。ミュージシャンの人にとったら、フェスティバルの打ち上げ=今年度の打ち上げ=バカンス突入。お酒も入って楽しく盛り上がる人達もいるし、帰る人もいる。本当にみんながマイペース。食事中、私達はテーブルを離れなかったけれど、それぞれのテーブルを回っておしゃべりする人もたくさん。ついには王様ルネ・クーリングだって、テーブルを回って声をかけていた。意外とまめだったりする?この王様。
南フランスの夜の屋外はほんとうに快適。楽しいひとときでした。こうしてフェスティバル関係者も晴れてバカンスに入ります。みんなそれぞれの土地で、それぞれの方法でバカンスを満喫するんでしょうね。

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