2008年8月3日日曜日

Cathédrale de maguelonne

Mさん滞在二日目は、この地方ならではの景色を味わってもらおうと、ドライブに出かけました。まず向ったのはマグロン maguelonne にある教会。私の家から一直線に海に向かうと、まずパラバス (正式名称はパラバス・レ・フロ Palavas-les Flots)があり、その西側にあるのがマグロンです。




この付近は周囲を水に囲まれた細長い陸地になってます。6年前、私がパラバスにたどり着いたときに感動したように、Mさんもこれを見ておおはしゃぎ。なんだか見えますか?



そう、フラミンゴがたくさんいるんです。私にとったらフラミンゴが生息するのは、動物園かキリマンジャロかここパラバスって感じです。(笑)

普段シーズンオフなら、教会までこの細い陸地をずっと車で進んで行けるんですが、バカンス中は車両通行禁止。仕方ないのでマグロンのビーチ観光客用の駐車場に車をとめて、歩き出しました。
青い空とどこまでも続くきれいな砂浜。それはそれはきれいなんですが、Mさんにこのビーチを見せるのをちょっと躊躇しました。実はこのビーチは知る人ぞ知るビーチなんです。そんなこと言われても、普通の日本人には想像できる範囲をこえてると思うのであてられる人はいないと思いますが、、、、。実はここ、ヌーディストビーチなんですね~。なんでよりによって教会への道で、しかもきれいなきれいなこのビーチがヌーディストに占領されてしまったのか、その過程は知りませんが、私も最初に見たときはあっけにとられました。
あれは今から3年前。ある友人カップルに、夕暮れのビーチに行こうと誘われました。行き先も特に聞くことなく、彼らの車でたどり着いたのはここ。砂浜で足元に気をつけながら歩く私に友人が言いました。「leonardo, 大丈夫、ショック受けない?」もちろん「何がショックなの?」という感じでのんきな私は顔をあげました。するとそこはヌーディストビーチ!もう笑い話でしかありませんが、現地に着いてから「ショックじゃない?」と聞いたって遅いじゃん。前もって断ってよ(笑)あっけにとられると同時に、次から次へとおもしろい光景を目にした私は、もう笑いまくり。このカップルが言ったフォローは「ここは自由にしてていいビーチだから、水着を着ていたい人は着てたらいいんだよ。各自が好きにしたらいいから。」あーなるほどね。でもこんなビーチでアジア人はまず見かけず、普通に水着の私は逆に目立ってしまいました。。。

とまあ、Mさんにも思い出話をしつつ、厳密にどこからヌーディストビーチなのか覚えてない私は、「たぶんもうちょっと行ってからだと思うけど、、、。」と自信がなく、ヌーディストのビーチを覗く観光客というのもなんだか変だし、でもここの砂浜はとびきりきれいだからそれもMさんに見せたくて、まあMさんにおまかせ、と思っていました。で、土手にある階段をのぼってみると、そこは別世界!まぶしい太陽、きらめく青い海、青い空。そしていましたそこにはヌーディスト達が。老いも若きも女も男も。みんなマイペース。ひとり者もいればカップルもいれば、仲間同士もいる。これは本当に百聞は一見にしかず。不思議な光景です。
人はそれぞれいろんな思考や嗜好をもって生きてるわけだけど、おもしろいわ。

さて、あまりにも世界が違うので、私達はおとなしく土手のこちら側で、海が見れないのが残念だけど、おとなしく教会をめざして歩くことにしました。教会は遠くに見えているのだけど、これがけっこうな距離。日差しは強いし、どうしようかと思っていると、向こうからモンペリエの街の観光電車と同じ、ミニ電車がやってきました。



ああ、あんなのがあったのか、と思いつつも、わざわざお金を払って乗るほどの距離でもないし、、と、通り過ぎる電車を見送りました。私達はヌーディストビーチ討論をしながらてくてく歩き続けます。すると今度は後ろから「チリン、チリン」と優しい音を鳴らしながらミニ電車がやってきました。しかも今度は私たちの目の前で泊まり、ビーチ観光客をおろしはじめたんです。乗るなら今だと思った私は、運転手さんに「いくらですか?」と聞きました。そしたらおじさんは「タダだよ。」って答える。「あ、本当?私たちカテドラルまで行きたいのだけど、、、」と言うと、おじさんは「どうぞどうぞ、乗って乗って。」と勧めてくれて、私たちも乗ることにしました。教会が近づいてくると、修道士さんたちが昔から育ててきたブドウ畑が広がります。あのまま歩いていたら相当時間がかかっただろうけど、電車のおかげで5分もせずに到着。早かった。

この教会の歴史は長く、5世紀のころにさかのぼります。実はモンペリエが繁栄する前、長い間、ここ一帯で一番大事な教会はここマグロンの教会であり、司教座の教会として君臨していたのでした。やがて16世紀に力を増してきたモンペリエに司教座が移されるという決定がなされ、その後マグロンは衰退してしまいました。当時は陸続きではなく、地中海に浮かぶ島だったそうです。現在残っている教会は11世紀に建てられたそうで、壁の石を見ているとその古さに驚かされます。教会というよりは遺跡を訪れた印象です。







現在、地元の人々の手によって丹念に修復計画が進められています。明るく新しい石の部分は、修復されたことがわかりますね。




中に入るとそこはまるでインディージョーンズの撮影セットのようです。





きらびやかな装飾が全くなく、「本物」を感じます。

この教会では毎年6月に、古楽のフェスティバルが開催されます。私も去年行きましたが、抜群の音響の中で、リュート伴奏とカウンターテノールの演奏を聞かせてもらいました。



教会周辺では孔雀が飼育されていて、きれいな羽を見せてくれました。




さあ、次の目的地にむけて出発です。

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