Mさんにもぜひ訪れてほしかったのがユゼスの街。日本人にはまだ馴染みがないと思いますが、「フランス一美しい街並み」と言われる町です。
古く5世紀から司教座がおかれ、織物工業なども発展し、フランス革命をむかえるまでとても繁栄した町でした。しかし司教とそのライバルである領主との間には争いが絶えず、領土のことに始まる利権をめぐって裁判などが繰り返されたと言います。この領主もただの領主ではなく、数々の戦争でフランス王に忠誠を示してきた結果、子爵、伯爵、さらには公爵とその位を上がってきたのでした。
この公爵の館がユゼスの街の中央にあります。
敷地の面積はそんなに広くはないとしても、なんだか優雅さを感じますよね。お姫様、王子様が出てきそうな感じ。このきれいな屋根が印象に残ります。
この日私たちが訪れたのはもう19時もまわっていて夕暮れ時。しっとりと落ち着いた街並みが、一段ときれいに見えます。
「エレガント」という言葉がぴったりくるこの街。
レストランの奥に見える階段も、とってもおしゃれでシック。
この街に来ると、モンペリエのような気さくで気取らないリラックスした町とは全く違う雰囲気が味わえますね。日本人がイメージするおしゃれなフランスというのは、この街のような雰囲気をさすのかも知れません。
街の中心地の広場に出ました。噴水をかこんで正方形広場を古い建物が囲んでいます。
こここそがユゼスを有名にさせるスペース。この周囲の建物の一階部分は回廊のようになっているんです。
映画でみたことありませんか?フランスの歴史ものの映画などの撮影によく使われる場所ですよ。
私達はこの広場のそばで、おいしいアイスクリームを食べました。職人が手作りで作るアイスはすごくおいしかったです。が、さらにとってもすてきなシーンに出会いました。
私たちがアイスを食べているテーブルのすぐ横に、いつのまにやら人だかりができたんです。
子供達は正面に陣取って、何かを待っています。
こんなに多くの人を集めた人物とは?
なんだか怪しいアラブの魔法使いみたいな風貌の彼。でもそれこそ魔法のように瞬く間に子供大人をも魅了してしまいました。
どうぞビデオで様子をみてください。
子供も大人もうれしくって、子供達は次から次へと親からもらったコインをカップに入れに行きます。コインを入れてもらう度に、お礼のしぐさをしたり、ギャグをしたり、人形師はベースとなるストーリーに加え、集まった人たちも巻き込んでみんなを和ませてくれます。
登場人物も絵描きだけではありません。絵描きの犬も出てきて、お客さんに甘えます。
私はあまり大道芸人に長い時間見とれたことはありませんでしたが、「ハートウォーミング」という言葉がぴったりくるこの操り人形師。 何がよかったって、見ている人の表情。男も女も老いも若きも、みんな目を細めて微笑んでる。
平和ななつのある夕暮れ時。いいですね~。
ユゼスの街に二人して酔いしれて、人形操り師のマジックにかかり、ぽお~っとしていたらもう21時半もまわってしまって、日が落ち始めました。夕食のメニューを決めてあったものだから、急いで帰途につくことにした私たち。
街にも明かりがともってきて、きれいな街は「エレガント」から「ロマンチック」モードになってきました。
ふと見上げると犬と猫が仲良く街を見下ろしていました。きれいな街に住んで、犬も得意げなんかな?
街を離れる前に、足早に最後に寄ったのがここ、司教座がおかれていたサン・テオドリ教会です。現在の建物は17世紀のもので、中に豪華なパイプオルガンがあることでもしられています。カテドラルのすぐよこには鐘楼があり、これがフェネストレル塔です。
私がこの街を訪れたのは二回目でした。前回は昼間に訪れて、そのきれいさに魅了されてしまいましたが、夜の雰囲気は格別。私ですらうっとりしちゃう街です。「フランス一美しい街並み」というのは言いすぎじゃありません。みなさんにもぜひお勧めです。
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