モンペリエがあるエロー県のおとなり、ガール県を流れるガルドン川にかかるこの大きな水道橋。諸説ありますが、紀元前35~19年ごろに着工されました。古代ローマ人の建築技術を私たちに見せつけるかのよう。
この三段アーチのきれいな橋は、高さが49メートル、橋の全長が275メートル。今から2000年以上も昔に、ほとんど手作業でどうやって石を積み上げたのか。まじかで見てると、その偉業に圧倒されますが、工事の解説を聞くとさらにびっくり。
二ームの町は、古代ローマ時代「ネマウスス」という名で知られる都市でした。町が栄えて人口が増えるにつれて水不足が深刻になり、ユゼスの街から水をひく計画がたてられたのです。二つの街の距離はだいたい50キロ。でも高低差はたったの17メートルしかなかったんです。これを計算すると、1キロで34センチという勾配になります。はるか昔にいったいどうやって測定して、しかもその通りに建築した技術はいったいどういうものだったのやら。
さらに専門家に言わせると、この橋の建設にあたって、すべての材料は先に必要な形に切られて準備済みで、一気に組み立てたのだそうです。
たくさんの機械どころかコンピュータまで発明してしまって、今でもはコンピューター頼りの現代人には、とてもかなわない何かがあったんでしょうね。
現在この橋の周囲は、自然環境を保全するためにきちんと配慮がなされていて、妙に人工的な観光地となっておらず、世界遺産のこの橋の下では、普通に水遊びをする人たちがいます。
日本だったら、どうしても「観光地=商業どころ」と言う感じで、おみやげもの屋や飲食店が並んでしまうところでしょうが、このポン・デュ・ガールでは、数百メートル離れたところにある駐車場のそばに、必要最低限の施設、設備があるだけで、この橋の付近は自然のままです。
私はのどがカラカラで、せめて何か飲ませてよ~、と思ってしまいましたが、こうして徹底してこそ、自然が保全されて、世界遺産もずっとそこに残ることができるのでしょう。
もうすっかり夕暮れどきとなってしまいましたが、あともう一か所だけMさんに見せたい街があったので、再びドライブ出発です。
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