2008年10月15日水曜日

à la parisienne パリ風に

ある日、私はある友人カップルと車で出かけ、路駐場所を探すことになりました。その時に知ったのが衝撃の「路駐パリ・テクニック」だったのです。

もともと日本人に比べ、フランス人の路駐の仕方が驚くべき大胆だとはわかっていました。というか、自分が所有する車の小さな傷などに対する考えが全く違うからです。前にもこのブログで話しましたが、フランス人にとって、「車のバンパーというのはぶつけるためにある」のです。ですから、路駐スペースが微妙に足りないときでも、フランス人はとりあえず車を入れて、前方の車にこつん、後方の車にもこつん、そしてハンドルを切って路駐完了というものなのです。

こういったシーンを目の当たりにするために、「ああ、頼むから私の車にはしないでよ~」と無駄に祈ってみたり、「車に傷はつきもの」という考えを受け入れるようになっていました。車はきちんと安全に走ってくれればそれでいいのです。

しかし、自分が乗った車がパリ風路駐をするとなると、その衝撃はさらに大きいのです。

この日、路駐場所を探してうろうろしていた私たち。運転していたRはあるスペースに目をつけました。私たちが乗っていたのは小型車。それでも私の目にはこのスペースでは足りないことはあきらかでした。「難しいんじゃない?」とかいうレベルではなく、あきらかに30センチ以上車の方が長かったのです。同乗していたPだって、「無理無理!50センチは足りない!」と言ったのですが、Rは聞きません。
「俺がパリ風にしてやる!」と一言。淡々と車を入れ始めました。ここで出た言葉が「à la parisienne」だったわけですが、こつんとぶつけるどころの話じゃなかったんです!

だって、こつんとぶつけたって、スペースが足りなかったのですから、それだけでは成功させれません。淡々とハンドルを握るRは、まずは一発でスペースに車を入れ込み、そこからぐぐぐっと前の車を押したのです~!私は「ええ~?!ちょっとちょっと!!」と騒ぎ、Pは「ちょっと、やめてよ私の車に傷がつくだけで無駄だから、やめて!」と叫びましたが、Rは極、淡々とハンドルを切り替え、そうしてもう一度、前の車をぐぐぐ~っと押したのです。すると見事、私たちが乗っていた車はきちんとまっすぐ向いて駐車完了。

。。。。。

騒いでいたPも「ブラボ~。おみごと。」と称賛する中、私は一人だけ、「ちょっと、日本でこれはしたらだめだからね!警察が、車の傷からこっちの車を特定してきて、弁償問題になるからね!」と怒り、「これじゃあ、私がいくら気をつけていたって、私の車が無傷でいるというのは望みなしだわね、、、、。」とため息をついたのでした。

もちろん、車が無傷でいようが、ピカピカに磨かれていようが、実際のところ、あまり意味はありません。単に「見た目がきれい」というだけのこと。
しかし、駐車している他の車をこうやって押しのけていいものでしょうか。。。

フランスと日本、やっぱり違うところはいっぱいです。

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