2009年6月8日月曜日

パリ散策 ~ モスケ ~

Cité de la Musique でのコンサートから一夜明けた金曜日、オペラjrのメンバーは朝8時のTGVでモンペリエに帰っていきました。高校生や大学生がほとんどなので、みんな年度末の大事な授業やテストがあることを配慮したからです。


私はというと、せっかく久しぶりにパリに来て、コンサートだけしてトンボ帰りだなんてもったいないと思い、ちょっとゆっくりさせてもらうことにしました。週末は土曜も日曜も朝から大事な練習があるから、残念ながらゆっくり週末をパリで過ごすということはかなわなかったけど、金曜日の夜19時のTGVまでしっかりパリを満喫することに。

前日のコンサートに来てくれたLが、前もってこの日は私にあてると空けていてくれたので、彼女の家に向かいました。

パリのメトロが嫌いな私は、多少渋滞があってもバスに乗って街並みを見るのが好き。泊まったホテルはパリ北東の境界線にあるパンタン門にあったのですが、そこからバス停を探し、パリの中心地にむかう路線を探し、75番線に乗り込みました。

そしたらこれが大正解。ラ・ヴィレットの地区からベルヴィル地区横を抜けてレピュブリック広場を通ってポンピドューセンター横を通ってシャトレ劇場、そして最後はポン・ヌフで折り返すという路線。素敵なパリの街並みが楽しめましたが、中でも印象に残ったのがビュット・ショーモン公園とその周辺。思いがけずに傾斜の多い土地で、ある意味パリっぽくない公園でした。次回必ず散歩に行くぞと決定。


バスにのったために、ちょっと時間がかかったけれど、お昼前には彼女のおうちに到着。彼女の家はモンペリエに向かうTGVが出るリヨン駅から便利なところにあるので、荷物をここに置かせてもらうことにしたのです。つもりつもったおしゃべりしながら彼女の手料理を頂き、いざお散歩に出発。


Lとは知り合ってもう7年近く。彼女は音楽学者。私がもともと音楽学の研究のためにフランスに来たということを知っている人はあまりいないか、もうみんな忘れてるかもしれないけど、研究をしていた時の私にとってはよいアドバイザーだったし、かなり波乱万丈な人生を歩んできたLは、前も今も人生のアドバイザーでもあります。

その彼女はなんといっても生粋のパリっ子。シテ島とカルチエラタン周辺で育ったのだから、パリもパリのド真ん中。いつもパリジェンヌ自身のお気に入りの場所を案内してくれます。私ももうパリは何度も来てるし、ひととおりのエリア、名所、地理感覚はみについてるので、パリジェンヌの目線でのパリを楽しむことができて贅沢。


今回は、今までに私がゆっくりと味わったことがなかったオーステルリッツ駅周辺のエリアに出かけることにしました。


駅の向かいから広がるのが植物園。この日は青い空に恵まれてとても快適でした。







ここには小さな動物園や大きくて立派に改装された国立自然博物館があります。モンペリエの友人にはぜひ覗いておいでと言われていたけど、この日はあまり時間もないことだし、パス。
植物園を通りぬけたところにあるモスクに行きました。イスラム教徒の寺院であるモスク、フランス語ではMosquée モスケといいます。寺院の横手にはアラブ料理のレストランやミントティーで有名なティールーム、そしてトルコ式浴場であるハンマームまであり、イスラム教徒でない人が、ちょっと異国情緒を楽しめる空間となっています。
私は寺院の前をとったことはあったけど、中に入るのはこれが初めて。観光名所でもあるけど、パリジェンヌであるL曰く、「パリで一番素敵なティールーム」、そしてこれまでに何人ものパリっ子に「モスクでミントティー」を勧められてきたから、パリっ子自慢の場所でもあるようです。





白い壁とモザイク柄のタイルが素敵。

建物の中に入ると異国情緒たっぷりのレストランがあります。


でも、有名なミントティーは建物に入らずに、小さな庭で楽しめます。
一杯2ユーロ。甘くておいしかった!

そしてミントティーはもちろんだけど、青空に恵まれたから、白い壁とタイルと木がとても気持ちよくて、私はこの空間のとりこに。




一番印象に残ったのは、この狭い空間にお客さんがたくさんいるにもかかわらず、すぐそばまで降りてくるたくさんの鳥。そして真ん中にある木からは鳥のさえずりの大合唱。


日本だったら、スピーカーから流される人工的な鳥の声かと思うほど。でもうるさいなんてことはなくて、白い壁に守られたパリのオアシスのようでした。

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