2008年4月5日土曜日

超ハード。でも超充実。感無量。

普通、人にとって一番ゆっくりくつろげる日である土曜日(翌日も休日という意味で)が、私にとっては一番の仕事日。だって、午前は音楽学校でピアノの先生、午後はオペラjrでピアノ伴奏者という二つの異なる仕事を、移動と簡単な昼食のためのわずかな時間をはさんで連続するからです。そして今日は格別にハード。なんせ、そのわずかなお昼休憩の間に私にとっての一大イベントがあって、さらに午後の仕事は18時までは子供たちのグループ、その後22時まで若者のグループとこれまた連続したからです。

さて、そのお昼の一大イベントとは?もちろん、あの車をお買い上げ頂いて、お見送りをしたことです!ああ、本当に感無量。
彼らはやっぱり私の想像通り、できたての複合家族。これはフランスによくある、それぞれ前のパートナーとの間に子供がいる二人が、子供を連れて新しい家族を再結成したときにできた家族の形をいいます。今日の彼は「僕の娘です。」と言って、かわいい女の子と二人で来ました。13時45分に約束してあったんですが、私が音楽学校から帰ってきた13時半にはもう私のマンションの前にいて、二人でひなたぼっこしてました。パパが「ほら、これが僕らの車だよ」と見せると女の子もうれしそう。
お金をいただき、私は彼がこれから県庁でする新しい登録手続きに必要な書類などにサインをして渡しました。そこで、私のサインを見て話が展開。日本は印鑑社会ですが、フランスはサイン(署名)社会です。みんなくねくねっとした解読不明のサインをしてますが、私は漢字でそのまま私の苗字と名前を書いて、サインとしています。その漢字を見て、この父娘も「わっ!?」とびっくり。私が「日本語のままで使ってるの」というと、「あなた日本人なの?この子の母親の兄は、日本人女性とと結婚して大阪に住んでるんだよ。」というではありませんか。「わー、ほんとに?私、大阪地方の出身ですよ。」とかなんとか日本ネタで楽しみました。結構意外や意外と、ここモンペリエにも日本となにかしらゆかりのある人多いんですよね。オペラJrで一緒に仕事してるセネガル出身のセナブーは、お兄さんがセネガル語ペラペラの日本人女性と結婚して日本に住んでると言ってたし、その他にもたくさん話を聞いたことがあります。やっぱり世界はせまいというか地球は小さい?

さて、私も今日はあまり時間がないだけに、いよいよお見送りとなりました。本当に修理費がかさんで、悩まされた車ではありましたが、それでもその分、思い出もいっぱい。彼もそんな私の気持も感じてくれて、「この車もモンペリエに残るから。」と。「ちなみに僕は画家で、モンペリエにアトリエをもってるから、よかったらいつでも寄ってみてよ。」と言うではないですか。「あれ?オペラ座でも働いてるけど、画家としても活動してるの?」と聞くと、オペラ座の方がちょこっとで、あくまでも彼の職業は画家だって。場所も私がよく知ってるところだから、またいつか寄せてもらおう。
彼ら家族を見ていて、心に曇りのないいい人達だなとつくづく感じました。きっとそんなにお金は持ってないのだろうけど、何が自分たちにとって大事かわかってる、そんな感じの人達です。こうなってはこの車ができる限り長い間、ちゃんと動いて彼らが安全にドライブを楽しめるように祈るばかりです。父娘そろって本当にうれしそうに出発していきました。そして私も車が見えなくなるまで見送っていました。

今、仕事から帰ってきて22時半。朝は9時に家を出たから疲れているはず。でもこの家族が買ってくれたおかげで本当にうれしい。なんだか心に青空を感じます。ありがとう。

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