2008年4月15日火曜日

オペラ座コメディー



今日はモンペリエのオペラ座コメディーを紹介します。

この劇場は、モンペリエ国立オペラの本拠地。モンペリエオペラが「国立」というタイトルを掲げるようになったのはつい最近の2001年からのことです。それ以前はというと、本格的に一年分のシーズンプログラムを発表するようになったのは1985年からのことでした。まあ今も「国立」というランクを得てますが、国が100パーセント運営しているのではなく、むしろ逆で、国が何パーセントかの出資をして援助しているというのが事実です。母体はあくまで、モンペリエ市、モンペリエアグロメラシオン、エロー県、そしてラングドック地方といった、この土地の自治体からの出資で成り立つアソシエーションに変わりはありません。
現在、大規模なオペラや現代オペラには新しいホール施設のCORUMが使われますが、その他のオペラ公演は、ここオペラ座で行われ、時々他の団体の公演に舞台を貸し出したりしています。

このイタリア様式のオペラ座は、Joseph-Marie Cassien-Bernard ジョゼフ=マリー・カシアン=ベルナールの設計によるもので、1884年7月に工事が始められ、1888年10月に完成しました。このカシアン・ベルナールは、1875年に完成したパリのオペラ座を設計した Charles Garnier シャルル・ガルニエの協力者だった人物で(弟子という説もあります)、パリオペラ座の建設工事の検視官の務めました。彼は、パリのアレクサンドル三世橋の建設にも携わった人で、当時を代表する建築家であったことがわかります。この劇場が建設される以前にも、同じ場所に劇場があったのですが、二度の火事にみまわれ、その後、急遽建設された三代目の劇場が、今日のオペラ座です。カシアン=ベルナールがパリのオペラ座建設に加わっていたこともあって、その影響は大きく、モンペリエのオペラ座コメディーはパリのオペラガルニエの縮小版だともよく言われています。
縮小版というだけあって、大きさはこじんまりとしていて、とてもかわいらしい私のお気に入りです。


正面玄関から入ってすぐに広々とした吹き抜けのロビーがあります。大理石のらせん階段を上がると、二階のラウンジロビーがあり、大きなガラス窓から光が入っているので、とても明るい空間です。


このロビーの窓からは、コメディ広場を行き交う人々が見えます。外の音は聞こえないし、歴史的な建物の中にいる自分が、向こうの外の世界とは違う世界にいるような気にさせられます。


二階席の人はここからそのまま劇場ホール内に入って行き、3階、4階、5階席の人はここからさらにロビー横手にある階段で上がって行きます。

次回はホール内部へご案内します!

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