物語は、名声とお金の欲におぼれたオペラテノール歌手の登場で始まります。ある日、大舞台を控えた彼が、突如あらわれた不思議なペンギンとのやりとりを後に、気を失います。そして彼が意識を取り戻した時、そこはこのペンギンたちの国「アモーク」だったのです。偉大なアルナックを中心に、この国の住民であるペンギンたちは、欲にまみれたこの歌手の精神を改良すべく、治療をほどこす、、、、といった具合にストーリーは展開します。
リヨンでの初演同様、台本を書いたジョエル自身が演出を務め、テノール歌手役も初演で歌ったEric エリックが出演し、衣装なども初演と同じものを使う、つまり再演をオペラjrの子供たちとモンペリエオペラ座のスタッフで行うというわけです。
指揮は、オペラJrのディレクターであるわれらがボス V氏が行いますが、チェロのオーケストラは、作曲者が彼らのためにこの作品を書いたといい、七年前の初演でも演奏した八重奏団がやってきます。私の仕事はというと、このチェリスト達がやってくる本番間近までの、練習ピアニストというわけです。
このオペラは、モンペリエオペラのシーズンの中の一作なので、町のいたるところでポスターが見られます。
なんと言っても驚くのはこの楽譜の難しさ。現代音楽というと難解なものとはよく言いますが、この音楽はただ難解というのではなく、とても精密によく書けているんです。言葉遊びのような部分が多い台本をもとに、リズムの面でもハーモニーの面でもとても厳密で、楽譜を読めるとは限らないオペラJrの子供たちに求められたものは中途半端なものではありませんでした。最初はちょっと苦手意識のようなものもあって、なかなか波にのらないこともあったけれど、よくここまでがんばってきたと思います。なんせ、年間に様々な計画、舞台があるのがオペラJrなので、このオペラの準備だけをしてきたのとは違うのですから。
さて、次の写真が舞台ですが、ペンギンのような動物の国ということで、北極がイメージされたのでしょう。しっかりと寒い場所という雰囲気がでてますね。
この舞台、一段高くなってるところに、透明の楽譜たてが八本並んでるのが見えるでしょうか?これが実はチェリスト達のための楽譜たてで、彼らはこうして舞台上、舞台セットの一部分として演奏することになります。

初演が行われたリヨンの劇場がモンペリエの今回の舞台よりもだいぶ小さかったことや、モンペリエの舞台の構造上の問題のため、指揮者は舞台下から、つまり舞台上で歌う子供たちからもチェリストたちからもかなり遠く離れた場所で指揮をふることになってしまいました。でもまあそれも練習でなんとかなるでしょう。
初演が行われたリヨンの劇場がモンペリエの今回の舞台よりもだいぶ小さかったことや、モンペリエの舞台の構造上の問題のため、指揮者は舞台下から、つまり舞台上で歌う子供たちからもチェリストたちからもかなり遠く離れた場所で指揮をふることになってしまいました。でもまあそれも練習でなんとかなるでしょう。
この六日日間、月曜日からぶっ通しで舞台稽古をしてきました。今日と明日は貴重なお休み。火曜日にはピアノジェネラル、つまりオーケストラがくる前の最後のピアノとの通しリハーサルで、衣装もメイクも含め、すべて本番通りに行います。舞台にまつわる全てのスタッフにとって、時間と作業の流れを実際に確認する初めての日で、とても大事な日だとよくいいます。このピアノジェネラル、日本ではなんと言ってるのでしょうか、ゲネプロピアノとかかな?それかピアノ通しリハでしょうか。
まあ、明後日の火曜日で私のピアニストとしての役は終わりになります。でもその後また別の仕事で、このオペラに参加するのでその話もまたぜひ今度。
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