2008年4月3日木曜日

新しい季節。新しいページ。

すっかり風邪をひいてしまいました。火曜、水曜と仕事がんばったけどそれでぶり返しが来たのか、今朝目覚めたら、かなり意識もうろう。これはゆっくり休むぞと思っていたところ、8時過ぎに誰かが「ブーッブーッ。ブーッブーッ。」とインターホンを繰り返し鳴らす。。。私の部屋のインターホンがかなりびっくりするような鳴り方をするので、朝っぱからほんとドキッとさせれられる。誰だか知らないけど、私はもう今朝はゆっくり休むと決めたのでもちろん居留守!「ブーッ。ブーッ。」誰だか知らないけど早いところあきらめてください。。。

さて、18時に例の家族3人組がやってきました。時間にルーズで有名な南フランスだけど、彼らはぴったりかっきりやってくる。18:00。私が予定してた段取りでは、みんなで私の車整備士さんのところに行って説明を聞いて、納得いってもらえたら今日お買い上げいただき、車と一緒に帰っていくのを見送る。。。というものでしたが、彼らは「自動車保険を土曜日からスタートにしたから、今日は乗って帰れない」と。まあ、そうは言っても、やっぱり車の状態が大丈夫か確認する時間が欲しかったんじゃないかなと私は理解しました。
それでも雰囲気はいたって和やか。4人で例のガソリンスタンドに向かい、私は整備士のおじさんに、「結局、彼らと一緒に来たから、先日のこと説明してもらえますか?」と頼みました。おじさんは他のお客さんの相手をしてたから、それが終わるの待ちながらも私たちはおしゃべり。「私自身は車のことなんてわからないうえに、こんな古い車は乗ったことなかったから、どんな状態をよしとしていいのか全然わからない。信頼できる整備士さんを見つけるほかないよね。。。」というと、彼らは私の整備士さんに引き続きお世話になるつもりだと言うではないですか。

整備士のおじさんは、きっと私が彼らにごねられて困ってると思ったのでしょう。ちょっといつもと違うひきしまった感じでやってきましたが、オイルの漏れについて説明してくれて、とにかくこの車が年数とキロ数のわりにはいい状態だということと、私がしっかりメンテナンスをしてきたことを強調してくれました。彼らも知りたかったことを質問などをして、これでOKということになりました。「Tout va bien !」
結構意外だったけれど、このカップルも私と同じくらい、車のメカのことはよく知らないという感じ。彼らも整備士のおじさんがよさそうな人で気に入ったようです。

今日は朝から天気もよく、穏やかな午後となったのですが、私たちがこのちょっぴりドライブをした18時ごろはとても気持ちがよかったおかげもあってか、私たちみんな笑顔。彼らも「Je suis content」「 On est content」を繰り返し、うれしさ、満足さを表してくれました。土曜日に車を取りに来るという約束でこの一件は落着。
聞いてみたら、彼らは特に車が欲しくて探していたというわけではなく、ほんのタイミングが成した出来事だったというのです。私がオペラ座のNさんにこの車の広告を託した日の午後、彼女がNさんのところへ顔を出しに寄ったときに、Nさんが「あなたたちにこの車いいんじゃない?」と、私の広告を見せたんだって。そこで、この値段と写真をみて、「あ、これはよさそうだから彼にしゃべってみるわ。」ということになったとのこと。Nさんは掲示板に張り出そうと思っていたのだけど、彼らが「自分たちが見てきて決めるまで張り出さないで」と頼んだのだそうです。もしも気に入らなかったら張り出すという約束で。彼らにとって、この値段だったらなんとかできる金額だったそうです。フランス人はオートマ車は嫌いだというけれど、彼らにとってそのことは別にどうでもよかったのです。実際に車を見ていい状態だしきれいだし大満足だと。

本当にこういうことって、私にとっても彼らにとっても言葉では説明のできないタイミングの積み重なりで起きた出来事。まさに私が言う「ご縁」です。
奥さんのことは仕事で顔見知りになってけど、息子君のことも後になって思い出してみたら、私がオペラ座の音響ルームで字幕操作の仕事をしていた日に、ちょっぴり見学にきた男の子が彼だったことが判明。彼に話してみると、「あー、あの時右側に座ってたあの人だー。うんうん思い出した!」って。
私が推測するに、彼らはまだ生まれたてのカップルなんじゃないかな?きっと新しい家族計画の中でこの車購入が大きな一歩となるのではないかしら。ほんとにラブラブだけど、この900ユーロの車を前に、彼らの幸せそうなことと言ったら。見てて私までうれしくなりました。

フランスではこの前の日曜日をもってサマータイムに切り替わったんです。土曜日から日曜日にかけての夜の間に1時間時計の針を進めました。だから実際には一時間失ったことになるんですが、先週までの18時が今週からは19時だということ。だから、日が長くなってきていたところに加え、一段と日が長くなって、まだ4月だけれど20時ごろまで明るいんです。
車を送り出すというのは土曜日までもちこされましたがなんのその。お買い上げが確定して、私は感無量。だって、あの車を買ったときから今日に至るまでの数年の間でも、私には数々の思い出があるんですから。あんなこともあった、こんなこともあったって。苦しいこと、悔しい思いもたくさんあった時期に重なるだけに、感無量です。まさに本で言ったら、一つの章が終わって、また新しいページをめくる感じです。そしてタイミングよく新しい季節。かわいらしい家族のおかげで心の奥まですっと笑顔になれました。そんな気分で見上げた空をパチリ。2008年4月3日19時半のモンペリエの空です。



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