2008年8月11日月曜日

中国四千年の力

みなさん、オリンピックで盛り上がっていますか?フランスでももちろんFrance2を中心に、中継やドキュメントを流していますが、どうなんでしょう。時差のために生中継を楽しむというのはかなり難しいうえ、フランス人はバカンス真っただ中なので、それほどは盛り上がっていないのが現実のような気がします。。。

私はこの間の金曜日、夜中の1時から流された開会式の録画放送を見ました。なぜそこまでして見たかと言うと、このセレモニーをプロデュースしたチャン・イーモウに興味があったからです。彼が映画監督だということは日本でも紹介されたでしょうが、知名度はまだいまいちだと思います。日本で中国映画といっても、いくつかの香港映画を除くと、まだまだファンは少ないような気がします。
私も例にもれず、ここ最近までチャン・イーモウの作品を知りませんでした。でも今年になって彼の映画作品を3本見て、アジア映画では見たことがなかったような映像美にはまり、ちょっぴりマイブームになっていたところだったんです。だから、彼が開会式のセレモニーのプロデュースを担当したと聞いてから、ぜひ見てみたいなと思ってたんです。
日本では彼の監督デビュー作「紅いコーリャン」(1987年)が一番知られていると思います。この作品でベルリン映画祭の金熊賞をとったから。
私が最近みたのは「HERO」(2002年)、

日本では「LOVERS」というタイトルだった「十面埋伏」(2004年)、

そして日本ではつい最近公開されたばかりという「王妃の紋章」(2006年)の三作品。

この「王妃の紋章」を撮影後、今回のオリンピックの開会式の準備のために、映画には取り組まないと宣言していたチャン・イーモウ。開会式を最初から最後まできちんと見たのは本当に久しぶりだったから比べることはできないけれど、いいセレモニーだったと思います。

彼の映画では、紫禁城のシーンなど、数千人は軽く超える人々が一面に整列してるのをよく見るので、オリンピックのスタジアムで数千人を動員させるセレモニーというのも、別に新しいことではなかったと思います。でも、やっぱり映画と違って「生」だということ。映画ではコンピューター技術のおかげで、編集作業など、思うように表現できてると思うけれど、さすがのチャン・イーモウも、「生」ではいろいろと新しい困難に出会ったことでしょう。オペラの舞台裏のように、このセレモニーでも、舞台裏の関係者は秒刻みのハイテンションで仕事をしたことだろうと思います。

さて、この素晴らしいセレモニーを見た後で、私はある事実を知りました。インターネット上のニュースで見たので、事実なのか、もうみんなが知ってることなのか全然知りませんが、私はちょっとびっくりしました。そしてちょっぴり「なんだ~。」とがっかりしました。

というのは、もともと雨がよく降るこの季節の最中、中国がセレモニーを成功させるために、ロケットを雨雲に何発も打ち上げて、北京のはるか遠くで雨が降るようにコントロールしたというのです。自然現象の中でも一番身近な現象が、この天気。中国はこの天気を操作したというのです。目的のためには何でもするというのを中国らしい、というのか、中国四千年の歴史を誇り、太極拳、漢方、陰と陽の原理に基づいて自然を受け入れている中国らしくない、というのか、どっちだと思いますか?

子供が遠足や運動会のためにテルテル坊主にお願いするのや、豊作を祈って踊って、といった人間の行動が大なしになってしまうように思います。「天気を操作する。」事実かどうか知らないと断っておきますが、やっぱりそこまでしてしまってはだめでしょう。

やっぱりただものじゃないです、四千年の歴史を誇る国。。。

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