日本では「LOVERS」というタイトルだった「十面埋伏」(2004年)、
そして日本ではつい最近公開されたばかりという「王妃の紋章」(2006年)の三作品。
この「王妃の紋章」を撮影後、今回のオリンピックの開会式の準備のために、映画には取り組まないと宣言していたチャン・イーモウ。開会式を最初から最後まできちんと見たのは本当に久しぶりだったから比べることはできないけれど、いいセレモニーだったと思います。
彼の映画では、紫禁城のシーンなど、数千人は軽く超える人々が一面に整列してるのをよく見るので、オリンピックのスタジアムで数千人を動員させるセレモニーというのも、別に新しいことではなかったと思います。でも、やっぱり映画と違って「生」だということ。映画ではコンピューター技術のおかげで、編集作業など、思うように表現できてると思うけれど、さすがのチャン・イーモウも、「生」ではいろいろと新しい困難に出会ったことでしょう。オペラの舞台裏のように、このセレモニーでも、舞台裏の関係者は秒刻みのハイテンションで仕事をしたことだろうと思います。
さて、この素晴らしいセレモニーを見た後で、私はある事実を知りました。インターネット上のニュースで見たので、事実なのか、もうみんなが知ってることなのか全然知りませんが、私はちょっとびっくりしました。そしてちょっぴり「なんだ~。」とがっかりしました。
というのは、もともと雨がよく降るこの季節の最中、中国がセレモニーを成功させるために、ロケットを雨雲に何発も打ち上げて、北京のはるか遠くで雨が降るようにコントロールしたというのです。自然現象の中でも一番身近な現象が、この天気。中国はこの天気を操作したというのです。目的のためには何でもするというのを中国らしい、というのか、中国四千年の歴史を誇り、太極拳、漢方、陰と陽の原理に基づいて自然を受け入れている中国らしくない、というのか、どっちだと思いますか?
子供が遠足や運動会のためにテルテル坊主にお願いするのや、豊作を祈って踊って、といった人間の行動が大なしになってしまうように思います。「天気を操作する。」事実かどうか知らないと断っておきますが、やっぱりそこまでしてしまってはだめでしょう。
やっぱりただものじゃないです、四千年の歴史を誇る国。。。
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