今からちょうど一週間前のこと。
朝起きて着替え終わったころに、何やら異変に気が付きました。シャワーを浴びたわけでもないのに背中に液体を感じたのです。おかしいなあと思って、着たばかりの服を脱いで見てみると、背中の上の部分に液体がベターっとついてたんです。?。それを見ても何かすぐにはわからなかったけれど、「背中の上の方???」と思って鏡をのぞいてみると、例の脂肪腫から液体が垂れていました。
!!!
8月末に赤くなって腫れ始めた脂肪腫。9月頭に外科医に見せに行った時に、ぐいぐいとかなり押されてしまい、それからは急ピッチで赤みと腫れが増し、先週の頭には、もうそれはそれは大きくはれ上がり真っ赤で内出血しまくりの、見るにも痛々しい大きなコブとなってしまっていたのでした。実際に腫れてるために痛いし、周囲の神経や筋肉もつっぱって痛いし、寝るにも椅子にもたれるにも痛いし、やっかいな存在になっていました。
手術で除去することになって、手術予定日の9月30日を待っていたのですが、限界まで腫れた脂肪腫さんは、自分から爆発をおこし、勝手に外に流れだしたわけです。
手術の麻酔のことなどでもともと質問もあったので、異変に気がついたあと、すぐに病院に電話をしました。あれこれと質問したあとで、「で、実はですね、さっき脂肪腫がつぶれちゃったみたいで、液体やらなにやら流れだしちゃったんですけど、これは絆創膏かなにかで手当てして、手術まで待ってたらいいんでしょうかね?」なんて、のんきな質問をしたもんだから、外科医の秘書は驚いて、「それはだめですよ!先生に見せないと!今日、今からこれますか?」ってことで、すぐに病院に行きました。
お医者さんに見せた時は、液体も一時的に落ち着いてたので、簡単な処置をされ、たいした指示もなく家に帰ってきました。
ガーゼもそのままで一晩すぎた次の日。ある友人に会って、「ねえねえ、破水ってフランス語でなんていうの?ほら、出産の最初のさあ、、」って聞くと、一瞬驚きながらも、「perte des eaux だよ。」と教えてくれました。「ドロマデールさんが破水したよ。」というと、さらに目をまんまるにして、「Quoi ?」と言われました。日本語で言うと「はあ?」ってな感じです。「leonardoは相かわらず変なオリジナルなことを言うなあ。」といいながらも、この友人はすぐにわかったみたいで、「脂肪腫がどうかしたの?」と聞いてきました。で、あれこれ事情を説明して、「・・・てなわけで、突然ながら看護師さんになってくださいまし。」と頼んで、ガーゼの交換などの処置をしてもらいました。
といっても、この時の私は傷口は乾いていると思ってたんですね。ところがこの友人、可哀そうなことに、ガーゼをとろうとしたとたんに中から勢いよく流れだすものを見て、簡単なことじゃなかったことに気がついたようでした。「噴水みたいに噴き出してるじゃん。」というから、てっきり血が流れだしてるんだと思いました。「こぼれるから動いちゃだめ」だの「下をむいてて」だの大騒ぎし、さらには「気を失う。。。」とか言いながら処置をしてくれたから、やっぱり血とかが苦手な人もいるし、悪いことをしたなあと思ったんです。
が、しかし、翌日、実態がわかったんですね。私自身。
土曜日、朝から仕事でどたばたして、ようやく仕事終了が近づいた18時ごろ、鏡を見てびっくり。頑丈そうな大きなガーゼの絆創膏をしていたにも関わらず、全体に血が広がっていてあふれてる感じだったんです。だから18時半に仕事を終えて、一目散に家に帰って見てみると、やっぱり服がよごれてしまっていました。そしていざ、自分でガーゼを変えようとしてみると、、、
!!!
単に血やらリンパ液らしい液体が出てただけじゃなかったんです。
脂肪腫なだけに、脂肪がでてたんです。。。あらら、脂肪ってやっぱり脂肪なんですね。白い脂肪。
ちょっぴりグロイ話でごめんなさい。でも、びっくりしたんですよ、私自身。
そりゃあ「気を失う。。。」とか言うわな、と納得。
で、これを見て、さすがの私も「こりゃやばいぞ」と思い、申し訳ないとは思いながら、また別の友人に処置をお願いすることにしました。かわいそうに次に選ばれたのは日本人のAさん。電話でお願いして、翌日の夕方にしてもらうことにしました。
Aさんもかわいそうに、看護師じゃないのにこんなことさせられて、、、。でもおかげで周囲の消毒をきちんとしてもらえました。
そんなこんなでやっかいだった脂肪腫は、さらに数倍もやっかいなものとなってしまったのでした。
月曜日の朝、病院に予約も予告もなしに直行すると、お医者さんは「来週の月曜日にまたおいで。」ってな感じでのんきで、「月曜日の様子をみて手術のことを話しましょう。」ということでした。
一人暮らしで、しかも背中の上というやっかいな場所。自分で処置をするのは簡単ではありません。
フランスにはフリーの看護師さんというのがいて、ちょっとした処置とかは彼らが訪問治療にきてくれます。が、それにも処方箋がいるわけで、私のお医者さんは処方箋もなにもくれなかったんです。お医者さんに「今日まで誰がしたの?」と聞かれたときに、「自分でしたり、友達がしてくれたり、、、」と言ってしまって、「きちんときれいにできてるからそれでいいよ!」なんて笑われて終わってしまったからでした。でも私だって、毎日誰かにこんなこと頼んでられないし、仕事のリズムが人とずれてるから頼みにくい。だったら仕方ないやと思って、二枚の鏡を使って自分でガーゼ交換をするようになりました。鏡越しの背中の上下、左右の移動って全部逆だから、ほんと簡単じゃないけれど、回数を重ねるごとに慣れていくもので、今では我ながら器用にきちんとできるようになりました。細かい消毒とかまではやってられないけど、月曜日の朝にはお医者さんに見せるのだし、ほんの数日の間くらいこれでいいや、と思ってしまう私。
でもほんと慣れっておもしろいものです。この1年間で、私もすっかり背中のこぶつきの姿に慣れてしまっていたようで、中身が外に流れきってすっかりしぼんでしまった脂肪腫をみるとなんだか違和感があるくらい。一週間前なんて、らくらく3センチ以上はとびでてたもんな~。今ではすっきり、普通のまっすぐな背中になりました。
じゃあもう手術なんていらないじゃん、と思うところですが、私の周囲の医療関係者の方に言わせると、脂肪腫を作っている膜のような、袋のようなものを取り出さないと、またすぐに膨らみだしちゃうそうです。それにしても、傷口が大きく開いたままでも手術しにくいだろうし。。。そのために、お医者さんは月曜日の様子を見てから決めたいんでしょうね。
この脂肪腫のおかげでひと仕事もふた仕事もできてしまいました。やっかいなものです。でもこぶとはもうさようなら。
Au revoir、 Dromadaire。
さようなら、ひとこぶラクダ。。。
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