2009年4月12日日曜日

Pâques は雨

4月12日はPâquesパックの日。日本では英語のイースターという名で知られています。
この日はキリスト教徒の祭日で、イエス・キリストが受難を受けた日から3日後に復活したという伝えを祝う復活祭なわけで、彼らにとったらクリスマスと並んで最も重要な祭日の一つのようです。

でもこの祭日には一つややこしい問題があります。

それは日付の問題。

「春分の後の最初の満月の次の日曜日」だなんて複雑な決め方をしているのです。そのため、年によって日付が変わり、場合によっては早ければ3月22日、遅ければ4月25日という、とても幅の広い期間の中のいずれかの日曜日ということなのだそうです。
さらには、グレゴリオ暦を採用している土地とユリウス暦を採用している土地とでは日付が違ってくるのです。現在ヨーロッパの全教会ではグレゴリオ暦によって日付が統一されているようですが、東方教会はユリウス暦を使っているため、全世界で日付を統一しようという議論が延々と続けられていて、いまだ解決していないのだとか。

そもそもキリスト教文化の国々では、この復活祭の週と、その前の週は受難の週として、2週間にわたってとても大事な日が続くわけですが、今では日曜日とその翌日の月曜日を祝日として定めている国がほとんどです。フランスも例にもれず、復活祭の翌日はlundi de pâques (パックの月曜日)として祝日となっています。また、復活祭の前の金曜日は聖金曜日と呼ばれ、ドイツやイギリスなどプロテスタントが多かった国では祝日とされているそうです。フランスでは金曜日は祝日ではないですが、vendredi saint といって、ドイツ国境に近いアルザスやロレーヌ地方では祝日とされています。

「キリスト教徒の祭日」とはいっても、場所や宗派によって祝う日が違うというのは、ややこしいというかちょっと変?と思ってしまいますが、まあ部外者ですから黙っていましょう。


で、ただいまフランスでは土曜日からパックの月曜までが3連休なわけですが、祝日を別としても、この復活祭を前後して二週間のバカンスがあるのです。モンペリエが属するゾーンAでは、4月4日の土曜日からパックのバカンスに入っています。
改めてバカンスの多い国でしょう?

この連休とバカンスで、交通状況は混雑しているようですが、せっかくのこの週末にモンペリエでは雨。しかもここ1週間ずっと天気が悪く、昨日は雷までなる激しい雨でした。。。


さて、イースターというと、有名なのがイースター・エッグですね。この時期になると実際の卵よりも、卵の形をしたチョコレートが大はやりです。チョコレート業界では、クリスマスに次ぐ大事な稼ぎ時。名パティシエさんたちも、腕をふるってチョコレートの飾りに工夫をして、話題を提供しています。

クリスマスはすっかり商業化されて日本人にもおなじみですが、この復活祭の様子をみていると、私が育った文化とは違う文化の土地だな~と、感じさせられます。
フランス人だって、今現在敬虔なクリスチャンという人は多くないですけど、復活祭というのは文化の中にしみ込んでいるものだから、皆が集まって食事をし、伝統的なこの日の料理やお菓子を楽しむものです。
外国に住む多くの日本人の中には、現地の文化に馴染み受け入れ、キリスト教徒ではないけど現地の人と一緒になって復活祭を祝っている人もいるのでしょうけど、私はこの7年、まだ復活祭をお祝いするということはしたことがないし、きっとこの先もないでしょう。私は無宗教ですけど、やっぱりなんやかんやいって生活に根ざしている日本の神道・仏教文化を別にすれば、ある宗教の行事に参加するというのはどうもピンときません。

まあせめて祝日をありがたく活用させてもらいましょう。

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