2009年4月7日火曜日

ポニョがやってくる!

フランスにいながら日本を自慢したくなっちゃうことの一つに挙げられるのが宮崎駿のアニメ。


私たち日本人にとったら「ナウシカ」なんて傑作中の傑作だと思うのですが、こちらで宮崎駿のアニメが知られるようになったのは、「もののけ姫」からのこと。これは「プリンセスもののけ」として世界中で劇場公開が展開されたおかげでした。以後、彼のアニメは世界中でファンを獲得して、「千と千尋の神隠し」や「ハウルの動く城」などがフランスでも大成功を収めました。「ナウシカ」は2年前にやっとのことでフランスで劇場公開されました。「天空の城ラピュタ」や「魔女の宅急便」も大人気の作品です。というか、彼の作品はどれも人気。

マンガブームで知られるフランスの若者だけでなく、小さな子供も、その親たちもみんな宮崎アニメファン。


フランス人が彼の作品を褒めるときに、映像の美しさのことはもちろんですが、みんな口をそろえて「Richesse リシェス(豊かさ)」のことを指摘しています。普通にマンガやアニメというジャンルから受けている印象を完全にはねとばす広い世界にみんな魅了されているんでしょうね。


久石譲の音楽も大人気で、私もピアノの生徒に楽譜をあげたりするとみんな大喜びしています。


ただ、フランス人の中には「日本のアニメは暴力シーンばかりでよくない。」と主張する人たちがいて、その人たちは私がいかに宮崎駿の作品を説明しても受け入れようとしません。こんなとき「典型的な食わず嫌いっていうか、思い込みが視野をせばめる典型だな。。。」とちょっぴり残念に思います。確かに戦いの話が多くて暴力シーンの連続のマンガやアニメが存在するわけだけど、「こんなに素晴らしいアニメだよ!」と宣伝してもかたくなに拒否するばかり。おかげでその親子には久石音楽も紹介できずじまい。。。


でもそんな人たちはほんの一握り。今やフランス中、老いも若きも宮崎アニメを称賛しています。そんなみんなが今、公開を楽しみに待っている映画が「崖の上のポニョ」なんです。フランスでは明日の水曜日が公開日。みんなの期待は高まっていて、France 2 の昨夜のニュースでも話題にされ、宮崎駿のスタジオなどが紹介されていました。


私も去年インターネット上で「ポニョ」という文字をあちこちでみかけたけれど、作品を見ていなければ、どんなストーリーなのかも知らないまま。いつの日か見るのを楽しみにしています。



さて、映画のタイトルが国によって微妙に変わるのはお決まりのこと。今回のポニョは日本語タイトルの通りに「Ponyo sur la falaise」です。「千と千尋の神隠し」は神隠しという言葉がややこしかったようで、「Voyage de Chihiro千尋の冒険」とされました。

で、発音の問題もよくあって、フランスではHが発音されないので、「ハウルの城」のハウルは「アウル」、ちひろは「ちいろ」と言われてしまいます。



それにしても「ポニョ」というのはかわいいですね。擬態語、擬音語が広くつかわれている日本では耳慣れた音並びですが、擬態語というものが存在しないフランスでは「ポニョ」なんて音はあまり耳にしません。だからフランス人が「ポニョ」って口にするのを見るとなんだかとってもかわいいな~と思ってしまう私なのでした。

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