日本では今の時期「師走」といい「「お正月」といい、春の桜、夏の花火、秋の紅葉など、四季の違いを感じて、その時々の季節を感じることができる時期がいくつもあります。
が、フランスではおおまかに夏と冬があって、その移り変わりを春と呼んだり秋と言ったりしているものだと思います。
でもそんなフランスでも、毎年お決まりの季節柄の一大イベントと言えば、それはノエル、つまりクリスマスです。
現在でこそ、フランス人にとっての宗教、それぞれの信仰心など、人それぞれとなってきましたが、もともとはカトリック国。ノエルというのはフランス国民の文化、風習に深く根ざした大事なイベントです。
サンタクロースはフランス語ではペール・ノエル。ノエルの父です。でも子供たちとはパパ・ノエルと呼んでます。ノエルのパパということですね。パパ・ノエルから届く子供たちへのプレゼントというのは世界共通の風習ですが、この点以外、日本でのクリスマスがどうも独特なイベントへと発展してしまいましたね。クリスマスのイルミネーションがロマンチックなムードを演出するからか、クリスマスの夜は恋人たちの夜となってしまいました。
ヨーロッパでは、クリスマスと言えば家族のが集まる家族の日。
フランスでも、家族親族集まって、プレゼント交換をし、クリスマス料理を楽しむ日です。
クリスマス・イブのことはレベイヨンと言いますが(前日という意味なので、大晦日もレベイヨンといいます)、クリスマス・イブの夕食とクリスマス当日のお昼が、家族そろっての大事な食事となります。もちろんメインはクリスマスのお昼なのですが、両方大事なので、カップルたちはイブの夜を一方の家族と、クリスマスのお昼はもう一方の家族と過ごすなどして、出来る限り多くの家族と時間を共有しようと工夫をこらします。
とにかく、日本ではクリスマス=夜のイベントというイメージが定着していますが、フランスでは夜に限られたイベントではありません。
クリスマスが近づくたびに、フランス人には「日本でもノエルはお祝いするの?」と聞かれますが、「日本では子供たちと恋人たちのための日になっちゃっているんだよ。」というと、「へー、じゃあバレンタインデーみたいなもんなの?」と言われることもよくあります。
でもバレンタインデーも日本では女の子から男の子へ告白をする日、女性から男性へチョコレートを贈る日という、変わった風習となってしまったので、またその説明をしたりで、話は広がります。
さて、フランスらしいクリスマスの食事の風景などは、また別の機会にご紹介するとして、今日は町の雰囲気を感じてもらえたらと思います。
東ヨーロッパなどを中心に、クリスマスマーケットというのが知られていますが、モンペリエでも数年前からマルシェ・ドゥ・ノエルが毎年開かれるようになり、年々規模を拡大させています。
モンペリエの中心地といえばコメディ広場ですが、そこから私の仕事場CORUMまで続くエスプラナードにクリスマスマーケットが続きます。
思い返せば、数年前はコメディ広場にいくつかの商店が並ぶというこじんまりとしたかわいらしい雰囲気でしたが、いつのまにかスケート場が設置されたり、ミニジェットコースターが現れたりと、すっかりイベント会場という雰囲気にかわってきました。
青空の下のクリスマスモードをご覧ください。
まずは入口。
ビニールのドームがありますが、中にはクリスマスのデコレーションにはかかせないクレッシュが飾られています。
このクレッシュは日本ではなじみがありませんが、キリストの誕生のシーンを再現したミニチュア人形の飾りのことで、一番小さいサイズでキリストが生まれた馬小屋のシーンのみで、少し広がると家、村人、など登場人物が増えていき、特大クレッシュとなると、周辺の村一面、馬や羊に山羊と、動物たちもたくさんでてきます。
クッキーマンもお出迎えしてくれます。
私が行ったのはクリスマス十日前の日曜日。モンペリエ周辺からも人がたくさん集まってきたようで、大混雑でした。
私はすぐ近くに住んでいるのだから、何もこんな人ゴミの中いくこともないだろうに、、、と苦笑しながらのお散歩となりました。
マルシェというだけあって、やっぱりいろいろなお店がメインです。クリスマスグッズ関連の店や、クリスマスのプレゼント用に、アクセサリーだったり、部屋のデコレーションだったり、それから地元特産品の店だったりします。
それから飲食スタンドもあります。
クリスマスの飲食スタンドメニューと言えば、ヴァン・ショ(ホットワイン)とショコラ・ショ(ホットチョコレート)が定番です。他にも焼き栗も実は冬の定番。
と、ここまでが本来のマルシェ・ドゥ・ノエルですが、ここ年々イベント会場化が進んでいます。
まずはマネージュと呼ばれる移動簡易遊園地です。
チュ・チュ・パパ・ノエルなんてかわいい名前の看板は、子供向け電車の乗り場です。
もう少し大きい子供、そして大人のためのミニ・ジェットコースターもあります。
冬の屋外のお決まりと言えば、仮設スケート場ですね。モンペリエでも数年前から毎年登場します。
子供も大人も楽しそうです。
特に、こんな青空の下でスケートなんて、いい気分でしょうね。
今年、私の目をひいたのは、「君のサンタクロース宛ての手紙をここで出してください」というコーナー。サンタさんへの手紙を手にした目をキラキラさせた子供たちがたくさん来ていました。かわいい風景です。
フランスでも、サンタさんは本当にいると信じている子供達ともう信じていない子供達の間には大きな差があります。学校のクラスメイト間、兄弟間、親戚間でも影響されますから、どこかに一人、さめた顔で「サンタなんているわけないじゃん、お前のパパがプレゼントおいてるだけだよ!」とか周りの子に言いだすと、周りは大迷惑です。だって、信じている子供の夢を壊すだけでなく、サンタさんを演出しようと工夫を凝らす大人にとっても、その楽しみを打ち砕かれてしまうという悲しい出来事となるのですから、、、。
さて、このマルシェからすぐ近くにはショッピングセンターがありますが、そこもクリスマスプレゼントを探す人でごった返していました。館内には11月からクリスマスソングが流れて、「おいおい、さすがに早すぎるでしょう」とつっこまずにはいられないクリスマス商戦ですが、こちらの店内デコレーションも年々華やかに手の込んだものになっていっています。
今年はクリスマスプレゼントの飾りの中には生身のパパ・ノエルがいるというコーナーがあって、子供たちが記念撮影のために列を作って並んでいました。
私はこんなシーズン真っ最中に混雑するところに行くことを普段避けている人種なので、今回のような人ごみの中を歩いたのは久しぶりのことでした。
でも、季節を感じるには、そんな悪いものじゃないなと感じました。
とくに、この青空の下のクリスマスマーケットは、やっぱりモンペリエらしい風景と言えますよね。
人手の多い今年のマルシェ・ドゥ・ノエルでしたが、特に話題を呼んだのがコメディ広場に設置された巨大地球儀でした。
これが夜になるとまたきれいなのですが、モンペリエのクリスマスの夜の風景はまたの機会に紹介させていただきます。
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