彼女が住むのはPignan。モンペリエから西へ15キロほどいったところです。まあ村と言ってしまったら村なんだけど、フランス人は街の郊外のこういった村に家をたてて住んでいるので、ふつうに住宅地でもあります。ただ、町から村までの風景をみせてしまうと、田舎の村だと思われるかもしれませんね。だって、車で進む私の目の前に広がるのはこんな風景だもの。
遠くに見えてる丘陵地の家々がPignanの住宅地です。フランスの街や村は教会を中心にして、たいていは円状にコンパクトにまとまっていますが、いったん街を出ると、そこははてしなくひろがる田園風景。これを見るとほんとうに農業国だなーと思わせられます。その田園風景も、もちろんワイン畑がメインです。ここ最近ずっと雨が続いたために、ワイン畑の木々が例年より生き生きして見えます。
とまあ、こんな景色の中、車を走らせて20分ちょっとすると彼女の家に到着です。彼女の家のユニークなところは、仲良しの二家族が、一つの家の一階と二階を分けて共有しているところです。そして敷地は完全共有。家を建てる話のときからずっと仲良しのまま、すてきな話ですね。Laure家族が住むのは二階部分です。家をぐるっとまわれるほどのベランダがあって、そこからは周囲の田園風景が一望できるんです。ちょっとこのところ生えのびっぱなしの竹が視界をさえぎってるけど、それでも様子は伝わるでしょう?
実は前からこの風景を写真にとりたくて、天気のいい日を待ってたんです。だから今日はLaureに会うと同時に、「今日はカメラもってきたよ~。写真撮っていい?」と始めた私。こんなピアノ教師はめったにいないでしょうが、日本人観光客はいつもカメラのシャッターを押しているというネタを、自虐的につかって大目に見てもらいました。
で、ベランダぞいにプールを見てるとなにやらボコボコと音をたてて水中を動いてる物体がありました。見えますか?
「なにあれ?」とLaureに聞くと、「ロボットがプールの掃除をしてるの。」という。ロボットのことをフランス語ではrobotといって、発音はロボ。ロボが掃除してる、って響きが妙にかわいくて、「わ~い、写真が撮りたい!」と、はしゃぐ私はプールサイドまで行かせてもらいました。
そしたらほんとにこの小さな物体は一人で左右上下と自在に動いて床や壁をそうじしてるんです。かわいいでしょう?
こんな大きなプールがあって、しかもロボットが掃除をしてるなんて言ったら、どんなお金持ちかと思うかもしれないけど、南フランスでは一戸建ての家にプールがあることはいたって普通。もちろん本当に低所得層の人達は一軒家だってもてないものだろうけど、夫婦共働きで、こういった郊外の村に一戸建てをたてて住んでいる家族が多いですから、中流といってもいいのではないでしょうか。しかも普段の彼らの生活、身につけるものなんて質素そのもの。日本とフランスの豊さの違いが顕著です。フランスでの豊かさとは自由な時間と広々とした空間だと思います。
ちなみにこの日のLaureは、自分の部屋のリフォームが終わりかけだと言ったから、その部屋も写真に撮らせてもらっちゃいました。どんな先生やのん?私。
フランス人が家やアパートの内装を自分で変えちゃう話はよく聞くでしょう?あれはほんとなんですよ。みんな床から壁から豪快に自分の好きなように変えちゃいます。もちろん壁塗りも床はりもなんでだって自分たちでしてます。このLaureも、彼氏と一緒に仲良く色を塗り替えてました。床はコルク張りで壁は白とオレンジ。この一面だけがオレンジだったのだけど、明るい日差しによくあう、きれいな配色で大したセンスです。
この日の私は自称「日本人観光客」で、こうして写真を撮らせてもらいました。もちろん、5年目のつきあいで気もあうLaureだからこその特別です。
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