初めてペイルー公園に会場を移した、モンペリエのマルシェ ドゥ ノエル。
今回は大成功のようで、連日たくさんの人でにぎわっているようです。
初めてペイルー公園に会場を移した、モンペリエのマルシェ ドゥ ノエル。
今回は大成功のようで、連日たくさんの人でにぎわっているようです。
昨日ご紹介した大きなクレッシュ ドゥ ノエル。
今年も12月24日、25日が過ぎましたね。
モンペリエの中心地にある、とあるところです。
私は毎日通勤路となっていて、前を通っているところなのですが、モンペリエの中でそんなにメジャーな場所とも言えないかもしれません。モンペリエ在住の人でも、名前がピンとこない、一度も中に入ったことはない、という方も多いかもしれませんね。
このクレッシュについて、またこの場所について、また追ってお伝えしたいと思います。
モンペリエの公共交通機関の無料化について、先日お伝えしましたが、ついに今週木曜日、12月21日にその実施と、それを祝うセレモニーとイベントが行われました。
私は仕事帰りが遅くて見に行けませんでしたが、想像以上のお祭り騒ぎだったようです。
まあ、それもそのはず、モンペリエ地域圏は住民の数でいえばフランス第七の都市。大都市が全面的に公共交通機関の無料化に踏み切るというのはフランスで初めてなのですが、ヨーロッパ全体でみてもこれが初めてなのです。
この無料化を選挙公約に抱えてきた現市長さん(地域圏の会長でもある)にとってみれば、その実現にこぎつけることができて、嬉しいだろうし誇らしく思っていることでしょう。
市として、地域圏として、誇りと、この変化は歴史に刻まれると意識している様子が感じられるプロモーションビデオがあるので、どうぞご覧ください。
今回の無料化の実施は21日の19時からと決められていたのですが、この機会に各地で様々なイベントが催されました。
コメディ広場のオペラ座前をメイン会場にして、この日のお昼からコンサート、ダンス、音楽や演劇のパフォーマンスなど各種イベントが組まれました。
プログラムは次のようなものです。
お祝いの雰囲気なので、まさにパーティー、お祭り騒ぎです。
人工オーロラが出現というのは、そのコンセプトにも驚きましたが、公式発表されていたイメージ映像はこちら。
スイス人アーティストDan Acher氏による作品だそうです。
フランス有数の大都市に起きた大きな出来事として、このお祭りの様子は国内メディアも熱心にとりあげていました。
パリの大手地方紙である Le Parisienも映像をネットにアップしています。
18時半からの公式セレモニーの様子は、モンペリエ地域圏の公式ページでアップされていたので、興味のある方はのぞいてみてください。オペラ座の同僚達も参加しています。
この日はひどい強風で、屋外でのイベントには厳しいコンディションになってしまったと思いますが、お祭り騒ぎのイベントを楽しんだ人も多かったようです。
モンペリエのこの大変化に続こうとする街が他にも出てくるのか?日本でもそうした動きが出てくるのか?数年後にまた振り返ってみると興味深そうですね。
モンペリエのマルシェ ドゥ ノエル「Les Hivernales」が、12月2日の土曜日から開催されています。
今回初めてコメディ広場のエリアを離れて、凱旋門の向かいのペイルー公園で行われています。
12月25日のノエルの日を除いて、30日まで毎日開催。しかも朝は10時半に始まって、月曜から木曜日の夜と日曜日の夜は21時半まで。金曜日と土曜日は22時半まで開かれているので、フランス人にしては(と言っては失礼だけど)かなりの力の入れ具合です!
ペイルー公園の入り口がマルシェの入り口となっていますが、テロ対策や防犯対策のためにセキュリティーチェックがあるため、公園前の坂道に入場待ちの列ができるほど。
私が立ち寄ったのはオープニングの翌日だったので、楽しみにしてはりきってきた人々ばかりだったと思いますが、子供連れ、カップル、仲間同士といった感じで、老若男女問わずの来場者で賑わっていました。
セキュリティーチェックを終えて中に入ると、こんな感じ。
いつものペイルー公園とは全く違う景色が広がっていました。
地元メディアによれば、オープニング以来、しょっぱなから大盛況とのことです。
マルシェの中がどんな感じなのか、また引き続きお伝えしますね。
今や世界各地に広まっているクリスマスマーケットの文化。
17世紀のドイツが発祥地とされているようですが、ドイツ各都市、オーストリア、チェコなど冬のヨーロッパ旅行のお目当てがクリスマスマーケットだという人も多いことでしょう。
フランスでも、ドイツ文化圏に属するストラスブール周辺地域で、とても盛大なクリスマスマーケットを見ることができます。
このクリスマスマーケット、フランス語では「Marché de Noël / マルシェ ドゥ ノエル」と呼ばれます。
モンペリエのある南フランス、地中海文化圏域では、昔からの伝統として行われていたものではありませんが、今やほとんどの街や村でマルシェ ドゥ ノエルが開催され、モンペリエ市では15年前から毎年開催されるようになりました。
確か以前にはコメディ広場で開催されたこともあり、その後、コメディ広場から奥に続くエスプラナードのエリアで 毎年開催されるようになりました。
いつのころからか、イベントの名を「Les Hivernales de Montpellier」とし、年々規模が大きくなって、小さなローラーコースターや観覧車、さらにはスケートリンクまで設置されるようになっていました。(ただ、テロの恐れが高まった時期やコロナ禍には厳しい規制がしかれたり、縮小せざるを得ないことなどもありました。)
今年はどうかというと、先日お伝えしたように、コメディ広場やエスプラナード一帯の大規模工事のために、場所を大きく変えて、ペイルー公園での開催となりました。モンペリエの凱旋門から水道橋までに広がるエリアです。ここでマルシェが行われるのは初めてとか。
12月2日にオープニングイベントが開催されて、年末30日まで続くマルシェが始まりました。12月25日のノエルの日を除けば、毎日開催されます。
私はオープニング日の翌日にふらっと一周してきたので、また追ってその様子をお伝えしたいと思います。
モンペリエのノエルのイルミネーションの点灯式は、とある日に設定されているとお伝えしました。クリスマス商戦をスタートさせるために、商店や総合商業施設などが話し合って決めるところもある中で、モンペリエでの点灯式は毎年11月26日とされているそうです。
今年はたまたま日曜日となりましたが、これは何の日なんでしょうか?
実はこの日にち、モンペリエという都市の誕生記念日にあたるのです。西暦985年のこの日に、モンペリエという街の名前が当時の公式文書に記された日として、今日までモンペリエ市誕生の日ということで大事にされてきています。
今年は運よく日曜日にあたったということで、人出も見込まれる中、 去る11月26日に市長さんの参加のもと、点灯式が行われました。もちろんメイン会場は、コメディ広場に設置されたクリスマスツリー、Sapin de Noël / サパン ドゥ ノエル前です。
例年、オペラ座コメディの前に大きなツリーが設置されることが多いのですが、今年はトラム線路やトラムの駅、さらにはコメディ広場自体の改修、改善、装飾工事が続いているために、少し場所をずらして、コメディ広場の奥に続くエスプラナードの入り口にクリスマスツリーが設置されました。
毎年どんなクリスマスツリーが飾られるんだろうというのは、一部の市民が楽しみにしていることでもありますが、環境問題政策に熱心な現市長さんは、今年のツリーの木の選び方にもこだわったようです。
下の基盤の部分はメタリックの素材でありながらも、そこに本物の自然のモミの木を連結させて、高さは15メートルになりました。
これまでモンペリエでは、自然の木ではないツリーが設置されたことも何度もあったので、自然の木を使うということ自体が環境尊重アピールになりますが、今回のこの自然のモミの木は、モンペリエ地元の企業によって育てられ、しかも木が育った土壌や木の成長過程に対してもいろいろな配慮がなされた中で、植物の自然な成長を尊重した方法で栽培されたということも、市長さんにとっては大事な選択基準だったようです。
もともとのエコロジー問題に加え、ウクライナ-ロシアの戦争の影響にもよって、エネルギー料金が爆発的に値上がりしたりと、電気やガスの消費量を抑える努力をするというのは、国を挙げての目標課題となっています。そんな中、イルミネーションによる電気の消費にも国民の目が向かれるのは当然のこと。
モンペリエでは電球をLEDに変えたり、連日イルミネーションが点灯する時間帯を減らすなどして、電気の消費量を大幅におさえたとのことです。
フランス人にとって、一年で一番大事な日の一つにノエルがあります。クリスマスのことです。単純に言って、一番大事な日、と言い切っていいかもしれません。今現在、キリスト教徒かどうかという事実云々から少し離れて、もともとの文化というか伝統の中でも根強く受け継がれているものの一つであって、多くの家庭、家族にとって、皆が集まって一緒に祝うという意味では、まさに日本人にとってのお正月のようなものです。
日本人にとってクリスマスと言えば、 サンタクロースからのプレゼントを待つ子供達、あるいはロマンチックというイメージでカップルがプレゼントや特別なディナーを楽しむといった面が強いと思いますが、フランス人にとったらカップルがどうだとかロマンチックがどうかという話ではありません。
サンタさんに欲しいものをお願いする子供たちは当然としても、もうサンタさんを待っていない年齢の中高生や若者、大人同士でも、みんなが家族や仲間とプレゼントを贈りあう機会となっています。
そのため、お店や商業、販売分野の人々にとっては、一年で一番大事なクリスマス商戦なのです。対象が日本のように子供向けややカップル向けに絞られていないので、完全な全面クリスマス商戦で街中が賑やかになる時期でもあります。
日本と同じく、各地がイルミネーションでキラキラと輝く時期でもありますが、全面クリスマス商戦という事実と関連して、フランスの街のイルミネーションに関しては、たんなる街のデコレーションという面よりも、商工会議所や商店の組合とのタイアップが全面的に表にでているものでもあります。それぞれの市町村の経済政策とも直接つながっている案件でもあります。
そこで、モンペリエで市長さんと共にクリスマス商戦の一連の制作、対応を担っているのでが、こちら商工会議所。
荘厳な雰囲気の事務所なわけですが、モンペリエの歴史的建造物の中でも中心的建物の一つに陣取っています。オペラ座からすぐ裏手に位置します。
CCI Hérault という表示が見えるかと思いますが、Chambre de commerce et d'industrieの略です。フランスでCCIというと商工会議所のことになります。
というわけで、フランスのクリスマスシーズンの雰囲気は、クリスマスイブの日中ギリギリまで、クリスマス大商戦のムード一色でもある、というのがほんとのところ、というお話でした。
もちろん、24日の夜、25日の日中は、騒がしかった街も、本物のノエルの雰囲気という風に様変わりします。一時的に人の気配が減ったりするので、、、。
ところで、各地、イルミネーションやクリスマスツリーの点灯が行われる日が、クリスマス商戦スタートのアナウンスでもあり、商工会議所にとって大事な日なのですが、実はモンペリエ市では、一つ別の理由で点灯する日が選ばれています。そこのところをまた次回お伝えしたいと思います。
数か月前から、モンペリエの中心地であるコメディ広場には、とある電光掲示板が表示されています。
ヨーロッパ諸国には、「クリスマス」を何よりの風物詩として誇る街がいくつかあります。
クリスマスの飾りでクリスマスらしい色といえば、赤や緑の温かみを感じる彩りを想像する方も多いと思いますが、まさにそのイメージに当てはまって有名なのは、やっぱりドイツの各都市のクリスマスでしょうか。各地のクリスマスマーケットが世界的に有名です。東部ドレスデンでは1434年からクリスマスマーケットが続いているそうで、世界最古の一つだそうです。ドイツ近隣の東欧諸国でも、プラハ、ブダペスト、ウィーンなどの街のクリスマスは有名です。その雰囲気を味わうために、毎年遠くから訪れる人々がいるのです。
フランスでも、ストラスブールやコルマールといった、ドイツとの国境に近い街のクリスマスマーケットは有名です。
方や、モンペリエはと言うと、毎年モンペリエ市も市民もクリスマスの雰囲気で盛り上がりますが、日本人がイメージする「寒いけれど暖かい感じのするノエル」とはちょっと違う雰囲気だな、というのが私の印象です。
私がモンペリエに来て初めて迎えたノエルから、ずっと印象に残っているのは、なんと「青空のノエル」なんです。2002年のノエルは、記録に残るほどの暖冬の盛りの日で、クリスマスの食事をテラスで食べたなんてことが思い出に残っている人も多いでしょう。
もちろんモンペリエでも、寒いノエルもありました。雪がちらつくノエルもありました。でも、暖かい色どりのノエルとはちょっと違う雰囲気なのです。
そのため私には、先に挙げたフランスのクリスマス聖地であるストラスブールもコルマールも、果ては東ドイツのドレスデンもプラハも、クリスマスの雰囲気を味わうために、わざわざ電車で北上の旅をした過去があります。現地について感じたクリスマスは、「これこれ!」でした。
こんなことを言いながらも、モンペリエのノエルにももちろん愛着はあります。
連日ご紹介したプロジェクションマッピングのイベントの準備期間の時期から、街のあちこちはノエルのデコレーションで賑わい始めます。
オペラ座では、プロジェクションマッピングのイベントが終了してから、クリスマスツリーが内部に飾られました。小さな子供がいる同僚たちむけに、職員内輪のクリスマスパーティーが毎年開催されるからです。
私は参加したことがありませんが、クリスマスツリーの下にプレゼントが積まれ、サンタさんの役を演じる同僚が毎年一人いて、子供向けの小さなスペクタクルも行われて、楽しそうな雰囲気です。
オペラ座内部のツリーから、窓の外を見下ろしてみれば、そこにはモンペリエ市のクリスマスツリーが見えます。
この日は12月頭でしたが、やっぱりモンペリエ定番の青空が目立っています。フランス国旗と空の色だけみていれば、クリスマスの雰囲気なんて皆無の彩りです。
コメディ広場に設置されたクリスマスツリーは、今年は本物のモミの木が使でした。
過去にそうではない年も何度かあったので、「あ、今年はモミの木にしたんだな。」と思いながら私が写真を撮っていると、となりにいたマダムがすぐに声をかけてきました。
「あなた、これきれいだと思う?」
私がうれしそうに写真を撮っていたから、皮肉っぽいトーンで声をかけられたのですが、私もすぐに一言。
「なんか温かみに欠けますね。」
そしたら意外と同意見だった私の返事に喜んだマダムは、「そうなのよー!」と応じ、つくづく残念がっていました。
今年のモンペリエ市のノエルは、特に青白いデコレーションになっているのです。
キレイはきれいですが、なんだか冷たい、ひやっとした感じがしてしまうんですよね。こう感じる私やマダムは少数派なのでしょうか?
恒例のクリスマスマーケットも、とにかく白と青の光が目を引きます。
すごい人出だったので、マーケットの中には行きませんでしたが、なんだか今年は、「寒いけれど温かい感じのするノエル」から、ますます遠ざかっているように思います。
そんなことを感じながら帰路につくと、少しオリジナルなデコレーションが目に入りました。
これはきっと市によるデコレーションではなくて、個人によるデコレーションなのだと思いますが、白と青の寒い感じではなくて、たまにはこういう彩りもいいなあと思いながら写真を撮りました。
けれど!やっぱりノエルは、寒いけれど温かみを感じる赤と緑のノエルがいいなあ、と思った日本人の私でした。
もうノエルまで待ったなしですね。
ノエルを祝う人も、そうでない人も、この年の暮れの時期、健康に楽しくお過ごしください。
今回のプロジェクションマッピングのイベントは、コロナ禍の後初めて再開されたということもあって、運営側も市民の側も、とても盛り上がっていたように思います。
自分にとっても久しぶりの街のイベントで、凱旋門、ペイルー公園、サンピエール大聖堂を通して、すでに質のいいプロジェクションに大満足していたので、あとは街を横断しながら、雰囲気を楽しみながら帰ることにしました。
県庁でのプロジェクションは子供向け、ファミリー向けという感じでした。
ファーブル美術館はラスベガス、カジノの世界を演出していました。
そしてメイン会場の一つ、我らがオペラ座 のファサードでは「Mélodieux」というテーマで、光と音のスペクタクルが繰り広げられていました。正面の三美神の噴水のあたりはかなりの人ごみだったので、その中には入らずに、遠くから眺めましたが、コメディ広場の全体がうまるくらいの人出でした。
こうして遠くから眺めるのは正直初めてだったので、一つ発見したことがあります。それはやっぱり音響の大切さ。光と音のスペクタクルなだけに、用意された音を大音響で聞けるゾーンで見ないと、スペクタクルの醍醐味が半減するのだなあと。
コロナだセキュリティーだなんだと人ごみを避ける理由が山ほどありますが、スペクタクルを満喫するためには、ふと考えるところもあったなあと、振り返って思いました。
さて、今回の一連の写真やビデオのアップで、今回のイベントの雰囲気を伝えることができたでしょうか?
一年は長いようであっという間。
また来年の冬の到来も楽しみに待つこととします。
豪華二本立てだったカテドラル・サン・ピエールでのプロジェクション。
もう一つテーマは「Les jardins fantastiques」というタイトルで、幻想的庭園といいますか、植物をテーマにした、世界各地の風景といった感じ。植物公園のすぐ横ということも意識しての選択でしょうか。
例えば、ジャングルっぽいイメージ。
アラビアンナイトを感じさせるイメージ。
次に典型的なアジアンな感じですが、これは明らかにジブリ映画の「千と千尋の神隠し」から来てますね。
そして、アメリカのカウボーイの世界を象徴する荒野。
この画像はどれも常に変化して動きがあるものだったのですが、 CG画像とはいえ、それぞれいろどりが鮮やかで、かつ手作り感のある絵で、作り手の専門性やスタイルを感じながら見ていました。
ここでのプロジェクションの映像は、モンペリエの二つのCGグラフィックの学校の生徒さんたちが作ったもので、プロジェクションの最後にはそれぞれの名前も紹介されていましたが、そこで先生をしている知り合いの名前もしっかりと紹介されていて、タイミングよく気が付くことができました。どんな分野にしても、何かを制作することを学ぶ生徒たちの作品を、こうして大勢の人達の前で発表できることは、先生にとってもうれしいことでしょう。
実は近年モンペリエでは、CGグラフィックやアニメーションの学校が 盛んに発展して、その数は二つだけではなくて、それぞれが実績を上げて、知名度もぐんぐんあがっている状態です。
テクノロジーの発展に感心するとともに、次世代の若者たちが腕を磨いて、やがては世界に飛び立っていく様子が想像できて、うれしい気分になりますね。
今年のプロジェクションマッピングのイベントは、突然寒さが厳しくなった時期に重なりました。みんな防寒を意識して出かけている様子でしたが、10ヶ所あるスポットを全部見て回るには、結構時間もかかるし、寒さに耐えられるかも怪しい感じです。
私は早々に全部回るのはあきらめ、 いくつかピックアップして帰ろうと思っていました。
なかなか見ごたえのあるスポットから回り始めたので、同じく期待に応えてくれそうなところを見ようと思いながら向かった先は、カテドラル・サン・ピエールです。
タイミングよく、正面に近いところに陣取るところができました。
ここのスポットでは、二種類のプロジェクションという豪華二本立て。
一つ目のテーマは、今の時代の流れを受けて、フランスの歴史に名を残した10人の女性の紹介でした。フランス史上重要なフランス人女性と聞いて、皆さんは誰を思い浮かべますか?
今回紹介された10人の中で、日本人も知ってる人と言えば、この方ジャンヌ・ダルク。 やっぱり世界的にも知名度ではトップクラスの一人ですね。
日本人にとったら、フランス人かというとピンとこない人も多いだろうけれど、キュリー夫人の名で知られる、マリー・キュリーも紹介されました。
文化芸術の分野からは大女優サラ・ベルナール。
映し出された絵はミュシャの絵のスタイルで仕上げられています。というのも、サラ・ベルナールはフランスの「ベル・エポック」を象徴するような存在であり、同時にミュシャなどで知られる「アール・ヌーヴォー」運動の中心的人物でもあったからです。日本人の多くは、サラ・ベルナール本人のことよりも、ミュシャの絵の女性として思い浮かべるかもしれませんね。
また、一般的に皆が名前を知っている人ではないだろうけれど、偉業伝としては大事な人の一人が 、アリス・ギイ=ブラシェ (Alice Guy-Blaché)。
彼女は映画監督であり、脚本家であり、映画プロデューサーだったのですが、世界的に見ても史上初の女性映画監督であり、映画黎明期のパイオニアだった人です。しかもフランスとアメリカを活動の場所とした国際人。
私は以前、映画誕生の時代について少し勉強しているので、映画製作のパイオニアとしてリュミエール兄弟やメリエスだけが広く知られているのはおかしくて、アリス・ギイ=ブラシェの名前がもっと一般的に知られるようになるといいなと思っています。
さて、近現代のフランスで、彼女のことを尊敬しない人はなかなかいないだろうと思われるのがシモーヌ・ヴェイユ。2017年に亡くなり、今では彼女の生きざまが映画でも語られていますが、ホロコースト体験者であり、国務大臣、厚生大臣、憲法評議会委員を務め、さらには欧州議会の議長を女性として初めて務めた政治家です。まさに多くのフランス人が「偉大な女性」と敬う、知的で強く気高いマダムです。
この他にも、フランス人女性として初めて宇宙を旅したクローディ・エネレ(Claudie Haignere)や、ジャズシンガーのジョセフィン・ベイカー(Josephine Baker)などが紹介されていました。
ここで映し出されていた画像は、プロジェクションマッピングとしての質だけでなく、いろいろなスタイルを使って、そもそも「絵」としても充実しているなあと思いながら、楽しませてもらいました。
フランス史の復習にもなったし、 子供から大人までが楽しみながら学べる、そんな知的教育効果も大の優れたプロジェクションでした。
凱旋門でのプロジェクションを観終わってから向かったのは、そのすぐ先にあるペイルー公園です。ここは今回のイベントのメイン会場の一つ。
テーマは「Le fantôme de l'Opéra」、オペラ座の怪人です。
有名どころのオペラ「トスカ」、「トラヴィアータ」、「カルメン」、「魔的」などのアリアが流れる中、ここではプロジェクションマッピングに加えて、炎のショーが繰り広げられました。
まさに「光のショー」だなあと思ってみていると、どんどん勢いがアップしていきます。
まだまだどんどん行くぞーという雰囲気に、少し笑えてきてしまった自分。
勢いがますます止まらないので、ショーを準備した方々には失礼ながらも、今フランスを始めとしたヨーロッパが抱えるエネルギー事情を踏まえて、この冬はこの種のイベントを自粛や、縮小するという話を思い浮かべながら、もしも批判が出たら、電気やらガスやらこういう工夫をしましたという説明をするんだろうなあと、今からすでにもう想像できるシーンを思い浮かべてしまったりして、、、
そしてクライマックスは花火も登場。
周りの人と同じく、これには私も「おぉー」と声を出して反応してました(笑)。
こうしてペイルー公園の会場では、長さ9分のショーでした。
プロジェクションマッピング、炎、そして花火も加わり、メイン会場らしいスペクタクルを楽しませてもらい、みんなでぞろぞろと、各自次の会場へと歩いていきました。
プロジェクションマッピングのイベントの開始は18時半。
珍しく、最初のプロジェクションのスタートに間に合う時間に、 街の中でスタンバイすることができました。
今年は10ヶ所あるとのことでしたが、仕事の後だし、かなり冷え込んでいるし、とても全部を回りきる元気はありません。いくつかチョイスして見ようと思って、最初に選んだスポットは凱旋門。
ここでのプロジェクションの今年のテーマは医学部。タイトルは「Au coeur de la médecine」です。ヨーロッパ最古の歴史を誇るモンペリエ大学の医学部は、凱旋門から近いところにありました。
モンペリエの医学部では薬草の研究もさかんでした。その所縁もあって、植物園のような風景が続きます。
女の子が大学の講義を受ける間、モンペリエ大学の医学部に所縁のある歴史上の人物なども紹介されていました。
女の子は本をたくさん読み、勉強を続けます。
途中トラブルにもあいますが、ガイコツ君がサポートのおかげもあって、最後は晴れてディプロムを取得。
めでたしめでたしです。
プロジェクションが終わると、自然と拍手が沸き起こって、皆それぞれうれしそうに次のスポットに向かうのでした。
モンペリエの街に冬の到来を告げるイベントの一つが、11月後半にモンペリエ市の主催で行われる「Coeur de ville en lumières」です。
日本語で言えば「ライトアップされた街の中心部」といった感じでしょうか。市の中心部の歴史建造物にプロジェクションマッピングで映し出された映像を楽しむイベント。
もともとフランスでは、12月頭に毎年リヨンで行われる「Fête des Lumières」(光の祭典)が有名で、歴史的にはろうそくに光をともして行われていたものが、ここ十数年の間に、プロジェクションマッピングを使った、大々的な光と音のショーとしてますます名を馳せていました。ここ近年はこのタイプのイベントがあちこちに波及した感じです。
モンペリエで開催されるのはこれで7回目で、 今年は11月25日金曜日と26日土曜日の夜、18時半から22時半の間に行われました。
街の中心地の10ヶ所で、計15種類のプロジェクションがあるとの発表でしたが、数日前には機材の設置などが行われるので、なんだかお祭りの櫓が建設されるような雰囲気でもあります。
さて、スペクタクルの方は、モンペリエにあるデジタル映像の会社や学校などが参加したりして作られていて、7年前に比べれば、テクノロジーの進化はもちろん、それぞれの技術も腕前もどんどん上がっていっているのをしっかりと感じることができます。
ちょうど夜の訪れが早まり、寒さを感じるようになる時期に行われるので、このイベントを境に、モンペリエっ子達の生活は冬場に向かう感じです。冬の到来を告げつ風物詩といったところでしょうか。
今回、仕事上がりの足でいくつかのスポットを回ってきたので、また追って映像をご紹介したいと思います。
フランスで新年度が始まるのは9月。大人も子供も長いバカンスを終えて、すべての活動が通常運転に戻るので、活気がある季節なのですが、なんだかみんな慌ただしく、少しストレスフルな時期でもあります。
今年の9月、大事な年度始めという時に、モンペリエに住む人みんなが驚いて呆れることがありました。
それは、モンペリエでは重要交通手段であるトラムの工事です。しかも一番大事な路線の一番大事な区間での完全工事、すなわち、完全不通の発表です。
モンペリエには現在4本のトラムの路線が通っていて、それぞれがうまい具合にモンペリエ市の中心地を通って交差しあいながら、モンペリエの東側、西側、南側へと交通網を広げています。
だいぶ前から待たれていた第5番線の工事も始まり、モンペリエの北側にもトラムが通る予定となっています。この工事のために、モンペリエの街では、あちこちで工事が行われて、車の主要幹線道路は軒並み一車線になったり閉鎖したりで、車で移動する人達は悲鳴を上げていました。
ここ数年のエコロジー推進運動によって、自転車レーンが設置されて、車は一車線撤廃されたりして、その関係の工事もあちこちで行われていました。
もともと対向それぞれ二車線ずつだったところが、一車線ずつに減らされる工事のために、工事中は下手したら対向順番子の制限つきになったりして、どこもかしこも渋滞だらけ。
ここへトラムの本格的な工事が始まったものだから、モンペリエの街への車での出入りは、迂回と渋滞必死のやっかいなものとなっていました。エコロジー気運との相乗効果で、もうこうなっては車通勤なんてやってられないと、自転車通勤に切り替える人が増えたことはエコロジー観点からで言えば不幸中の幸い。だって、数年前までは早くいけば車で20分だった距離が、軽く一時間、いや一時間20分とかかかるようになってしまったので、もううんざりという人が増えて当然です。
でも、この9月にみんなが悲鳴をあげたのはそれだけではなかったからなんです。
誰が何を思って決めたのか、この同じ時期に、現在あるトラムの4路線の改修工事まで始めたのです。「どうせなら一緒にやっちゃえ!」とでも思ったのか?
夏のバカンスの間は駅の周辺区域で、猛暑の中、レールの交換作業や、路面の補修工事などが行われていました。せっかくはるばるモンペリエにやってきた観光客に、「ようこそ!」といわんばかりのひどい始末。駅からどこにでも行けるようにつながっていたトラムの路線が、駅からは何一つ機能しないに近い状態になっていたのだから、観光客の受け入れの観点からすればひどいものです。
そして、みんなが活動を再開する9月を迎えて同時に始まったのが、一番大事な区間の完全閉鎖をしての徹底工事でした。
大掛かりな補修工事によって、皆さんの移動が安全なものになりますと、胸を張って告知をしてくれていますが、よりによって8月29日から11日25日という日程をあててきたのです。不通になった区間はコメディー広場からCORUMあたり、つまりは街の中心地のメイン駅となる二つの駅を完全にストップさせての工事を始めたのです。周りには中学校や高校もあり、まさに大人も子供もみんなを巻き込んでの工事。
不通区間をフォローするために、バスの代行やトラムの路線の変更など、いろいろ対策はとられていますが、他の路線の道順が変わってしまったり、普段とはほとんど逆方向に向かう区間もできたりして、トラムに乗って道に迷うという新パターンも多々発生しました。時間表だってこれまでの通常運転とはまったく関係ないものになっているし、歩ける距離の移動は、さっさと歩いた者が勝ちという感じです。
エコロジー対策も大事だし、交通の安全も大事。それはそうだけど、どうしてこの時期を選んだのか?誰にも理解できない決定がなされて、今、モンペリエの街はどこを見ても、工事、工事、工事の街となっています。
工事が終わった暁には、モンペリエ市民全員の運賃無料化という発表もされていて、無料はいいことだけど、「ところでこの工事、本当にいつか終わるの?」 と、みんながボヤく今日この頃。
この工事のせいで、何かと遅刻する人が続出したわけで、「工事のせいだよね。」「仕方ないよ。」とはよく言いあいますが、落ち着いて考えてみれば、工事がない通常時にも、普通に遅刻する人が多い街だった、というのは、モンペリエ人のご愛敬というところでしょうか。