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2024年4月7日日曜日

遥か遠くの砂漠から

この四月の始め、朝起きて雨戸を開けたら空一面が茶色っぽい黄色一色になってる日がありました。あまりに日常とは違う景色なので、「!」と受けるインパクトはとても強いものです。

でも初めてのことではないので、一目見て、「ああ、遠くから砂が飛んで来たんだな。」とわかりましたが、南仏モンペリエの空を覆ったこの砂が、どこから来たものか、皆さんには見当がつきますか?

春になると、日本で黄砂の現象のことを耳にすることがあるかと思います。

自分も小さい頃、遥か遠くのゴビ砂漠やタクラマカン砂漠から飛んでくるという砂の話に驚いたり悠久ロマンを感じたりしたものでした。

南仏にまで飛んでくる砂も同じ感じで、実はアフリカ大陸のサハラ砂漠から飛来しているのです。

モンペリエからサハラ砂漠まで、およそ3000キロ。サハラ砂漠あたりに吹く、暖かくて乾いた風を「シロコ/Sirocco」と呼ぶのですが、低気圧ゾーンの発生と共に、高く舞い上がり、こんな遠くまで運んでくるというのです。強い時にはアルプス山脈やアルザス地方の方の空までが、黄色く染まるといいます。

今回の現象は、空の色も印象的でしたが、一歩外に出ると、また別のシロコの現象の一つがはっきりと見てとれます。

それは地面に舞い降りた砂漠の砂。

あたりに路駐されてる車を見ると、一目瞭然です。 



ぱっと見て、「あちゃー!」という感じですよね。


 
 
 
これは安全に運転するためだけにでも、すぐに洗車しなくちゃと思ってしまいますが、もちろん、シロコの現象は数日間続きます。びっくりしてすぐに洗車したところで、数時間後にはまた砂に覆われてしまいます。
 
アフリカ大陸には行ったことがない私ですが、3000キロ離れた砂漠、しかも有名なサハラ砂漠から飛んでくる砂には、やっぱり悠久ロマンのようなものを感じてしまうのでした。
 
 

2024年4月6日土曜日

サマータイム

去る3月31日、毎年恒例の時間変更がありました。

冬時間から夏時間への移行です。

前にもこのブログで話題にしたことがありますが、もうやめる、やめると言いながら、ダラダラと続いているこのシステム。

毎年のことながらも、テレビやラジオでは、「時間変更に気を付けてくださいよー。」キャンペーンが繰り広げられます。

 

 


土曜日から日曜日にかけての眠っている間に、夜中の2時が夜中の3時になります、ということです。 

ちなみに日本との時差は、これで夏の間は7時間になります。

私自身は、夜の仕事帰りが遅いことが多いこともあって、サマータイムになると真っ暗にならないうちに帰れるというだけでも気分的には助かるし、夜遅くまで明るいと、一日が長くなった気がして、アペロだのなんだの、楽しむ気分になる点はいいのですが、やっぱりややこしいシステムです。

今の時代は時間変更自動搭載のスマホやパソコンが多いし、昔ながらの時計というものを持っていない人も多いようですが、自分で時刻を変えないといけない人にとっては、めんどうくさくもあり、逆方向に変えていないか心配だったりするものです。特に、変更日当日や週明けの約束時刻には気を付けないといけません。

たったの一時間とはいえ、生態系にも影響ありと確認されているこの時間変更。 

やっぱり、とにかくもう早く廃止にしようよ!としか言えないシステムです。

私は夏時間の間元気で、冬時間の間元気がない、という傾向が顕著に現れるようなので、次の冬時間が来るまで、青空を楽しみ、時間を大事に元気に過ごしたいものだと思います。

 

2024年3月31日日曜日

フランス流「三寒四温」?

気温の上がり下がりが激しいのが、季節の変わり目の時期のモンペリエの気候だと私は思っていますが、寒い日が続いていたこの3月、突然春を通り越して夏が来たのかと思うような日が訪れました。

日々の最高気温が10度から15度の間で推移していたのが、3月18日にいきなり25度を超えたのです!

この3月の最低最高気温が月上旬の9度だったので、「2週間で冬から夏へ飛んだか?」という現象です。しかも3月25日の最高気温は13度になったので、まさにヨーヨー状態。私が「気温の上がり下がりが激しい」というのがどういうものかわかっていただけるかと思います。

以前からこのブログでも、モンペリエでは春と秋の冬を着る機会がないと嘆くことがありましたが、25度になった日の街には、半袖どころか、ノースリーブやキャミソールの女の子が出現して、すれ違う度に私なんかは「ほらほら、やっぱり!」と呟いていました。

でも無理もありません。空は気持ちのいい青空。太陽の光も夏のまぶしさ。

人々はカフェやレストランのテラスに繰り出し、つい最近までの冬空はすっかりどこかに飛んでいきました。

 

 

気温の上がり下がりと言えば、日本では「三寒四温」という言葉がありますね。もともとは、冬の時期に寒い日が3日、暖かい日が4日の7日周期で寒暖が繰り返される現象のことを言っていたそうですが、今の日本では3月とかの春先によく聞かれる言葉だと思います。

フランスにも気温の上がり下がりにまつわることわざがあって、「En avril, ne te découvre pas d’un fil ; en mai, fais ce qu’il te plaît!」という有名なものです。

訳は「4月は一糸たりとも脱ぐな、 5月になったらお好きなように!」という感じで、4月には暖かい日が来るけれど、まだまだ寒い日もあるから、油断して薄着にならないように、という教訓です。気温の現象を語っているのではなくて、代々受け継がれてきた「教え」ですね。

これは本当にその通りで、暖かくなってきたからといって衣替えなど張り切ってしてしまっては失敗のもとです。コートもジャケットもまだまだ手元に出しておくべきだし、セーターだってまだ片付けてはいけません。

夏になってでも、日夜の気温の寒暖も激しい気候なので、軽く羽織れる上着やスカーフは不可欠で、フランスでは脱ぎ着しやすいものがファッションにおける必需携帯品です。

このことわざを口うるさく言ってあげたくなるのが、モンペリエの中高生。この25度になった日のように、青空が出て気温が上がると、彼らはすぐに薄着になります。こっちが長袖でうすいセーターを着ていても、キャミソールでやって来ます。しかも雨がパラつく日でも、天気予報を見て傘を持ち歩くという習慣もない彼らは、ずぶぬれになることもしょっちゅうで、すぐに風邪をひくのです。

この3月の間も、「風邪ひいた~」と言って現れたり、「風邪のため欠席」という生徒たちが続出。顔を見れば、「この前暖かくなったから、また薄着でプラプラしてたんでしょ?」と突っ込む私に、懲りない彼らはエヘッとおどけるだけ。この人たちは寒くならないための対策なんて永遠にしないんだろうなあ。 

日本人とフランス人の間にある文化の違い、メンタリティーの違いというのは、日常のあちこちにあって、こんなにも違うかと、びっくりするやらあきれるやらですが、彼らからみたら、日本人の習慣ににもツッコミどころは満載なわけですから、それが異文化を知ることの醍醐味ですね。

これから春から夏へと小走りで移り変わっていく様子を、またお届けしたいと思います。


2024年1月31日水曜日

新しい年

2024年、新しい一年がまたやってきました。

日本にとっては心穏やかとは言っていられない年明けとなりましたね。

「あけましておめでとう!」と晴れやかに言っていられない気分になった方も多かったと思います。自分もその一人です。地球の裏側にいるとは言え、日本から飛び込んでくる知らせには衝撃を受けるものです。 時差があることを利用して、夜な夜な情報収集にあたりました。

能登の大地震で犠牲となられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災地の皆さんに、一日も早く日常が戻ることを祈るばかりです。

また、お正月休み真っ只中の羽田空港での事故。まさに被災地に向かおうとしていた海上自衛隊の方々の無念を思うと、言葉もありません。乗員乗客が全員無事との知らせには世界中が安堵しましたが、詳細を知れば知るほど、一分一秒を急ぐ過密時間が、根本的な原因の一つであるとしか思えません。なんらかの利益や効率性を求めて、時間にしろ、何にしろ、可能な限り詰め込もうとする姿勢からは脱却しなくてはいけないと、改めて思いました。

どれだけ大都市だろうが、同じ滑走路で離発着が数分刻みで行われるという実態は、もしもの事故が起きないように設定されているとは思えず、過密状況と言い切るしかないと思います。管制官にしろ、技術部門にしろ、パイロットにしろ、安全安心を第一にするには、最低限の心のゆとりが持てる人間的なタイムスケジュールに変えていくべき時が来てるんだろうと思います。

この年明けの出来事を受けて、新年のご挨拶をすっかりしそこなってしまった失礼な自分でした。

新年のあいさつをフランス語では「Bonne Année !」と言いますが、 それぞれの土地の文化があってこそのそれぞれの言語。一つの表現をとってみても、日本語とフランス語ではやっぱり違いがあります。

例えば、日本人にとっての「あけましておめでとう」は、あくまで、新年を迎えたことを喜び祝う言葉であるわけで、新年を迎えてからしか使いません。

一方、フランス人にとっては、相手方に素晴らしい一年を祈るための言葉なので、日本人にとっての年末のあいさつ「良いお年を!」も「Bonne Année !」、大晦日を超えてからの「あけましておめでとう!」 も「Bonne Année !」。日本人が「あけましておめでとう」の後に続ける、「良い年となりますように。」と願うその部分が「Bonne Année !」に相当すると考えた方が、意味としては近いかと思います。

使うシチュエーションは似ていても、言葉のもつ意味は違うということはよくありますね。

そして、日本人にとっては、新年を祝うのが基本的に三が日の間だったり、年明け最初の一週間に限られるものというのが基本で、1月も末になってから年賀状を送ったり、挨拶をするのは少々おかしい、礼儀的に正しくないと見なされることが多いと思います。

けれどフランス人にとっては、1月中だったら、誰か会う人に「Bonne Année !」と言うことに問題はないし、人によっては、その人に会うのがその年で一回目だったら、二月になっていようが「Bonne Année !」というと考えている人も少なくありません。

 そういうわけで、このブログ上で新年のご挨拶をするのが遅れてしまいましたが、フランス式ということでお許しくださればと思います。

皆さんにとって、健康に恵まれて、心穏やかな時あふれる一年となりますよう、お祈り申し上げます。

 


 

2023年12月28日木曜日

Marché de Noël / マルシェ ドゥ ノエル その続き

初めてペイルー公園に会場を移した、モンペリエのマルシェ ドゥ ノエル。

今回は大成功のようで、連日たくさんの人でにぎわっているようです。

 
 
 

クリスマスマーケットでよく見られる山小屋風のスタンドを、フランスでは山小屋という言葉そのままでChalets と呼びますが、今回は86のシャレが並んだそうです。
 
 

 

伝統工芸の品を売る店、手作りアクセサリーの店、革製品の店、ろうそくの店、などいろいろありますが、食べ物やさんも充実しています。
 
 

 
わたがし屋さんのように食べ歩き用もあれば、チーズ屋さん、ソーセージ屋さんなど、おうちに買って帰るためのお店もあれば、
キッシュやウィンナー、クレープ屋にチュロス屋と、お食事からデザートまでそろいます。
 
以前にお話ししたように、クリスマスマーケット自体がどちらかというと東ヨーロッパの伝統文化ということもあって、あちらのものを紹介している店が多いです。

 
 
 
プレッツェル(Bretzel)もドイツの菓子パンですもんね。
 
マルシェの中央にはテーブルやイスが準備されていて、最初からマルシェに来て飲食目的で来る家族や仲間同士もたくさんいます。
 



寒いのに賑やかなことといったら!

さて、ここで一つ、クリスマスマーケットで飲むものと言えばなんでしょう?
伝統的であり、この季節に屋外で飲むのにもってこいのもの。
 
それはホットワイン。フランス語では「Vin chaud」です。
シナモンやオレンジをきかせていたりもします。
寒い日に外で Vin chaudを一杯飲みたくなる。季節柄の行動の典型ですね。
 
 
 
 
 
久しぶりだったので、私も一杯飲んできました!

ノエルのマルシェは子供に楽しんでもらう場でもあります。
先日お伝えしたように、モンペリエのマルシェではここ数年、小さなローラーコースターやスケートリンクまでできていたのですが、今回は会場の関係からも、そういう大掛かりなものはなし。代わりに、と言って正しいのかわかりませんが、いろいろな催し物に工夫を凝らしていたように思います。
 
写真撮影スポットもマルシェの中に用意されていました。
 
サンタさんに充てた手紙をいれるポストとクマサンタ。子供づれファミリーで行列ができていました。
 
 

 
マルシェの奥、水道橋のふもとでは、サンタさんのそりです。
 
 

 
 
イベント系の方では、いろいろなパレードがあったようです。
 
今年のマルシェ ドゥ ノエルに行った人の声を聞くと、老若男女問わずに満足した人が多かったようです。
コメディ広場の工事が理由でペイルー公園になったわけですが、一周してみた感覚では、エスプラナードでしていたときよりも、フードコーナーを真ん中にして、コンパクトにまとまった感じが、より「村」っぽい雰囲気を作り出していて、クリスマスマーケットに相応しかったんじゃないかと思います。
 
さて、来年度はどこで開催するんでしょうか? 次回の発表を楽しみにしたいと思います。

2023年12月27日水曜日

クレッシュ ドゥ ノエル / Crèche de Noël その続き

昨日ご紹介した大きなクレッシュ ドゥ ノエル。

実はコメディ広場からすぐのところで見られます。

La chapelle Sainte-Foy (シャペル・サント・フォワ)という小さなチャペルで、コメディ広場に並行して通る小さな道、rue Jacques-Cœurの14番地にあります。 
La petite chapelle des Pénitents blancs とも呼ばれてる場所ですが、それはここがペニタンブラン所有のものだからです。(白懺悔の会とか同胞団とか訳されるようです)

以前から毎年12月になると会員やボランティアがクレッシュを飾っていたそうですが、2013年から一般の人にも公開するようになったそうです。だとすればもう10周年ということになりますね !

南フランスでは、クレッシュに飾られる人形のことをサントン人形 (santons)といい、キリスト生誕にまつわる人々の姿が見られます。マリア、ジョゼフ、東方の三博士、羊飼い、などなどメインの人物を中心にしていることはもちろんですが、粉屋さんや挽き物屋さん、大工さん、洗濯屋さんなど、村人たち様々な職業も見られます。





2013年から一般公開しているとあって、ボランティアの皆さんも張り切って楽しんでいるんだろうと思います。
数年前の情報によれば、すでに400体のサントン人形が飾られていたそうで、今回私が見たものからは、メンバーが楽しみながら毎年いろいろ足してるうちに、規模が大きくなって人形が増えていってる様子が想像できます。
キリストが誕生した時代には存在しなかった手回しオルガン弾きもいました。
 


観覧車までありましたから!

キリストが生まれた馬小屋の様子ですが、25日まで彼の姿はありません。ノエルはキリストの誕生日ですからね。
 
 
 
 
各家庭で飾る場合でも、キリストは25日の朝になってから、ちょこっと足されるのが伝統なのです。このことを初めてした時は、へぇ~おもしろいなあ、と思ったものです。

こちらシャペル・サント・フォワのクレッシュは、12月中は公開されているようなので、モンペリエに住んでる方はぜひ見に行ってみてください。

とある季節に人形を飾るというこの文化を見て、日本のお雛様を思い浮かべました。片づけるタイミングにもいろいろ風習や説があるところもなんだか似てるなあと。宗教的にはなんの関係もありませんが、それぞれの土地に文化があって、まさに「ところ変われば!」ですね。

こちらのシャペルは、クレッシュ ドゥ ノエルのことを別にしても、一見の価値がある場所です。また追って詳細をお伝えしますね。

2023年12月26日火曜日

クレッシュ ドゥ ノエル / Crèche de Noël

今年も12月24日、25日が過ぎましたね。

25日が祝日の国も多いので、土、日、月と三連休となった人も多かったことでしょう。
皆さんはどんな日を過ごされましたか?
キリスト教徒ならではの過ごし方をされた方、クリスマスをイベント的に楽しんだり、おいしいものを食べる機会だと楽しまれた方、または極々平常通りだった方と、いろいろな過ごし方があったかと思います。

私はというと、普段とは違う美味しいものを食べる機会として楽しませてもらいました。

現在のフランスは、政教分離を徹底する社会として知られていますが、もともとキリスト教をもとにしながら発展した文化圏内にある国ですし、主にカトリック信仰の人々が暮らしてきた土地で、その人たちが文化を育んできた国ですから、たとえ日ごろは政教分離の話題に触れることが多くても、フランスで12月を過ごす度に、やっぱりノエルというのは大事なんだなと、再確認せずにはおれません。

そんなわけで、ノエルの時期ならではの話題が続いています。

サパン ドゥ ノエル、マルシェ ドゥ ノエルと来ましたが、次はとてもフランス的、かつ南仏のノエル文化が際立つなクレッシュ ドゥ ノエル / Crèche de Noël 」です。

以前にも話題にしましたが、フランスではノエルが近づいてくると、教会や各家庭、役場や商店で、イエスキリスト生誕時のうまやの様子を再現した、人形群の模型を見かけるようになります。
日本語ではイエス生誕群像とか訳されるのでしょうか。

私もこれまでに個人の家庭や教会などで、いろいろなタイプ、そしていろいろな規模のクレッシュを見てきましたが、今年新たに初めて見に行ったところがあります。

そこでみたクレッシュの大きいこと!



 
何百体の人形が使われているんでしょうか?



 
キリストが生まれた馬小屋じゃなくて、村どころか、これはもう街ですね!

さて、これが見れるのはどこでしょうか?

モンペリエの中心地にある、とあるところです。

私は毎日通勤路となっていて、前を通っているところなのですが、モンペリエの中でそんなにメジャーな場所とも言えないかもしれません。モンペリエ在住の人でも、名前がピンとこない、一度も中に入ったことはない、という方も多いかもしれませんね。

このクレッシュについて、またこの場所について、また追ってお伝えしたいと思います。

 

2023年12月22日金曜日

Les Hivernales

モンペリエのマルシェ ドゥ ノエル「Les Hivernales」が、12月2日の土曜日から開催されています。

今回初めてコメディ広場のエリアを離れて、凱旋門の向かいのペイルー公園で行われています。

12月25日のノエルの日を除いて、30日まで毎日開催。しかも朝は10時半に始まって、月曜から木曜日の夜と日曜日の夜は21時半まで。金曜日と土曜日は22時半まで開かれているので、フランス人にしては(と言っては失礼だけど)かなりの力の入れ具合です!

ペイルー公園の入り口がマルシェの入り口となっていますが、テロ対策や防犯対策のためにセキュリティーチェックがあるため、公園前の坂道に入場待ちの列ができるほど。

私が立ち寄ったのはオープニングの翌日だったので、楽しみにしてはりきってきた人々ばかりだったと思いますが、子供連れ、カップル、仲間同士といった感じで、老若男女問わずの来場者で賑わっていました。

 


セキュリティーチェックを終えて中に入ると、こんな感じ。



いつものペイルー公園とは全く違う景色が広がっていました。

地元メディアによれば、オープニング以来、しょっぱなから大盛況とのことです。

マルシェの中がどんな感じなのか、また引き続きお伝えしますね。

2023年12月21日木曜日

Marché de Noël / マルシェ ドゥ ノエル

今や世界各地に広まっているクリスマスマーケットの文化。 

17世紀のドイツが発祥地とされているようですが、ドイツ各都市、オーストリア、チェコなど冬のヨーロッパ旅行のお目当てがクリスマスマーケットだという人も多いことでしょう。

フランスでも、ドイツ文化圏に属するストラスブール周辺地域で、とても盛大なクリスマスマーケットを見ることができます。

このクリスマスマーケット、フランス語では「Marché de Noël / マルシェ ドゥ ノエル」と呼ばれます。

モンペリエのある南フランス、地中海文化圏域では、昔からの伝統として行われていたものではありませんが、今やほとんどの街や村でマルシェ ドゥ ノエルが開催され、モンペリエ市では15年前から毎年開催されるようになりました。

確か以前にはコメディ広場で開催されたこともあり、その後、コメディ広場から奥に続くエスプラナードのエリアで 毎年開催されるようになりました。

いつのころからか、イベントの名を「Les Hivernales de Montpellier」とし、年々規模が大きくなって、小さなローラーコースターや観覧車、さらにはスケートリンクまで設置されるようになっていました。(ただ、テロの恐れが高まった時期やコロナ禍には厳しい規制がしかれたり、縮小せざるを得ないことなどもありました。)

今年はどうかというと、先日お伝えしたように、コメディ広場やエスプラナード一帯の大規模工事のために、場所を大きく変えて、ペイルー公園での開催となりました。モンペリエの凱旋門から水道橋までに広がるエリアです。ここでマルシェが行われるのは初めてとか。

12月2日にオープニングイベントが開催されて、年末30日まで続くマルシェが始まりました。12月25日のノエルの日を除けば、毎日開催されます。

 

 

私はオープニング日の翌日にふらっと一周してきたので、また追ってその様子をお伝えしたいと思います。

2023年12月20日水曜日

Sapin de Noël / サパン ドゥ ノエル

モンペリエのノエルのイルミネーションの点灯式は、とある日に設定されているとお伝えしました。クリスマス商戦をスタートさせるために、商店や総合商業施設などが話し合って決めるところもある中で、モンペリエでの点灯式は毎年11月26日とされているそうです。

今年はたまたま日曜日となりましたが、これは何の日なんでしょうか?

実はこの日にち、モンペリエという都市の誕生記念日にあたるのです。西暦985年のこの日に、モンペリエという街の名前が当時の公式文書に記された日として、今日までモンペリエ市誕生の日ということで大事にされてきています。

今年は運よく日曜日にあたったということで、人出も見込まれる中、 去る11月26日に市長さんの参加のもと、点灯式が行われました。もちろんメイン会場は、コメディ広場に設置されたクリスマスツリー、Sapin de Noël / サパン ドゥ ノエル前です。

例年、オペラ座コメディの前に大きなツリーが設置されることが多いのですが、今年はトラム線路やトラムの駅、さらにはコメディ広場自体の改修、改善、装飾工事が続いているために、少し場所をずらして、コメディ広場の奥に続くエスプラナードの入り口にクリスマスツリーが設置されました。



毎年どんなクリスマスツリーが飾られるんだろうというのは、一部の市民が楽しみにしていることでもありますが、環境問題政策に熱心な現市長さんは、今年のツリーの木の選び方にもこだわったようです。

下の基盤の部分はメタリックの素材でありながらも、そこに本物の自然のモミの木を連結させて、高さは15メートルになりました。

これまでモンペリエでは、自然の木ではないツリーが設置されたことも何度もあったので、自然の木を使うということ自体が環境尊重アピールになりますが、今回のこの自然のモミの木は、モンペリエ地元の企業によって育てられ、しかも木が育った土壌や木の成長過程に対してもいろいろな配慮がなされた中で、植物の自然な成長を尊重した方法で栽培されたということも、市長さんにとっては大事な選択基準だったようです。 




もともとのエコロジー問題に加え、ウクライナ-ロシアの戦争の影響にもよって、エネルギー料金が爆発的に値上がりしたりと、電気やガスの消費量を抑える努力をするというのは、国を挙げての目標課題となっています。そんな中、イルミネーションによる電気の消費にも国民の目が向かれるのは当然のこと。

モンペリエでは電球をLEDに変えたり、連日イルミネーションが点灯する時間帯を減らすなどして、電気の消費量を大幅におさえたとのことです。

 

 
 
 
社会情勢や社会事情、そして人々の意識が変わりゆく中で、バランスをとりながら物事を改善していくというのは、政治の大きな役目でもありますね。
 
ともかく、気温が下がって寒さが厳しくなる中、きれいなイルミネーションの光を眺める人々がうれしそうな目をしていることには変わりないようです。
 
 
 

2023年12月19日火曜日

クリスマスシーズン

フランス人にとって、一年で一番大事な日の一つにノエルがあります。クリスマスのことです。単純に言って、一番大事な日、と言い切っていいかもしれません。今現在、キリスト教徒かどうかという事実云々から少し離れて、もともとの文化というか伝統の中でも根強く受け継がれているものの一つであって、多くの家庭、家族にとって、皆が集まって一緒に祝うという意味では、まさに日本人にとってのお正月のようなものです。

日本人にとってクリスマスと言えば、 サンタクロースからのプレゼントを待つ子供達、あるいはロマンチックというイメージでカップルがプレゼントや特別なディナーを楽しむといった面が強いと思いますが、フランス人にとったらカップルがどうだとかロマンチックがどうかという話ではありません。

サンタさんに欲しいものをお願いする子供たちは当然としても、もうサンタさんを待っていない年齢の中高生や若者、大人同士でも、みんなが家族や仲間とプレゼントを贈りあう機会となっています。

そのため、お店や商業、販売分野の人々にとっては、一年で一番大事なクリスマス商戦なのです。対象が日本のように子供向けややカップル向けに絞られていないので、完全な全面クリスマス商戦で街中が賑やかになる時期でもあります。

日本と同じく、各地がイルミネーションでキラキラと輝く時期でもありますが、全面クリスマス商戦という事実と関連して、フランスの街のイルミネーションに関しては、たんなる街のデコレーションという面よりも、商工会議所や商店の組合とのタイアップが全面的に表にでているものでもあります。それぞれの市町村の経済政策とも直接つながっている案件でもあります。

そこで、モンペリエで市長さんと共にクリスマス商戦の一連の制作、対応を担っているのでが、こちら商工会議所。

 

 

荘厳な雰囲気の事務所なわけですが、モンペリエの歴史的建造物の中でも中心的建物の一つに陣取っています。オペラ座からすぐ裏手に位置します。


 


CCI Hérault という表示が見えるかと思いますが、Chambre de commerce et d'industrieの略です。フランスでCCIというと商工会議所のことになります。

というわけで、フランスのクリスマスシーズンの雰囲気は、クリスマスイブの日中ギリギリまで、クリスマス大商戦のムード一色でもある、というのがほんとのところ、というお話でした。

もちろん、24日の夜、25日の日中は、騒がしかった街も、本物のノエルの雰囲気という風に様変わりします。一時的に人の気配が減ったりするので、、、。

ところで、各地、イルミネーションやクリスマスツリーの点灯が行われる日が、クリスマス商戦スタートのアナウンスでもあり、商工会議所にとって大事な日なのですが、実はモンペリエ市では、一つ別の理由で点灯する日が選ばれています。そこのところをまた次回お伝えしたいと思います。

 

2023年12月17日日曜日

「la lumière du matin」朝の光

ご無沙汰していました。

ほぼ8カ月ぶりの投稿となります。

この間、日本でもフランスでも世界でも、様々なことが起きていますが、皆さんはお元気ですか? 

私個人にとってもいろいろなことが起こり、新たな試練もありで、さらなる発見、気づき、学びの多い数か月でした。これがまた自分の変化につながっていくのかなと感じています。変化がいい意味での進化、発展につながるといいのですが。

 

さて、前回の投稿では春についての話題でしたが、今やもう冬真っ只中。

モンペリエでは、この冬も相変わらず気温の上がり下がりが激しく、明け方マイナス零度を切った日が出たかと思うと、日中16度を超える暖かさを感じる日がでたりと、人間も動物も植物も、もうわけがわからないという感じになっています。

どうやら日本各地でも同様の現象が起きているようですね。自然環境問題が日に日に深刻になっていっています。

自然環境と言えば、現モンペリエ市長は環境問題にとても敏感で、彼の政治モットーの主要部分を成すようになってきました。このことに関連した話題をいくつか、近々お届けしたいと思っています。

 

 今日は、最近、朝の通勤時にふと見とれてしまった風景をお届けして終わりたいと思います。

 


 

いつごろの時間帯の風景か、おわかりになりますか?

これは朝の風景です。

もともと朝が苦手な自分は、冬になるとなおさら朝の行動開始時刻が遅れてしまうのですが、この秋からやっとのことで生活リズムの改善に少し成功することができたおかげで、朝の風景を楽しむことができ始めました。

そんな中で、つい見とれてしまった風景が、この朝の光を浴びる木と落ち葉でした。

朝の光とはフランス語では 「la lumière du matin」と言い、詩や歌や音楽なのタイトルとしてかなり頻繁に使われる言葉でもあります。

自分がピアノの生徒にあげている曲の中でお気に入りの曲にも、 「la lumière du matin」という小さな曲がありますが、その曲をふと思い出すような、まばゆい特別な光でした。

毎朝このような光が出るというわけではなくて、きっとこの日の朝の太陽の光と空気の質と気温とが微妙に関連しあって、こんな素敵な光が出たんだろうなと思います。

おかげでこの日はなんだかラッキーな気分になって、仕事に向かうことができました。

「早起きは三文の徳」、「朝を制する者は一日を制す」だとか、さらには「朝を制するのもは人生を制す 」とも言われますが、自分ももう少しだけでも朝型に軌道修正して、朝の光をしっかり浴びる生活をしたいものだと思いました。

 

2023年4月30日日曜日

Le printemps

フランス語で「春」は「Le printemps」。

「ル・プラントン」と発音します。

日本人にとっては日本文化そのものでもある四季の彩りですが、その感覚で述べると、日本人にとっての春とフランス人にとっての春は少し違うように思います。

日本人にとって、春は一年の始まり。新しい出発の時。別れの時。出会いの時。

そういった季節柄の感じ方は、日本社会のカレンダー、四季の暦と一体化しているわけで、日本における日本人の季節感を一層強めていると思います。だからフランスに暮らす日本人は、フランスにおける春を、人それぞれの感覚で味わったり、新しい発見や感覚に気が付いたりしていることと思います。 

私個人で言えば、フランスでの春には、別れの時や出会いの時というイメージが全くないことに、寂しさを感じたりもします。あくまで、冬から夏に向かう過渡期の時期だったり、一年の年度がもうすぐ終わりに向かうと感じる時期、あと少しでバカンスだ!といった、わりと単純に一過性のものだったりするのです。フランス社会のカレンダーが9月スタートの年度カレンダーに沿っているので、そうなって当然です。

四月と言えば、フランスには「Avril, ne te découvre pas d'un fil. 」という諺があって、「四月には、糸一本たりとも脱ぐな。」という感じでよく訳されますが、これは四月になって春めいた気候になって、すぐに薄着になったりしたくなるけれど、気温の上がり下がりが激しくて、四月の天気は変わりやすく、すぐに風邪をひいたり体調を崩したりしてしまうことへの教訓なのです。

その通りに、四月になったからといって日本人がイメージする春日和が続くことはあまりなく、雨が降ったり、風が強かったり、あまり穏やかな気候ではありません。

実際、今年もこのことわざの通りで、「春がやってきた!」と思える日が来たかと思えば、雨が続いたり、曇り空ばかりが続きました。

日本からは、見事な桜の映像があちこちから流れてきて、春とは言えど、その春の違いに改めて感じ入ったりしていました。

そんなこんなで、「冬は終わったようだけれど、夏にはまだなっていない」と言った感じの気候がなんとなく続き、やっぱりこれがフランスの、いやとにかくモンペリエの春かなあと思って過ごしていました。

そしてようやく数日前に気温が25度近くまでにあがり、瞬く間に人々の服装が初夏のような服装に変わりました。すぐに半袖Tシャツや下手したらノースリーブで極端に薄手の女の子を見ると、今ここで真夏の服装になって、これから45度とかに上がるまでどうやって過ごすのかとこっちが勝手に心配しています。

ともあれ、どうやら気温はこれからはしばらく25度前後で落ち着くようです。

このように、社会的には日本と同じような春を感じられない生活ですが、自然の世界は春を感じさせてくれています。

つい最近、町内の通りを歩いていたら、ご近所さんの壁やアパートの壁を彩る花々に目がとまりました。

 

 

ガーデニングといったような手入れが施されている感じがしない花々。

かなり大胆に、大雑把に成長しているようにも見えますが、彩りも香りも素晴らしい花々が咲いています。

 

 

やっぱりこうした彩りがあってこその春ですね。

皆さんもそれぞれの場所での春をお楽しみください。

2023年3月27日月曜日

サマータイム

昨日3月26日の日曜日、冬時間から夏時間への切り替えが行われました。

前にもお伝えしましたが、本当はすでに廃止されているはずだったこの制度。議論が再開して再決断に至ることもなく、粛々とこれまでと同じように時間が切り替わりました。

ざっくりと言って、昨日までの朝9時が今は朝10時になったという具合です。 

おかげで仕事上がりの19時が、こんな明るさの中となりました。帰宅するという雰囲気よりも、さあ街に繰り出すぞという雰囲気の方が合っていますね。

 


モンペリエではここ数日風が少しひやっとするものの、1月や2月とは全く違う気候で、春の訪れを感じるようになっていました。が、そこでこのサマータイムです。近々気温上昇も予想されていて、25度に達するなどの情報もでています。

そうなんです、やっぱりここには春がない、というか、春と感じられる時間が足りない。冬が明けて夏に向かう過渡期を春と呼ぶ、といった感じです。

サマータイムになったことで、夕方や夕べになるとカフェやバーのテラスが賑わいます。そうなると、もう夏まっしぐらです。

夕食時の夜20時半ごろでこの明るさですから、無理もありません。

 

そうとなると、春を楽しみたかったらまさに今!ちょっとぼやっとしていると夏になってしまいます。人々も真冬のコートを着ていたかと思ったら、すぐに半袖Tシャツになる感じです。

一定期間を通して人々を見ていれば、かろうじて女性の一部に春らしいスプリングコートやジャケットを着る人がいる 時期がほんの少しあるくらいでしょうか。もう初夏はそこ、といった感じです。

私自身は春生まれの春の子らしく、 冬の終わりを感じる時期になると、突然元気になります。エネルギーが沸いてくるという文字通りの感覚です。この元気パワーに便乗して、ほんのわずか数週間の春を満喫したいと思います。

2023年1月8日日曜日

Bonne année 2023

あけましておめでとうございます。

皆さんは、どこで、どんな風にこの新年を迎えられたのでしょうか?

また新しい一つの区切りとして、皆さんそれぞれが少しでも良い気分で、少しでも良い方向に舵をとって、新しいスタートを切るきっかけになるといいなと思います。

 


日本では新年の幕開けに際して、今年の抱負や目標を掲げることが伝統的ですが、こちらフランスでは、とにかく相手の方とその身近な人々の幸せと健康を祈るのが習慣になっています。

世界各国各地には、コロナや戦争や経済難などで、 以前は持てていた日常生活が遠のいてしまっている人や心配事やストレスを多く抱えている人も多くいることと思います。

多くの方がお互いに心身の健康を保つことを最優先にしていけたら、ちょっとは優しい世界がやってくるかなあと思うこの頃です。

旅先で見かけたキャッチコピーですが、皆でギスギスせずに、少しゆとりをもって、お互いに暖かい気持ちで日々過ごせていけたらいいですね。



今年もポチポチとモンペリエからの発信を続けたいと思います。

時々覗きに来てくれる皆さん、ありがとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いします。


2022年12月23日金曜日

ノエル色の街

ヨーロッパ諸国には、「クリスマス」を何よりの風物詩として誇る街がいくつかあります。

クリスマスの飾りでクリスマスらしい色といえば、赤や緑の温かみを感じる彩りを想像する方も多いと思いますが、まさにそのイメージに当てはまって有名なのは、やっぱりドイツの各都市のクリスマスでしょうか。各地のクリスマスマーケットが世界的に有名です。東部ドレスデンでは1434年からクリスマスマーケットが続いているそうで、世界最古の一つだそうです。ドイツ近隣の東欧諸国でも、プラハ、ブダペスト、ウィーンなどの街のクリスマスは有名です。その雰囲気を味わうために、毎年遠くから訪れる人々がいるのです。

フランスでも、ストラスブールやコルマールといった、ドイツとの国境に近い街のクリスマスマーケットは有名です。

方や、モンペリエはと言うと、毎年モンペリエ市も市民もクリスマスの雰囲気で盛り上がりますが、日本人がイメージする「寒いけれど暖かい感じのするノエル」とはちょっと違う雰囲気だな、というのが私の印象です。

私がモンペリエに来て初めて迎えたノエルから、ずっと印象に残っているのは、なんと「青空のノエル」なんです。2002年のノエルは、記録に残るほどの暖冬の盛りの日で、クリスマスの食事をテラスで食べたなんてことが思い出に残っている人も多いでしょう。

もちろんモンペリエでも、寒いノエルもありました。雪がちらつくノエルもありました。でも、暖かい色どりのノエルとはちょっと違う雰囲気なのです。

そのため私には、先に挙げたフランスのクリスマス聖地であるストラスブールもコルマールも、果ては東ドイツのドレスデンもプラハも、クリスマスの雰囲気を味わうために、わざわざ電車で北上の旅をした過去があります。現地について感じたクリスマスは、「これこれ!」でした。

こんなことを言いながらも、モンペリエのノエルにももちろん愛着はあります。

連日ご紹介したプロジェクションマッピングのイベントの準備期間の時期から、街のあちこちはノエルのデコレーションで賑わい始めます。

オペラ座では、プロジェクションマッピングのイベントが終了してから、クリスマスツリーが内部に飾られました。小さな子供がいる同僚たちむけに、職員内輪のクリスマスパーティーが毎年開催されるからです。

 


私は参加したことがありませんが、クリスマスツリーの下にプレゼントが積まれ、サンタさんの役を演じる同僚が毎年一人いて、子供向けの小さなスペクタクルも行われて、楽しそうな雰囲気です。

 


 

オペラ座内部のツリーから、窓の外を見下ろしてみれば、そこにはモンペリエ市のクリスマスツリーが見えます。

この日は12月頭でしたが、やっぱりモンペリエ定番の青空が目立っています。フランス国旗と空の色だけみていれば、クリスマスの雰囲気なんて皆無の彩りです。

コメディ広場に設置されたクリスマスツリーは、今年は本物のモミの木が使でした。

 

 

過去にそうではない年も何度かあったので、「あ、今年はモミの木にしたんだな。」と思いながら私が写真を撮っていると、となりにいたマダムがすぐに声をかけてきました。

「あなた、これきれいだと思う?」

私がうれしそうに写真を撮っていたから、皮肉っぽいトーンで声をかけられたのですが、私もすぐに一言。

「なんか温かみに欠けますね。」

そしたら意外と同意見だった私の返事に喜んだマダムは、「そうなのよー!」と応じ、つくづく残念がっていました。


今年のモンペリエ市のノエルは、特に青白いデコレーションになっているのです。



 

キレイはきれいですが、なんだか冷たい、ひやっとした感じがしてしまうんですよね。こう感じる私やマダムは少数派なのでしょうか?

 

恒例のクリスマスマーケットも、とにかく白と青の光が目を引きます。

 


 

すごい人出だったので、マーケットの中には行きませんでしたが、なんだか今年は、「寒いけれど温かい感じのするノエル」から、ますます遠ざかっているように思います。

そんなことを感じながら帰路につくと、少しオリジナルなデコレーションが目に入りました。

 

 

これはきっと市によるデコレーションではなくて、個人によるデコレーションなのだと思いますが、白と青の寒い感じではなくて、たまにはこういう彩りもいいなあと思いながら写真を撮りました。

けれど!やっぱりノエルは、寒いけれど温かみを感じる赤と緑のノエルがいいなあ、と思った日本人の私でした。

もうノエルまで待ったなしですね。

ノエルを祝う人も、そうでない人も、この年の暮れの時期、健康に楽しくお過ごしください。

2022年12月22日木曜日

Coeur de ville en lumières その6

今回のプロジェクションマッピングのイベントは、コロナ禍の後初めて再開されたということもあって、運営側も市民の側も、とても盛り上がっていたように思います。

自分にとっても久しぶりの街のイベントで、凱旋門、ペイルー公園、サンピエール大聖堂を通して、すでに質のいいプロジェクションに大満足していたので、あとは街を横断しながら、雰囲気を楽しみながら帰ることにしました。

 

県庁でのプロジェクションは子供向け、ファミリー向けという感じでした。

 


 

ファーブル美術館はラスベガス、カジノの世界を演出していました。

 


 

そしてメイン会場の一つ、我らがオペラ座 のファサードでは「Mélodieux」というテーマで、光と音のスペクタクルが繰り広げられていました。正面の三美神の噴水のあたりはかなりの人ごみだったので、その中には入らずに、遠くから眺めましたが、コメディ広場の全体がうまるくらいの人出でした。

 


 

こうして遠くから眺めるのは正直初めてだったので、一つ発見したことがあります。それはやっぱり音響の大切さ。光と音のスペクタクルなだけに、用意された音を大音響で聞けるゾーンで見ないと、スペクタクルの醍醐味が半減するのだなあと。

 


 

コロナだセキュリティーだなんだと人ごみを避ける理由が山ほどありますが、スペクタクルを満喫するためには、ふと考えるところもあったなあと、振り返って思いました。

さて、今回の一連の写真やビデオのアップで、今回のイベントの雰囲気を伝えることができたでしょうか?

一年は長いようであっという間。

また来年の冬の到来も楽しみに待つこととします。

2022年12月5日月曜日

Coeur de ville en lumières その5

豪華二本立てだったカテドラル・サン・ピエールでのプロジェクション。

もう一つテーマは「Les jardins fantastiques」というタイトルで、幻想的庭園といいますか、植物をテーマにした、世界各地の風景といった感じ。植物公園のすぐ横ということも意識しての選択でしょうか。

例えば、ジャングルっぽいイメージ。

 

アラビアンナイトを感じさせるイメージ。


 

次に典型的なアジアンな感じですが、これは明らかにジブリ映画の「千と千尋の神隠し」から来てますね。

 

 

そして、アメリカのカウボーイの世界を象徴する荒野。

 


 

この画像はどれも常に変化して動きがあるものだったのですが、 CG画像とはいえ、それぞれいろどりが鮮やかで、かつ手作り感のある絵で、作り手の専門性やスタイルを感じながら見ていました。

 


 

ここでのプロジェクションの映像は、モンペリエの二つのCGグラフィックの学校の生徒さんたちが作ったもので、プロジェクションの最後にはそれぞれの名前も紹介されていましたが、そこで先生をしている知り合いの名前もしっかりと紹介されていて、タイミングよく気が付くことができました。どんな分野にしても、何かを制作することを学ぶ生徒たちの作品を、こうして大勢の人達の前で発表できることは、先生にとってもうれしいことでしょう。

実は近年モンペリエでは、CGグラフィックやアニメーションの学校が 盛んに発展して、その数は二つだけではなくて、それぞれが実績を上げて、知名度もぐんぐんあがっている状態です。

テクノロジーの発展に感心するとともに、次世代の若者たちが腕を磨いて、やがては世界に飛び立っていく様子が想像できて、うれしい気分になりますね。

2022年12月4日日曜日

Coeur de ville en lumières その4

今年のプロジェクションマッピングのイベントは、突然寒さが厳しくなった時期に重なりました。みんな防寒を意識して出かけている様子でしたが、10ヶ所あるスポットを全部見て回るには、結構時間もかかるし、寒さに耐えられるかも怪しい感じです。

私は早々に全部回るのはあきらめ、 いくつかピックアップして帰ろうと思っていました。

なかなか見ごたえのあるスポットから回り始めたので、同じく期待に応えてくれそうなところを見ようと思いながら向かった先は、カテドラル・サン・ピエールです。

タイミングよく、正面に近いところに陣取るところができました。

ここのスポットでは、二種類のプロジェクションという豪華二本立て。

一つ目のテーマは、今の時代の流れを受けて、フランスの歴史に名を残した10人の女性の紹介でした。フランス史上重要なフランス人女性と聞いて、皆さんは誰を思い浮かべますか?

今回紹介された10人の中で、日本人も知ってる人と言えば、この方ジャンヌ・ダルク。 やっぱり世界的にも知名度ではトップクラスの一人ですね。

 

 

日本人にとったら、フランス人かというとピンとこない人も多いだろうけれど、キュリー夫人の名で知られる、マリー・キュリーも紹介されました。

文化芸術の分野からは大女優サラ・ベルナール。

 

 

 

映し出された絵はミュシャの絵のスタイルで仕上げられています。というのも、サラ・ベルナールはフランスの「ベル・エポック」を象徴するような存在であり、同時にミュシャなどで知られる「アール・ヌーヴォー」運動の中心的人物でもあったからです。日本人の多くは、サラ・ベルナール本人のことよりも、ミュシャの絵の女性として思い浮かべるかもしれませんね。

また、一般的に皆が名前を知っている人ではないだろうけれど、偉業伝としては大事な人の一人が アリス・ギイ=ブラシェ (Alice Guy-Blaché)。

彼女は映画監督であり、脚本家であり、映画プロデューサーだったのですが、世界的に見ても史上初の女性映画監督であり、映画黎明期のパイオニアだった人です。しかもフランスとアメリカを活動の場所とした国際人。

私は以前、映画誕生の時代について少し勉強しているので、映画製作のパイオニアとしてリュミエール兄弟やメリエスだけが広く知られているのはおかしくて、アリス・ギイ=ブラシェの名前がもっと一般的に知られるようになるといいなと思っています。

 

 

さて、近現代のフランスで、彼女のことを尊敬しない人はなかなかいないだろうと思われるのがシモーヌ・ヴェイユ。2017年に亡くなり、今では彼女の生きざまが映画でも語られていますが、ホロコースト体験者であり、国務大臣、厚生大臣、憲法評議会委員を務め、さらには欧州議会の議長を女性として初めて務めた政治家です。まさに多くのフランス人が「偉大な女性」と敬う、知的で強く気高いマダムです。



この他にも、フランス人女性として初めて宇宙を旅したクローディ・エネレ(Claudie Haignere)や、ジャズシンガーのジョセフィン・ベイカー(Josephine Baker)などが紹介されていました。


ここで映し出されていた画像は、プロジェクションマッピングとしての質だけでなく、いろいろなスタイルを使って、そもそも「絵」としても充実しているなあと思いながら、楽しませてもらいました。

フランス史の復習にもなったし、 子供から大人までが楽しみながら学べる、そんな知的教育効果も大の優れたプロジェクションでした。


2022年11月30日水曜日

Coeur de ville en lumières その3

凱旋門でのプロジェクションを観終わってから向かったのは、そのすぐ先にあるペイルー公園です。ここは今回のイベントのメイン会場の一つ。

テーマは「Le fantôme de l'Opéra」、オペラ座の怪人です。

 


 

有名どころのオペラ「トスカ」、「トラヴィアータ」、「カルメン」、「魔的」などのアリアが流れる中、ここではプロジェクションマッピングに加えて、炎のショーが繰り広げられました。

 


まさに「光のショー」だなあと思ってみていると、どんどん勢いがアップしていきます。

 


まだまだどんどん行くぞーという雰囲気に、少し笑えてきてしまった自分。



勢いがますます止まらないので、ショーを準備した方々には失礼ながらも、今フランスを始めとしたヨーロッパが抱えるエネルギー事情を踏まえて、この冬はこの種のイベントを自粛や、縮小するという話を思い浮かべながら、もしも批判が出たら、電気やらガスやらこういう工夫をしましたという説明をするんだろうなあと、今からすでにもう想像できるシーンを思い浮かべてしまったりして、、、


そしてクライマックスは花火も登場。

 



周りの人と同じく、これには私も「おぉー」と声を出して反応してました(笑)。

こうしてペイルー公園の会場では、長さ9分のショーでした。

プロジェクションマッピング、炎、そして花火も加わり、メイン会場らしいスペクタクルを楽しませてもらい、みんなでぞろぞろと、各自次の会場へと歩いていきました。