2024年1月31日水曜日

新しい年

2024年、新しい一年がまたやってきました。

日本にとっては心穏やかとは言っていられない年明けとなりましたね。

「あけましておめでとう!」と晴れやかに言っていられない気分になった方も多かったと思います。自分もその一人です。地球の裏側にいるとは言え、日本から飛び込んでくる知らせには衝撃を受けるものです。 時差があることを利用して、夜な夜な情報収集にあたりました。

能登の大地震で犠牲となられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災地の皆さんに、一日も早く日常が戻ることを祈るばかりです。

また、お正月休み真っ只中の羽田空港での事故。まさに被災地に向かおうとしていた海上自衛隊の方々の無念を思うと、言葉もありません。乗員乗客が全員無事との知らせには世界中が安堵しましたが、詳細を知れば知るほど、一分一秒を急ぐ過密時間が、根本的な原因の一つであるとしか思えません。なんらかの利益や効率性を求めて、時間にしろ、何にしろ、可能な限り詰め込もうとする姿勢からは脱却しなくてはいけないと、改めて思いました。

どれだけ大都市だろうが、同じ滑走路で離発着が数分刻みで行われるという実態は、もしもの事故が起きないように設定されているとは思えず、過密状況と言い切るしかないと思います。管制官にしろ、技術部門にしろ、パイロットにしろ、安全安心を第一にするには、最低限の心のゆとりが持てる人間的なタイムスケジュールに変えていくべき時が来てるんだろうと思います。

この年明けの出来事を受けて、新年のご挨拶をすっかりしそこなってしまった失礼な自分でした。

新年のあいさつをフランス語では「Bonne Année !」と言いますが、 それぞれの土地の文化があってこそのそれぞれの言語。一つの表現をとってみても、日本語とフランス語ではやっぱり違いがあります。

例えば、日本人にとっての「あけましておめでとう」は、あくまで、新年を迎えたことを喜び祝う言葉であるわけで、新年を迎えてからしか使いません。

一方、フランス人にとっては、相手方に素晴らしい一年を祈るための言葉なので、日本人にとっての年末のあいさつ「良いお年を!」も「Bonne Année !」、大晦日を超えてからの「あけましておめでとう!」 も「Bonne Année !」。日本人が「あけましておめでとう」の後に続ける、「良い年となりますように。」と願うその部分が「Bonne Année !」に相当すると考えた方が、意味としては近いかと思います。

使うシチュエーションは似ていても、言葉のもつ意味は違うということはよくありますね。

そして、日本人にとっては、新年を祝うのが基本的に三が日の間だったり、年明け最初の一週間に限られるものというのが基本で、1月も末になってから年賀状を送ったり、挨拶をするのは少々おかしい、礼儀的に正しくないと見なされることが多いと思います。

けれどフランス人にとっては、1月中だったら、誰か会う人に「Bonne Année !」と言うことに問題はないし、人によっては、その人に会うのがその年で一回目だったら、二月になっていようが「Bonne Année !」というと考えている人も少なくありません。

 そういうわけで、このブログ上で新年のご挨拶をするのが遅れてしまいましたが、フランス式ということでお許しくださればと思います。

皆さんにとって、健康に恵まれて、心穏やかな時あふれる一年となりますよう、お祈り申し上げます。

 


 

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