2024年3月31日日曜日

フランス流「三寒四温」?

気温の上がり下がりが激しいのが、季節の変わり目の時期のモンペリエの気候だと私は思っていますが、寒い日が続いていたこの3月、突然春を通り越して夏が来たのかと思うような日が訪れました。

日々の最高気温が10度から15度の間で推移していたのが、3月18日にいきなり25度を超えたのです!

この3月の最低最高気温が月上旬の9度だったので、「2週間で冬から夏へ飛んだか?」という現象です。しかも3月25日の最高気温は13度になったので、まさにヨーヨー状態。私が「気温の上がり下がりが激しい」というのがどういうものかわかっていただけるかと思います。

以前からこのブログでも、モンペリエでは春と秋の冬を着る機会がないと嘆くことがありましたが、25度になった日の街には、半袖どころか、ノースリーブやキャミソールの女の子が出現して、すれ違う度に私なんかは「ほらほら、やっぱり!」と呟いていました。

でも無理もありません。空は気持ちのいい青空。太陽の光も夏のまぶしさ。

人々はカフェやレストランのテラスに繰り出し、つい最近までの冬空はすっかりどこかに飛んでいきました。

 

 

気温の上がり下がりと言えば、日本では「三寒四温」という言葉がありますね。もともとは、冬の時期に寒い日が3日、暖かい日が4日の7日周期で寒暖が繰り返される現象のことを言っていたそうですが、今の日本では3月とかの春先によく聞かれる言葉だと思います。

フランスにも気温の上がり下がりにまつわることわざがあって、「En avril, ne te découvre pas d’un fil ; en mai, fais ce qu’il te plaît!」という有名なものです。

訳は「4月は一糸たりとも脱ぐな、 5月になったらお好きなように!」という感じで、4月には暖かい日が来るけれど、まだまだ寒い日もあるから、油断して薄着にならないように、という教訓です。気温の現象を語っているのではなくて、代々受け継がれてきた「教え」ですね。

これは本当にその通りで、暖かくなってきたからといって衣替えなど張り切ってしてしまっては失敗のもとです。コートもジャケットもまだまだ手元に出しておくべきだし、セーターだってまだ片付けてはいけません。

夏になってでも、日夜の気温の寒暖も激しい気候なので、軽く羽織れる上着やスカーフは不可欠で、フランスでは脱ぎ着しやすいものがファッションにおける必需携帯品です。

このことわざを口うるさく言ってあげたくなるのが、モンペリエの中高生。この25度になった日のように、青空が出て気温が上がると、彼らはすぐに薄着になります。こっちが長袖でうすいセーターを着ていても、キャミソールでやって来ます。しかも雨がパラつく日でも、天気予報を見て傘を持ち歩くという習慣もない彼らは、ずぶぬれになることもしょっちゅうで、すぐに風邪をひくのです。

この3月の間も、「風邪ひいた~」と言って現れたり、「風邪のため欠席」という生徒たちが続出。顔を見れば、「この前暖かくなったから、また薄着でプラプラしてたんでしょ?」と突っ込む私に、懲りない彼らはエヘッとおどけるだけ。この人たちは寒くならないための対策なんて永遠にしないんだろうなあ。 

日本人とフランス人の間にある文化の違い、メンタリティーの違いというのは、日常のあちこちにあって、こんなにも違うかと、びっくりするやらあきれるやらですが、彼らからみたら、日本人の習慣ににもツッコミどころは満載なわけですから、それが異文化を知ることの醍醐味ですね。

これから春から夏へと小走りで移り変わっていく様子を、またお届けしたいと思います。


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