2022年12月23日金曜日

ノエル色の街

ヨーロッパ諸国には、「クリスマス」を何よりの風物詩として誇る街がいくつかあります。

クリスマスの飾りでクリスマスらしい色といえば、赤や緑の温かみを感じる彩りを想像する方も多いと思いますが、まさにそのイメージに当てはまって有名なのは、やっぱりドイツの各都市のクリスマスでしょうか。各地のクリスマスマーケットが世界的に有名です。東部ドレスデンでは1434年からクリスマスマーケットが続いているそうで、世界最古の一つだそうです。ドイツ近隣の東欧諸国でも、プラハ、ブダペスト、ウィーンなどの街のクリスマスは有名です。その雰囲気を味わうために、毎年遠くから訪れる人々がいるのです。

フランスでも、ストラスブールやコルマールといった、ドイツとの国境に近い街のクリスマスマーケットは有名です。

方や、モンペリエはと言うと、毎年モンペリエ市も市民もクリスマスの雰囲気で盛り上がりますが、日本人がイメージする「寒いけれど暖かい感じのするノエル」とはちょっと違う雰囲気だな、というのが私の印象です。

私がモンペリエに来て初めて迎えたノエルから、ずっと印象に残っているのは、なんと「青空のノエル」なんです。2002年のノエルは、記録に残るほどの暖冬の盛りの日で、クリスマスの食事をテラスで食べたなんてことが思い出に残っている人も多いでしょう。

もちろんモンペリエでも、寒いノエルもありました。雪がちらつくノエルもありました。でも、暖かい色どりのノエルとはちょっと違う雰囲気なのです。

そのため私には、先に挙げたフランスのクリスマス聖地であるストラスブールもコルマールも、果ては東ドイツのドレスデンもプラハも、クリスマスの雰囲気を味わうために、わざわざ電車で北上の旅をした過去があります。現地について感じたクリスマスは、「これこれ!」でした。

こんなことを言いながらも、モンペリエのノエルにももちろん愛着はあります。

連日ご紹介したプロジェクションマッピングのイベントの準備期間の時期から、街のあちこちはノエルのデコレーションで賑わい始めます。

オペラ座では、プロジェクションマッピングのイベントが終了してから、クリスマスツリーが内部に飾られました。小さな子供がいる同僚たちむけに、職員内輪のクリスマスパーティーが毎年開催されるからです。

 


私は参加したことがありませんが、クリスマスツリーの下にプレゼントが積まれ、サンタさんの役を演じる同僚が毎年一人いて、子供向けの小さなスペクタクルも行われて、楽しそうな雰囲気です。

 


 

オペラ座内部のツリーから、窓の外を見下ろしてみれば、そこにはモンペリエ市のクリスマスツリーが見えます。

この日は12月頭でしたが、やっぱりモンペリエ定番の青空が目立っています。フランス国旗と空の色だけみていれば、クリスマスの雰囲気なんて皆無の彩りです。

コメディ広場に設置されたクリスマスツリーは、今年は本物のモミの木が使でした。

 

 

過去にそうではない年も何度かあったので、「あ、今年はモミの木にしたんだな。」と思いながら私が写真を撮っていると、となりにいたマダムがすぐに声をかけてきました。

「あなた、これきれいだと思う?」

私がうれしそうに写真を撮っていたから、皮肉っぽいトーンで声をかけられたのですが、私もすぐに一言。

「なんか温かみに欠けますね。」

そしたら意外と同意見だった私の返事に喜んだマダムは、「そうなのよー!」と応じ、つくづく残念がっていました。


今年のモンペリエ市のノエルは、特に青白いデコレーションになっているのです。



 

キレイはきれいですが、なんだか冷たい、ひやっとした感じがしてしまうんですよね。こう感じる私やマダムは少数派なのでしょうか?

 

恒例のクリスマスマーケットも、とにかく白と青の光が目を引きます。

 


 

すごい人出だったので、マーケットの中には行きませんでしたが、なんだか今年は、「寒いけれど温かい感じのするノエル」から、ますます遠ざかっているように思います。

そんなことを感じながら帰路につくと、少しオリジナルなデコレーションが目に入りました。

 

 

これはきっと市によるデコレーションではなくて、個人によるデコレーションなのだと思いますが、白と青の寒い感じではなくて、たまにはこういう彩りもいいなあと思いながら写真を撮りました。

けれど!やっぱりノエルは、寒いけれど温かみを感じる赤と緑のノエルがいいなあ、と思った日本人の私でした。

もうノエルまで待ったなしですね。

ノエルを祝う人も、そうでない人も、この年の暮れの時期、健康に楽しくお過ごしください。

0 件のコメント: