私にとって年度末の最後の行事というか仕事が、月曜、火曜とで行われた学校向けのコンサートでした。これはオペラjrが主催ではなくて、モンペリエのオーケストラとオペラ座が年間を通して行っている教育的プログラムの一環で、モンペリエ市と周辺の小中学校などをコンサートに招待して、生の音楽に接してもらうものです。そして今回のコンサートがオペラjrによるものだったわけです。このコンサートは去年にもやりましたが、二日間でそれぞれ二回のコンサート、計4回のコンサートを同じプログラムでするのですが、何がつらいって、朝の部が10時で、練習は8時半からするからです。。。朝ゆっくりぐうたら派の私には8時半に仕事場にいなくてはいけないということは一大事。それだけで疲れちゃうわけです。しかもコンサート4回。本番でもまったく緊張することなくリラックスできてる私でも、それなりに集中力とかは高まってるわけで、やっぱり疲れますね。心身ともにエネルギーを費やしているもんなんだ。
今回の会場は音楽ホール総合施設のCORUMの中にある中ホールSalle Pasteurです。ここはよく会議やセミナーにも使われていますが、750席あり、ゆったりとしたソファタイプの椅子で、音響もなかなかよいホールです。写真は前日の練習の様子。
このコンサートのプログラムはミヨーやピエルネといったフランス人作曲家の曲、フンパーディンクの曲、リゲティの曲、ノルウェーの民謡、そして現代女性作曲家のアブルケールの曲で、出演者はいつもの子供たちChoeur d'enfant と、15~20歳くらいの女の子だけのグループPre-Groupe Vocal、そして6歳からのちびっこのPetit Chorale の3グループ合同でした。オペラjrの基本精神として、子供達はいつも原語で、そして必ず暗譜で歌うんですが、今回のコンサートも変わりありません。Pre-Groupe Vocal が歌ったリゲティの曲はハンガリー語でアカペラ、子供たちが歌うノルウェーの民謡もノルウェー語でした。
聞きに来たのはモンペリエの周辺の公立小学校の高学年クラスや中学生。フンパーディンクの曲は「ヘンゼルとグレーテル」だし、ミヨーの曲も子供のために書かれた曲、アブルケールの曲も難しいながらも、歌詞は子供むけの曲。 小中学生にはバランスのとれたいい曲目だったのではないかな?
指揮はヴァレリー。ウラジミールは曲を紹介したりして進行司会係でした。
私は普段、Petit Chorale のちびっこたちとは一緒に練習していないので、接点がありませんでした。でもわんぱく坊主とおしゃまさんばかりの彼らは人懐っこく、中には私のピアノの元生徒がいたこともあったりして、みんなすぐになついてきました。何かと「leonardo ! leonardo !」と手を振ってきます。練習中も私の方ばっかりみてるから、「ちゃんと指揮をみないとだめだよ!」と言いながらピアノを弾いてました。
コンサートが始まっても出番を待つ間はホール内の客席で他のお客さんと一緒に、と決められたちびっこたち。先輩達の練習を聴いてます。
本番での彼らの服装はジーンズに白いTシャツ。ちびっこだって先輩たちと一緒にウォーミングアップをします。
Pre-Groupe Vocalの女の子たちは、いつも私も一緒に練習しているし、もともとChoeur d'enfant にいた子も多いから慣れたものです。このグループは、一番年長のGroupe Vocal のレベルを高めるために選考審査を厳しくしたと同時に、見込みのある子たちを対象にちょっと準備期間のように去年新設されたました。6歳8歳のちびっこと比べるとしっかり大人びたお姉さん達です。今年はあまり大きなプロジェクトがないまま過ぎてしまったけれど、来年度のビッグプロジェクトはこのグループが対象です。
聞きに来たみんなも大喜びで、コンサートはうまくいきました。よかったよかった。
昨日火曜日の私は、このコンサートを終えてから猛ダッシュで音楽学校へと移動して夜まで仕事を続けたので本当に疲れました。そして水曜日はいつも一日中ピアノの先生。そしたら昨日、今日と、ピアノの生徒の中には「leonardo 、昨日コンサートでピアノ弾いたでしょう?」と言ってくる子が数人。生徒本人が学校のクラスと一緒に聞きに来てた場合や、彼らの兄弟が聞きに来て、家に帰って「leonardoがピアノ弾いてたよ!」と言ったわけです。それに私の顔はアジア人なだけに覚えやすいみたいで、昨日、会場に向かって歩いてる私に男の子が寄ってきました。「マダム、マダム、」と呼びかけるから、なんだ?と思って顔を向けると、「あなた昨日コンサートでピアノ弾いてませんでしたか?」と聞いて来るんです。「あ~!君、昨日聞きにきたの?」と聞くと彼はニッコリしてうなずく。「コンサートよかった?」と聞くと「うん!」って答えてくれました。
今日はさっき19時半に帰宅したけど、外はまだまだ青空で明るいったら明るい。だから疲れてるけど、それよりも「バカンスがもうすぐだぞ!」ムードでわくわくしてきました。
さいごにおまけ。
Choeur d'enfant の中にナセルという9歳の男の子がいます。彼はL'Indien des neiges が終わってから参加してきた新人。小さいけどもうコンセルバトワールでピアノを習っているそうで、とにかくピアノが大好きなんだって。毎回、休憩になるとふら~っとピアノの方に寄ってきてうれしそうに曲を披露してくれる。そしてなにやら私のファンになったみたいで、とにかくなにかと私の方をず~っと見てる。それに毎回必ず改まって個人的に「Bonjour, leonardo」とあいさつしに来てくれる。練習中もこっちみてるから目が合って私が微笑むとニッコリするかわいい子。そんなナセルもグランドピアノにはあまり接してないみたいで、今回のコンサートではグランドピアノに夢中。もう離れませんでした。憧れと夢と情熱とって感じでピアノに見とれてました。かわいいちびっこモーツァルト。
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