いつものごとく、ぎりぎりまで旅行の計画を立てずに日が過ぎた結果、モンペリエからパリ経由のドレスデン行きを電車ですることにきめ、モンペリエ―パリ間をフランスの鉄道SNCFで、パリ―ドレスデン間をドイツの鉄道DBで、それぞれチケットをインターネットで買いました。インターネット上で支払い、チケットも郵送で自宅に届くというシステム。日が迫っていたのでちゃんと届くかという不安はあったけれど、サイト上でなぜか他の受け取り方が選択できなかったので、自宅に郵送してもらうことにしました。ドイツはお隣の国だし、と思いながら。。。
しかしそれが甘かった。
ノエルの祝日などをはさんでの日程では、一週間あってもチケットが私の出発日までに届かず、これがもとで大騒ぎをすることになってしまったのです。
出発の前日にチケットが届かなかったことを受けて、私は一応DBに問い合わせのメールをしました。フランス人と違ってドイツ人だからすぐに返事をくれるかな?なんて期待しながら。。。
この日、不便なことに私の家のインターネット環境が悪く、わざわざ街のインターネットカフェに出向いてメールをしたのです。そして一応夜まで返事がくるのを待ちました。
でも、残念ながら返信メールは来なかった。。。
頭の中では、チケットを購入したときの証明書や番号などを持参すれば、とりあえず電車には乗れるだろう、、、と思いながらも、やっぱり確証が欲しかったんです。それならばその時に、DBのサービスセンターに下手な英語でもなんでもいいから電話をすればよかった。それなのに私はAちゃんには電話をしたけど、「たぶん番号とか証明書があれば大丈夫だよ」という意見に同意して、サービスセンターには電話をしないまま、結局モンペリエを出ることにしたのです。
不安には思いながらも、楽しい旅行に出発。
パリに向かうTGVは、モンペリエ7時20分発。まだまだ真っ暗な中の出発です。
こうして地元の駅の写真を撮ってるあたりが、のん気さをあらわしていますよね。。。
モンペリからのTGVはパリのリヨン駅に着きます。
ドイツ国境に向かうTGVは東駅から出ます。普通ならメトロで乗り換えるところを、メトロの悪臭がきらいだし散歩好きな私は、スーツケースを転がしながら徒歩で移動することにしました。何キロあるでしょうか。バスティーユ広場、レピュブリック広場をてくてくと歩いてパリ北側に移動。時間もあったので、すぐ横のサンマルタン運河を見ながらてくてく。
この運河も映画「アメリ」のおかげで人気スポットになりましたね。
てくてく、てくてくと続けて、パリ東駅に到着です。
リヨン駅到着と東駅からの出発の間にだいたい1時間半あったのですが、こうして散歩しながらベストな時間に着きました。が、ここから私の旅行が豹変!
東駅の構内に入って、まずホームにいた駅員さんにチケットが届かなかった話をしました。すると窓口に行って問い合わせるように言われたので、仕方なく列にならびました。
そこで言い渡されたのが驚愕の真実!
インターネットで購入した証明書とか番号はなんの役にもたたないから、今ここでチケットを買うしかないとのこと。しかもしかも、「2等席は満席だから、1等席になります。パリードレスデンの往復で463ユーロです。」
「ええ=??!!463ユーロ??」
私の月々の家賃よりも高いこの金額。ちょっと待って、ちょっと待って、「はいそうですか。」とは簡単に払えませんよ。
ここから一気にパニックになった私でした。まずは友人Aちゃんに電話。そしてフランクフルトのDBサービスセンターに電話。このときやっかいだったのが、私の携帯電話は国際電話がかけれなかったこと。久々のテレホンカードを購入して、公衆電話から電話。でも国際電話のために度数が減っていく減っていく。。。そしてDBのサービスセンターにはフランス語が話せる人がいなかった。。。。「お隣の国だろ~!ちょっとは言葉をしゃべろうよ!」なんて思っても仕方がない。ここ数年使っていなかった英語で必死に状況を説明しました。すると「メールで簡単にチケットが送れる」だの、「FAXで受け取ることはできないか?」だの言われて、今度は駅構内で必死にインターネットできるところを探しました。駅員さんや窓口でも頼んでみたけどだめだった。最後は「駅の向かいの郵便局にいったらできるよ」と言われて走って行ったけど、すごい行列。もうだめだ。。。
仕方なく、最初にいった窓口へもう一度並ぶ。
マダムは「後で払い戻ししてもらえばいいから大丈夫なはず。」というけれど、その「はず」が問題だったんです。「必ず払い戻してもらえます。」と誰かが言ってくれれば仕方なく払うものの、保障がなくては簡単に払えない金額でした。だって、もうすでにインターネット上でモンペリエードレスデンの往復分のために266ユーロを払っていたんだもん。それなのにさらにパリードレスデンのために倍近い465ユーロだなんて。。。
電車の出発時間が迫るなか、このときの私は本当に頭真っ白になりながら究極の選択をせまられてました。この465ユーロのために旅行を断念するのか、もしも払い戻しされなくてもというのを覚悟で旅行を続けるのか。
ドレスデンにいるAちゃんを訪ねるチャンスはこれが最後だったので、旅行をキャンセルするには残念すぎます。そこで「払い戻ししてよ!!!」と祈りながらチケットを新たに購入したのでした。
日がたった今にして思えば、「たったの465ユーロにそんなに騒いで、、、」と思う人がいても驚きません。でも納得がいかなかったんですよね。だって、私がインターネット上で予約した席は、確かに確保されてるんですから。それなのに、1等席のチケットを買って旅を続けないといけないなんて。
仕方なく電車に乗り、リッチマンでもなんでもないのに1等席に座った私。おもしろいことに、DBの1等席では飛行機のようにサービスがあって、軽食やら、新聞やら、ワインなどを持ってきてくれました。
かろうじて写真はとったけど、このときの私は頭真っ白、お腹は痛いわで、とても食べてくつろいでる場合じゃありませんでした。
パリ東駅からドイツ国境を越えて、フランクフルトまで3時間半。この車内にはフランス語をしゃべる車掌さんが一人いたので、彼を捕まえて状況説明をしました。すると彼は「チケットの払い戻しがきちんと行われるように」と言って、私が購入した1等席のチケットの裏側にサインをしてくれました。まだパニックは収まらなかったけど、とりあえず親切な行為でなぐさめられました。
続いてフランクフルトでの乗換え。
DBの窓口なら何かしてくれるかも、と思って列にならび、必死の英語で状況を説明したけど、「インターネットで購入したチケットに関しては何もできません。」の一点張りでした。
で、ここからがまた判断を迫られました。というのも、私がインターネットで購入したチケットの電車は17時20分発で、ドレスデンには22時過ぎにつけるものだったのに対し、パリで購入させられたチケットは18時20分発でドレスデン到着が0時ごろになってしまう。これでは迎えにきてくれるAちゃんにも悪いし、私が予約した席はあるのに、その電車を見送って無意味に一人1時間待つのはもういやだ!と思ったんです。公衆電話からAちゃんに電話する時間もなく、決心した私はインターネット上で予約しただけで、実際に持ってるチケットとは違う電車に向かいました。
今度は女性の車掌さん。乗り込む前に説明したら「わかったわ。」という感じの反応だったので、乗り込んじゃいました。で、乗り込んだはいいけど、Aちゃんに知らせてない。。。パニックのせいで気が大きくなっていた私は(?)、近くの男性に「ドイツ国内に住む友人の携帯電話に20秒だけかけさせてもらえませんか?」とお願いしたんです。そしたら親切にOKしてくれたうえに、感激してお礼を言う私に恐縮するほどの親切さ。この人のおかげでAちゃんに22時過ぎにはドレスデンに着くことが伝えられました。
続いてさっきの女性車掌さん。私の英語はめちゃくちゃなのはさておき、彼女も英語をしゃべらない様子。一応私の言いたいことはわかってくれたみたいだけど、親切にもフランス語をしゃべる乗客をわざわざ連れて来てくれたのです。そこで2人を前に私は自分の心配を説明しました。するとこの車掌さんもチケットの裏にサインをしてくれて、さらには「この乗客は2等の席で旅をしました。」と一言書いてくれたんです。2等のチケットをインターネットで買ったのだから、パリで買わされた分のチケットがスムーズに払い戻されるようにと言って。
ありがたくないパニックでしたが、こうした人との触れ合いは旅のだいご味。
駅の窓口での決まり切った対応は別として、車掌さん、電話をかしてくれたドイツ人、通訳をしてくれたフランス人女性、みんな親切でした。ありがと~。
フランクフルトからドレスデンまでは5時間弱。
お腹が痛かったのも徐々におさまっていき、私は無事にAちゃんと再会することができたのでした。
フランスのSNCFも、ドイツのDBも、インターネットでのチケット購入がすすんでいて、値段も駅の窓口で買うよりもお得だったりするものだから、利用者が年々増えています。ただ、めんどうな落とし穴が一つあるわけです。SNCFなり、DBなり、同じ一つの鉄道会社でありながら、駅の窓口とインターネットでは全くシステムが別だということ。それぞれ相手の管轄には手を出せないというのです。ほんとかな~?なんて怪しんでしまうこの説明。少なくとも日本だったらもっと積極的に客のケアをするとは思うのですが、ここはフランス、ドイツ。日本と同じようなサービスを望んでも仕方がないか。そもそも、一週間あってもドイツからの手紙がモンペリエに届かないなんてね。
でもまあいいです。これからはもっと用心深く、確認を前もってとるべきだということを学ばせてもらいました。と言えるのも、時間はかかったものの、2月末に465ユーロが全額無事に払い戻されたからです。よかったよかった。お騒がせしました。
ちなみに教訓2 : やっぱり英語は大事。しっかり勉強しなおそう。
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