2009年9月29日火曜日

まぬけなもので1年と7か月かかりました。。。

フランスのインターネット事情は、ここ2,3年で急速に発展してきたとはいっても、やっぱり日本よりはだいぶ遅れていると思います。


私はあまり詳しいことは知りませんが、伝達速度が20メガバイトで「高速!」とかいってますからね。
だってこちらはまだまだADSL回線が主流なんです。
私の印象ではフランスの経済市場はここ数年で活発化してきたように思うのですが、電話やインターネットの市場もその代表例。もともとは元公共電話局フランステレコムの独占市場だったところへ、いろんな会社が乗り込んできました。今の三大大手はフランステレコムのオランジュ、SFR、そしてn9ef と言われていて、そこにfree、Alice そして唯一のケーブル配線が売りのnumericable と最近サービス開始した大手電化製品会社のDarty ダーティーの4会社が接戦で健闘しているようです。

各社どこもがそろえてるパックというのが、インターネットと電話とテレビのセットのサービス。電話回線をもとに、インターネット回線と衛星テレビの回線を提供するというもので、これを使うと家庭の固定電話への通話が無料でかけ放題、80チャンネル以上ある衛星テレビが見放題、そしてインターネットもつなぎ放題ということになります。

質の安定度を売りにするオランジュに対し、各社は値段をさげて競争していますが、さしずめ月々30ユーロから40ユーロといったところです。

ケーブル配線のニュメリカーブルだけが30メガバイトから100バイトという本当の高速回線を提供していて、他の各社はADSL回線ですから伝達速度は遅い遅い、、、。

さて、私は今いるアパートに引っ越してきた当初は、ラッキーなことに近所から飛んでくるワイヤフル回線の電波を拝借することができていたんです。それがある日突然使えなくなってしまいました。まあ逆にいまどきパスワード入録も何もなく電波を使えていたこと自体が驚きですが。

で、突然インターネットに加入する必要ができて、最大手の安定度をあてにしてあまり検討することなくオランジュを選びました。以来、私は月々43ユーロ払っていて、私には「高すぎ!」な値段です。

というのも、もともと私が必要としていたのはインターネットだけでした。私は完全にEメール派なので、電話というのは必要最低限しかしません。しかも、固定電話でたくさん電話したい相手というのはいません。そのためこの固定電話かけ放題というのはあってもなくても同じようなもの。

そして全くバカな話がテレビの話。私がここへ引っ越してきたとき、ちょうどフランスでは衛星テレビのシステム普及やデジタル放送の話が出てきたころでした。で、私のアパートでは5つの地上波チャンネルに加え、8つの衛星チャンネルが自動的に入ってきていたので、これだけですでに満足していた私には、なにも80以上のチャンネルを欲しがる理由はなかったんです。で、オランジュでインターネット+電話+テレビのサービスに加入した時、実は機械をテレビとつないでも、うまく作動しなくて何も映らなかったんですが、「ま、いいや。」と思って放ったらかしにしてしまったんです。

しかしある日、自動的に無料で見れていた8つの衛星チャンネルが映らなくなり、そのうえ地上波チャンネルの画像も突然悪くなりました。この時点で大家さんか自治会の人に問い合わせたらよかったんですけど、忙しかったのもあって、また「ま、いいや。」で放ったらかしにしてしまったんです。

結果、私は43ユーロ払ってるけど、使ってるのはインターネットだけ。そしてテレビは80チャンネルないどころか、5チャンネルもあやしいという状態に陥りました。

こうなったらさすがにせっかく機械をもってるのにつなぎもしなければ、テレビも見れないままというのはムダすぎると思い始め、たまに気が向いた時に機械を引っ張り出しては配線を確認し、衛星チャンネルが見れるのかどうか試してみました。

でも、何度やってみてもさっぱり。私は機械に弱くはないから配線を間違ってるはずもなく、普通なら動くべきところがなんにも。なのでこの時点でオランジュに問い合わせをするべきでした。

ところが私はまた「ま、いいや。」と思ってしまったんですね。この衛星チャンネル80以上というのにあまり期待をしていなかったんでしょうね。ここ一年半で3、4回、機械を引っ張り出してつないでい見て、何も映らないからまたしまうということをしました。

ところが最近になってそのことを友人に話すと、「そんなあほなことがあるか。43ユーロ払ってインターネットだけしてていいのか。ちゃんと機能するはずだし、機能するべきだろう。」と言ってあきれられました。まあ確かに普段節約家の私がここで無駄遣いをする理由もない。

私がずっと放っておいたのも、私が頭の中で「どうせフランスのことだから電話してもすぐ対応しなくて、機械をもってこいだの対応時間がどうのだのめんどうくさいことになる。」と思っていたからなんです。問題解決するのに時間がかかりそうなのとめんどうくさそうだったから、それならば「まあ、いいや。」にしておきたかったんですね。

で、やっとのことで重い腰を上げたこの日曜日。

私はオランジュのテクニックサービスに電話をしました。

「あの~、実はですね、私加入して1年と7ヶ月になるんですけど、テレビが見れないままなんです。。。」と担当者に言うと、「わかりました。あなたのパスワードを確認して、機能していなかったら新たに作動させますね。数分待ってもらえますか?」と言われました。で、私は素直に数分待つことに。

電話口では待ち時間の音楽も音声も何もなく、沈黙の数分間。何にもせずにぼ~っと数分間。フランスのこういうお客様問い合わせ番号というのは無料じゃないんです。だから5分、10分とたってきて、だんだん私も「あ~、こうしてる時間も無料じゃないんよね~。」と思い始め、電話口で「もしもし~。すみません~。聞こえますか?」と声をかけ始めました。でも相手は沈黙のまま。

そうこうしているうちに、配線を全部つないでそのままにしてた機械にちょっと変化が。今まで「--」か「1」の表示しか見たことなかったのがいつのまにか「3」になっていた。しかもテレビの画面にオランジュのロゴマークが現れた。

「お!」

と思って時計を見るとさっきから18分経過しています。

「もしもし~。」と声をかけ直すけど相変わらず無言。

彼は「数分」といったけど、数分じゃすまないのはフランスの常。だからこのまま待つべきなのか、彼が待ってといったのは電話口でなくて、テレビの作動に数分待ってといったのか、だんだんわからなくなってきました。が、こういうときに律儀な私は勝手に電話を切ることができない。でもさすがに20分経過したときに電話を切りました。

さっき変化があったテレビ画面ももとの真っ暗闇。でも改めて説明書を読んだら「たまにある一定の時間を要することもあります。」と書いてあって、しかも「表示画面で「1」から「4」と作業の進行具合を示します。」と書いてある。今までこのことに気をつけたことはなかったんですが、さっき初めて「3」が出ていたのを思い出して、変に手を入れずにそのまままってみることにしました。

そしたら!

ちゃんと「4」の表示に切り替わって、そこからパスワードの入録画面が出てきてました。そして順調に作業を進めることができ、奇麗な画像の衛星チャンネルが入手できました。

めでたしめでたし。

普通、言われているのは「80チャンネル以上が見れる。」ということでしたが、何やら私のテレビからは軽く100を超えるチャンネルが見れるっぽい。映画専門チャンネルはもちろん、世界各国のニュース番組なんかも入ってる。これはすごい。これが見れて当り前の契約をしてたのに、一年半以上も利用できてなかったのか私は。。。

そこでちょっとひっかかったのが今回の問題解決。

電話で対応してくれた担当者が私のパスワードを再作動させてくれたおかげなのか、それとも線をつないでから数分間待てというのを私が十分にまたなかったから、何も画面に現れてなかったのか。

もしそうだとしたらちょっとまぬけな話だぞ。。。

ま、そんなこんなでやっと我が家できれいな画像のテレビが見れるようになりました。しかも120チャンネル以上。数日前までのわずか3チャンネルがひどい画像で見れていたというのからしたら画期的な変化です。

ただでさえ日本よりも遅れてるのに、こうしてフランスの標準環境よりも遅れていたとは。ちょっと浦島太郎状態だったことに気がついた私でした。

4 件のコメント:

joku さんのコメント...

はじめまして。先日マリー・アントワネットのオペラを調べていた時にたどり着きました。

自称IT先進国フィンランドにいますが、僕の住んでいる辺りは1メガのネット回線だけに36ユーロ払っています(他に選択の余地がなかったので)。43ユーロでネット+衛星80チャンネルなんて羨ましい限りです。

leonardo さんのコメント...

こんにちはjokuさん。
さっき確認したんですが、私も使っているフランスの普通のインターネットというのは1メガのようです。遅いですよね。
でも確かにフィンランドはIT進んでいるということに世間ではなっていますが、、、。
技術のレベルと商業化のレベルがやっぱり日本とは違うということでしょうか。
住まないとわからないことは多いのでしょうが、フィンランドはじめ北欧の国々は、社会保障の制度、女性の地位、英語教育のことなど、いろんな面で進んでいる国だと私は思っていますがどんな感じなんでしょうか。

ところでマリー・アントワネットのオペラを調べていたということに興味を持ちました。音楽関係の方ですか?マリー・アントワネット関係の方ですか?差し支えなかったらまた教えてください。

joku さんのコメント...

こんにちは。
趣味でチェロを弾いていますが、本職は工芸系です。(日本の知り合いの小学5年生もチェロ弾いてますよ)

France Musiqueのネット配信でC'était Marie-Antoinetteを聴いて興味があったので、調べたところです。

教育、女性の地位、社会保障は確かにしっかりしていますが、歴史短いので文化面に遅れがあります。

leonardo さんのコメント...

jokuさん
お返事ありがとうございました。
ということはモンペリエで行われたc'était Marie-Antoinetteそのものを聞かれたんですね。
フィンランドとモンペリエの距離もなんなく超えてしまうネットの力はすごいですね!