2008年5月24日土曜日

漁師が怒った!ストだ!ガソリンがない?!

フランス人がやたらとストライキをすることは日本でも知られていると思います。しかもその数、その内容は半端じゃありません。5月は春のストシーズン、11月は秋のストシーズンという感じで、先週、今週と、公務員、学校の先生、バスや電車の乗り物関係、もうありとあらゆる団体、職種の人たちがそれぞれ不満を表明して、ストをしています。これはパレードかと思うような大々的なデモ行進はともかく、学校が閉鎖だの、交通手段が一切ない日だとか、みんなに迷惑がかかるストの手段はやめてほしいと思うのは、日本人である私や数少ないフランス人だけなのです。
さてそんな中で、今一番の話題のストの一つに漁師さんたちのストがあげられます。漁師さんたちは自分たちの普段の仕事をストでストップさせただけでなく、港を閉鎖し、タンカーなどで運ばれてくる荷物が港に届かないようにブロックさせてしまったのです。ここまでするからには、彼らの不満、彼らの怒りは半端ではないことはわかりますね。ではなぜそんなにまで怒りが高まったのか?そもそもの話の発端は、実はディーゼル車の原料である軽油の値段の高騰にあるのです。最近日本でもガソリン代がうなぎのぼりで大変なことになってきたことは、私も話に聞いていますが、それはフランスでも同じこと。しかもフランスではガソリンなど燃料にかかる消費税が20パーセントかかってるので、普段からガソリン代は1.4ユーロとかで日本よりも高いんです。それが今回、5月の頭に、特に軽油の値上がりが発表されました。昨年まで一リットル0.4ユーロくらいだったものが、0.7まで上がってしまったのです。まさに倍近い跳ね上がり。漁師さんたちが使う漁船は、この軽油が燃料なんですね。そして、もともと魚の値段がこのところ下がってきていたこととぶつかったために、漁師さんたちは「こんなんじゃやっていけない!」と声をあげ、政府になんとか対策をうつように要求したわけです。
この一連の動きを、私も一応はニュースなどで耳にはしてたんですが、漁船がつらなって港に入ろうとする船をブロックしている様子などをテレビでみても、話題としてフランス北部の港を取り上げていたので、あまりピンときてなかったんです。ところが今週になって、モンペリエでもガソリンスタンドで大変なことになっているという話を聞いて、徐々に心配になってきたんです。軽油がなくなるとか、もうないだとか。でも私の車はガソリン車なので、「leonardoはとりあえず心配しないでいいよ。」と言われたんですが、昨日、ガソリンスタンドの前を通り過ぎてみてびっくり!なんとすごい行列ができてるんです。しかも警察も交通整理にあたってる。。。見慣れないこの光景に驚いて、なんだか石油ショックのときはこんなんだったのか?とか思ってしまいました。聞いてみると、モンペリエ地方で燃料を扱ってる港はフロンティニャンというところなんですが、そこも完全に閉鎖されてしまって、ガソリンが届かない状態だそうです。あらら。そしてタイミング悪く、私の車もガソリンの補給を今日か明日かにしないといけない状態。帰り道で必ず入れて帰らないと、、、と思って立ち寄ったガソリンスタンドが、行列がなくなってるかわりに、「軽油、ガソリンありません。」という張り紙に変わってるではないですか。が~~~ん。遅かったか。。。

仕事に行くのにガソリンがないからといってバスを使うのは大変だなー、と気になってたんですが、幸い、今朝、政府が漁師に対して一時的ではあるけれど補助金を出すと発表したことによって、ストの動きが少し沈静化したとのことで、私も今日の仕事帰りに無事にガソリンを補給することができました。
燃料の値段が高騰したことは、政府のミスというわけではないけれど、こうしていざという時に国を、国民を助けるお金をもってないと、状況はもっと大変なことになるわけで、今回のフランス政府の判断にはとりあえずほっとしました。

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