2008年5月13日火曜日

C'est pas vrai ~ ! うそでしょう~!

先週、私はずっと迷って決めかねていたものを買いました。それは洗濯機!フランスに来て5年半、自宅に洗濯機をもったことがまだなかったんです。手洗いをしていた時期も、隣人の洗濯機を借りてた時期も、コインランドリーを利用していた時期も、今思い返すと私の洗濯環境だけでもちょっとした歴史だわ。
ずっと前から買うべきか買わないべきかで迷ってきたんです。自分の洗濯機が欲しかった理由としては、やっぱりコインランドリーとかの清潔感が怪しいということ。だって浮浪者とかもよく使っているし、何を洗ってるのかわからない人だっている。バスケットシューズを洗う人だっている。それからフランスではかなりの高温で洗濯をする。もちろん多少の選択肢はあるのだけど、清潔感を怪しんでるからなおさら、高温の殺菌作用に期待せざるをえないところもあって、よく悩んだものです。でも実際にフランスの洗濯機では服が傷む傷む。お気に入りの服なんてそうそう簡単には洗濯機にほりこめません。もちろんコインランドリーでは、多様なプログラム機能を使えるわけもなく、デリケート洗濯には選択の幅がありませんでした。
では欲しかったのになぜここまで時間がかかったかというと、まずフランスの洗濯機は妙に値段が高いからです。一流メーカーなんかになるとめちゃくちゃ高い。だからといって二流、三流メーカーにしてすぐ故障では困ります。そして二番目の理由として、あの重たい洗濯機を買うと、この後の引っ越しのときとかめんどうくさいのではないか、、、という心配。ちなみに今の家は、フランスによくある家具つきアパートではなくて、自分で全部そろえなくてはいけなかったんですが、幸い冷蔵庫はキッチン一式としてもともとあったので、買わなくて済んだんです。この点、周囲の人はみんな私の心配を笑います。「だってleonardoは ピアノをもってるじゃん。次引っ越すとき、どのみちピアノは運送屋に頼むんだから、洗濯機もいっしょのことじゃん。」て。そのとおりです。でも、、、。
ま、こうして長い間迷ってたわけですが、だんだんと洗濯するのにふさわしい時間帯にコインランドリーに向かうのも簡単じゃなくなってきて、「身分変更もできたことだし、古い車も売れたことだし、ここらで買うか」、と思って購入を決意しました。

予算的に一流メーカーにたやすく手がでるわけもなく、値段比べもかなり真剣にして、二流メーカーの中で慎重に吟味した末、友人のアドバイスによりスペインのFAGORにすることにきめました。ここまでようやく決まったと思ったら、選んだタイプは実は在庫がもうないとか言われて勢い失ったり、実は我が家の洗濯機用スペースが微妙に小さくて、サイズが心配とのことになり、「あーこれじゃあもう決められないよ~」という状態になったところで、もう細かいことはいいやと、配達と二年の保証が無料サービスで、サイズがゆとりをもてる59センチのFAGORの洗濯機を選び大型スーパー・オーシャンで買いました。
買ったのは先週の火曜日。その時に言われたのは、今週の水曜以前に配達することはできないとのこと。私の都合もあって木曜日に配達を頼みました。そしたら先週の土曜日の午前、私の仕事中に配達屋さんから電話がくるではないですか。「今おたくの家のまえにつきましたけど」って。「えっ!来週の木曜日の約束だったんですけど。。。」と私。「しかも次の水曜までは無理だって言われたから木曜を選んだだけで、もしできるんだったら火曜日にまた来てください!」って頼みました。そしたら「自分は日取り決めはできないから、店と連絡とって下さい。無駄に木曜をまつ必要はないから、大丈夫なはずです。」とおっしゃいました。というわけで、火曜日にランデブーをとりなおし、それが今日なので、いつも朝が苦手な私もちゃんと8時からいつ来てもいいようにスタンバイしていたわけです。

そしたらそしたら予想もできないことが。10時半ごろに携帯電話がなったので、「お、これは洗濯機だ」と思って出たら、それは運送屋ではなくてオーシャンからの電話。「もしもし、あなたがお買い上げになった洗濯機のことでお電話します。FAGORのですよね?実はですね、あのー、あなたの洗濯機は壊れました。」と言う。「・・・・・!!!え?」絶句の私。「あのー、実はですね、倉庫から積み荷作業をしているときに、運送屋がひっぱったらしく、上部が全部とれてしまったんです。。。というわけでこのままではあなたにお届けするわけもいかず、、、。」「は~。。。」もう信じられません。あなたの洗濯機は壊れましたって!ショックと同時にそこまであほみたいなことが起きるんですか?と思って笑えてしまいました。電話の主はそれなりに恐縮していて(フランス人にしては)、「またすぐに注文するにしても時間がかかりますから、あなたも急いでいることでしょうし、店にまた来てもらって、同じレベルの製品だったら多少値段が上でも、同じ値段で買ってもらいますから、一緒に見ましょう。私に言えるのはこれが精一杯です。お待ちしています。」というのです。は~。。。。と思いながら、電話でこれ以上話してもしょうがないと思い、すぐにオーシャンに向かいました。

電化製品売り場の店員さんは一応この事件を聞いていてからすぐに私の対応にあたりましたが、結局、同じレベルの洗濯機ってあまり種類がない。。。しかもあれだけ吟味を重ねて選んだんのだから、他のを選ばなかった理由もあるわけで、「これとこれ」って二つだけ提案されてもすぐに選べません。私が何やら考え込んでしまったから、その様子をみてこの店員さんがいなくなったため、横にいた別の店員さんに質問しようとすると、「彼が戻ってきますから、彼に聞いてください。」と相手にしない。「あんた何もしてないじゃん!」ともちろん思いましたが、これはフランスではよくあること。気をとりなおし、最初の人が戻ってきたから質問したら、今度は「あなたのもともとの担当者はあそこにいますから、彼に聞いてください」と言って、先週私の相手をした店員にまわして逃げて行った。。。結局この店員さんに、「二つ提案されましたが、一つはサイズ的にアウトなんです。」と説明。結局私に選択の余地がないということで、ますます困った。洗濯機とはけっこう大きな買い物。「これがだめならはいこれ」なんて簡単に決断しきれない。思いがけずに困った立場に追わされ、店員の態度にもあきれ、次第に日本人としてのサービスの追及根性がでてきてしまいました。つまり、日本でこんなことがあったら、客といしてはもっと優遇措置を与えてもらえるはずだという考え。それがここフランスでは、「これはあなたが買ったのより30ユーロ高いけれど、差額をサービスしますからこれを買ってください」って感じで、他の提案をしてくれない。そもそも電話では「100ユーロの差額くらいまでなら大丈夫です」と言ってたのに、結局30の差額だけの話。私としては「それがたとえ30ユーロ高くたって、私が欲しかったのはそれじゃない。」なんて考えも根強く、しかもフランスではとにかく思ったことを言わなくてはいけないし、だまっててはだめだし、とにかく言うことによって事態は変わるもの。だからがんばって、例えば保障一年無料追加とか、同じFAGORのが入荷するまで待つから値引きしてとか、とりあえず頼んでみました。でも結果はあっけなく「それはできません。」で終わり。じゃあ結局私には選ぶ余地ないんですね。まあ言うだけ言ってだめなのなら、もう壊れたものは壊れたもので仕方ないですから、「じゃあ、わかりました、、、」としぶしぶ了承。しかもこの洗濯機、配達は来週の月曜になってしまうという。あーあ、わざわざこうして店まででむいて、しかもまた一週間お預け。店員さんは「あなたが土曜日に受け取らなかったから、その洗濯機は次のお客さんのところに行って、次に入荷したのが壊れたわけで、もともとあなたのところに行く予定ではなかったんですよ。」なんて運命論ぶって微笑んでくるけど、口がうまいんだか適当なこと言ってるんだかしらないけど、今日の私の心にはヒットしませんよ、何言っても。。。

ふくれっつらで友人に愚痴をこぼすと、「かわいそうにleonarudo。アンラッキーだったね。でも店員は日本人じゃないからこんなもんだよ。」となだめる。まあ仕方ないよね。日本では「お客は神様」が地でいくような、世界一の客へのサービスレベル。今ここフランスにいる私には得られないものの一つだね。

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