2008年5月1日木曜日

Fête du travail + すずらん

日本ではゴールデンウィークに入ったようですが、こちらフランスでは、今日5月1日はFête du travailと言って、直訳して労働のお祭りですから、日本で言うメーデー、勤労感謝の日ですね。しかしさすがはフランス、日本よりも徹底していて、「誰もが働かない日」なわけです。この日に仕事をさせると普段の倍の給料を払わないといけないとか法律でも定められているそうです。普段の日曜、祝日でさえ、店は閉まってるわ交通機関も本数少なすぎてあてにできないわという状況なのに、今日に限っては本当に何ももなし。バスもトラムも一本も走りません。新聞の発行もなし。唯一例外的に働いているのは、フランス人には欠かせないパン屋さんだけ。パン屋さんを除いたら、まさにフランス中が100パーセント完全な休日なのです。

でもこの5月1日はFête du muguet でもあるのです。Muguet とは白くて小さいかわいい花の名前。そう、すずらんの日なのです。フランス人の間では、この日にすずらんの花を大切な人やお世話になっている人に贈るという習慣があります。そしてすずらんを贈った人にも贈られた人にも幸せが訪れるということなのです。この日が近づくにつれて、街のいたるところでこの花を売っている人をみかけます。町を一歩出てドライブしてみても、道のわきでパラソルひろげてすずらんを売ってる人たちがいます。この時期のスズラン売りに限って、販売の許可などなくとも誰でも売っていいことになっているそうです。
私はフランスに来て6年目にして、初めてこのすずらんの日にすずらんをプレゼントしてもらいました。くれたのは私のピアノの生徒の中でも一番小さなエミリー。ちっちゃくてかわいい子に、小さくてかわいい花を贈られて、ついつい心の中まで微笑んでしまいますよね。言い伝えの通り、すでにこうして幸せが訪れました。




調べてみたら、すずらんて日本原産の花だそうです。時代をさかのぼって中世の時代にヨーロッパにこの花が渡ってから、ケルト人の間では春を告げる花として愛されたといいます。そして16世紀のフランス王、シャルル9世が「幸せが訪れますように」と言ってこの花を贈られたことをきっかけに、今度はこの王様自身が、宮廷中の女性たちに「幸せが訪れますように」と言ってすずらんを贈ったのだそうです。こうして5月1日のかわいらしい習慣が誕生しました。

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