2月22日金曜日はこれまた予定が盛りだくさんの日でした。朝からちびっこ対象のコンサートだったので、きちんと早起き。まあコンディション的にも難しく、そんなにいいできではなかったけど、来てくれた子供や先生は喜んでくれた。「CDは売ってないんですか?」とかまで言われたもんね。
で、11時頃にはホテルに戻り、お昼ごはんをとろうということになりました。会計をまとめるためには、最大でも二手に分かれる程度にまとまっていなくてはいけない。で、ケンタッキーフライドチキンにいくグループと、もう少し野菜とかがある軽食グループとに分かれました。そしたらまた雨。ザーっと激しく降る。私は野菜が恋しかったから、野菜グループに加わっていったのに、結局その店は閉まってた。。。で、私たちもケンタッキーに。フランスにもケンタッキーって進出してきてるけど、グループのメンバーは知らなかった。みんな脂っこそうだとかまずそうだとかケチつけてたけど、まあ仕方ないじゃんね。「私は日本でよく食べてたよー。そんなに悪くないよー。」となだめておいた。
さて、午後の予定は17時にフランス総領事の公邸にいくというもの。だからそれまでは自由時間。それなら最後のチャンスだからと思って、私は街にでることにしました。サビンヌは疲れててホテルで休むというから、グループ最年少のマキシミリアンの監督役を私がすることに。彼は実はまだ14才なんです。Groupe Vocal は16歳からということになっているのだけど、彼は声変わりをしてたことと、小さい時からオペラjrで歌ってる子だということもあって、特別に入会を認められた子。背もぐんぐんのびて、大きくなったと思ってたけど、マキシミリアンはかなりのトラブルメーカー。でも14才となると仕方ないか。彼もアメリカに来てはしゃいじゃってるから、これはしっかり引率してあげないとだめですね。
トラムに向かったら、結局グループの街に出る派がみんなそろってました。
私は昨日のショッピングセンターを最後まで回れなかったからそこに向かうというと、みんなついて来ると言う。「何があるの?」とか聞いてくるけど、私も知らないから様子を見に行きたいんです。。。フレンチクウォーター付近でトラムから降りるとまた大雨。みんなでびしょぬれになりながら、ミシシッピぞいのショッピングセンターに到着。未成年もいることだし、「45分後にここで集合ね!」と約束を決めてみんなそれぞれ分かれる。で、私はマキシミリアンのお供。私たちはゆっくりペースで見て回ってたのだけど、何やら女の子たちがすごい剣幕で、「私たちはもう他のところに行くから!」と走り去っていく。お目当てのものが何もなくて、しょぼいところに来てしまった!と腹を立てたらしい。これを見て私と男の子達はし~ん。。。。。フランセーズの勢いはやっぱりすごいです。。。
確かにこのショッピングセンター広い割にあまりぴんとこなかったけど、それでもおみやげやとかもあったし、GAPもあったから私はGパンとかちょっと見てみた。またも時間が足りなくて買えなかったけどね。
ショッピングセンターからテラスに出ると、雨も止んでミシシッピが一望できました。
このとき、結局私と行動を共にしたのは、マキシミリアンとオリビエとノエ。女の子とたちと違っておだやかなものです。3人とも高層ビルとか見上げてるから、「こんなんで驚いてたら日本に行けないよあんたたち」、とからかいながらパチリ。
三人とも完全なおのぼりさんですね。
総領事公邸に行くための約束は16時でした。大雨でびしょぬれになったことだし、私たちもシャワーを浴びるなどして、身支度を整えました。この総領事行き、聞いていた話によると、なにかのセレモニーの中で、Groupe Vocal がフランス国歌とアメリカ国家を歌う依頼を受けたのだそうです。で、そこにはワシントンのフランス大使もいらっしゃるとか。セレモニーは分刻みでスケジュールが組まれてて、私たちが部屋に入るタイミング、歌うタイミングだとか、シビアな指示がでてたから、何やら政治的で儀礼的な香りがするな~と思ってました。私たちの服装ももちろんしっかりフォーマルでなくてはいけません。みんなコンサートの服装で黒にきめ、普段はGパンのサビンヌも、さすがにこのときは黒できめてきました。
リムジンバスで総領事公邸に向かいます。豪華な住宅地の中で、フランス国旗を掲げてる家を発見。そうですここがフランス総領事公邸。アメリカには複数の総領事がいますが、もともとフランス人が住み着いた土地であるニューオリンズは、フランス文化、フランス語の普及にとって重要な街です。昨年の9月にワシントンに赴任したフランス大使にとって、今回が初めてのニューオリンズ訪問。私たちがたまたま同じ時期に来ていたことから、総領事直々のお願いで、急遽Groupe Vocal が歌うことになったのでした。
私達の到着と同時に、大きな車が玄関前でとまりました。国旗もつけてる車だから、「もしかして?」と思ったらその通り。フランス大使と総領事のご到着でした。
見てみると、中央の年配の人が大使だろうとはすぐわかったけど、となりの人は秘書?って感じでしょう?そしたらこの若い人が総領事本人でした。すぐにデビーがウラジミール、イザベル、そして私を二人に紹介してくれて、挨拶をかわしました。私個人としては、なんだかフランスの国家的なセレモニーの場に、100パーセント日本人の私が紛れ込んでいて、おかしく思わない?と気にしたけど、やっぱり多民族国家のフランスだからこそ、そんなことが気にならないんでしょうね。
「セレモニーが始まるまで、楽にしてください」と総領事さんに言ってもらい、私たちもドリンクとか頂きながらリラックスさせてもらいました。
そしてセレブな香りがする中、みんなで写真とりあいごっこ。こちらはイザベル。
ウォーミングアップもしなくてはいけなかったから、ドアが閉められる部屋に入って準備。そして同時に写真撮影。
セレモニーをスマートにすすめるために、Groupe vocalのメンバーは階段上でスタンバイ。リーダーであるウラジミールを前にパチリ。
セレモニーがはじまると、まず総領事が挨拶のスピーチ。この日招待されていたのは、ニューオリンズの米仏企業の人、フランス語の先生、といった感じで、フランス文化の普及にたずさわる人たちです。中には、ラファイエットでお世話になったアリアンスフランセーズの会長さんと、ミュリエル夫婦も来てました。総領事さんは彼らの活動をねぎらい、お礼をのべ、そして新任のフランス大使を紹介しました。
そして今度は大使のスピーチ。米仏関係の展望、今後の抱負などを述べ、Groupe Vocalを紹介してくれました。
そこでウラジミールもスピーチ。まあ彼も慣れたものです。
この日のセレモニーのメインはなんだったかというと、第二次世界大戦のときに、フランスの民衆をサポートした元兵隊さんに、レジオン・ドヌールという勲章を贈呈するためだったんです。この勲章はフランス共和国から贈られる勲章の中でもとびきりレベルの高い勲章で、現大統領、ニコラ・サルコジの名によって、二人のアメリカ退役軍人に贈呈されました。二人ともかなりの高齢で、奥さんやこどもさん同伴で来てました。勲章を受け取ってから、お礼のスピーチがしたいと申し出た二人。このスピーチが、戦争当時を振り返る内容で、涙ぐむ人がでるほど、感動的なシーンでした。
そしてGroupe Vocal がアメリカ国家とフランス国歌をアカペラで歌いました。アメリカに来てから急きょ頼まれたことでしたが、感動的な雰囲気も手伝ってか、見事に歌い大好評でした。
アカペラだったから、私は階段下の総領事、大使のとなりで聞いてましたが、二人とも予想外によかったといった感じで、たいそう気に入られた様子。特に総領事は涙ぐんでお礼を言ってきました。彼はまだ若そうだし、自分の公邸ですてきなセレモニーができて、感無量だったのでしょう。
セレモニーの後、みなさんドリンクとともにパーティーが続くところですが、私達は20時にコンサートが待っているので、急いで移動となりました。ここで予想もしてなかった大ハプニングが起きたのです!!!
国家を斉唱したあと、若者はそのまま階段を上がり、建物の裏手から外に出てバスに乗り込みました。このときウラジミールは出席者の人と言葉を交わしていたものだから、私がメンバーの一人であるカンタンに、「ウラジミールの鞄も持って行って!」と頼みました。カンタンは「ここにあるの全部ウラジミールの?」と聞いてきたけど、そこには私たちの荷物がまとめてあっただけだと思い込んでいた私は確認もせずに、「そうそう、全部もっていって!」と頼みました。総領事公邸というだけあって、二階部分は総領事の家族の生活の場。この日のセレモニーの会場づくりのために、階段をあがったところには家具とかいろいろ積まれてて、ちょっぴり舞台裏事情、って感じになってました。私達はそこに荷物をおいてたわけです。
みんなバスに乗り込んで、ウラジミールもやってきて、さあコンサート会場であるロヨラ大学に向けて出発!となりました。
みんなセレモニーの興奮がまだ冷めやらぬという感じでしたが、数分してウラジミールが一言。「これ誰もカバン?」
一同・・・・・・・・・・・。
革製の立派なアタッシュケースを見て、メンバーの荷物じゃないことは一目瞭然。「誰かのもってきちゃったんだ!?」と思うと同時に、「大使のじゃないの?!」、「総領事のじゃないの?!」と冷かしはじめました。ウラジミールもギョッとして、みんなが顔を見合わせる中、イザベルがそっと中を見ました。そしたら「総領事のだー!!!」と判明。
一同大フィーバー!!!(笑)
うちら集団こそどろだー!!!
引き返して総領事に直接おわびして届けたいところだけど、コンサートのために時間がない。とりあえずセレモニーの会場にまだいるはずのデビーの携帯に電話をしました。もちろん留守録。でもデビーは私たちのコンサートにも来てくれるはず。「ちょっとしたミスで総領事の鞄を持ってきてしまいました。。。ごめんなさい。。。とにかく丁重に預かってますから。。。。」とメッセージを残す。
私たちがロヨラ大学に着くと、すぐ後ろからデビーが到着しました。そのとき総領事の鞄をもっていたのは私。デビーに渡しに行こうとすると、みんなが「leonardo 走って逃げろー!!」というから、私も悪ノリで反対方向に走り出しました。みんな大ウケ!(笑)
もちろんデビーに渡しましたが、こんなおもしろいハプニングはないと思って、きちんと証拠写真をパチリ。フランス総領事の鞄がleonardoの手に!
このハプニングのおかげで、みんなのムードは大盛り上がり。ちょっとしたウォーミングアップをして本番となりました。
そんなにお客さんはいなかったけど、マスタークラスを受講した学生とか来てくれてました。おもしろい日だったな。
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