2008年10月21日火曜日

別府という土地

温泉街で有名な別府。でも私は行ったことがありません。
日本各地を引っ越しやら旅行で訪れたことのある私ですが、九州だけはよく知らず、熊本に一回だけ日帰りをしたことがあるだけ。

そんな私が、モンペリエに来てからなぜかつながりをもったのが別府という街。実はモンペリエのポール・ヴァレリー第三大学と別府の某大学の間に交換留学の協定ができ、しかもポールヴァレリー大学での私の研究指導教授だったM教授が、この協定を担当することとなったたのでした。M先生にとったら、突然縁もゆかりもなかった日本から、私という学生がひょっこりやってきて、しかも別府の大学との協定にかかわることになり、まさに降ってわいた日本とのつながり。毎年別府からモンペリエにやってくる学生や、モンペリエから別府に旅立つ学生を私にも紹介してくれ、なにかと別府つながりの輪ができたのでした。
この交換留学の協定には、学生だけでなく、先生同士の交換ももりこまれているため、別府大学からは毎年一人の先生がモンペリエに来て、特別講義などをされ、同じようにモンペリエからも先生が一人別府にむかい、特別講義をされるのです。そして学生さんたちと同じように、別府からみえる先生、別府にむかわれる先生にも紹介され、面識を得るご縁をもらったのでした。

今年、モンペリエから別府に行く先生は、美術史のP教授。今から二週間前にM先生を通して、日本でする特別講義で使うパワーポイントの準備を手伝ってくれと頼まれました。正直、このところ時間的に余裕がなかったので引き受けるかためらいましたが、文章の翻訳ではなくて、パワーポイントのタイトルだけだという話だったので、OKすることにしました。P教授は、本人はパソコンに強くないから甥っ子さんに手伝ってもらうと言っていたので、「パワーポイントの準備ができた後で、私が日本語で直接うちこみます」と提案し、連絡を待っていました。この週末で実際にへとへとになったように、この週末はまったく余裕がないとわかっていたのですが、残念ながらP教授から連絡が再度来たのは木曜日の夜。そのため、金曜日にパワーポイントを受取り、昨日月曜日に日本訳を渡すことになってしまいました。だって、P教授は今日、火曜日に日本に向けて出発されるのですから。。。

先生が準備された講義内容は、モンペリエ周辺の歴史遺産と、コンクリート建築の生みの親であるオーギュスト・ペレについての2テーマ。きれいな写真がいっぱいで、私の専門分野とはまた違うテーマに触れる機会を得て、新しい知識を吸収させてもらいました。

余談ですが、モンペリエの街の中でも私の一番のお気に入りの広場がplace de canourgueというシックな落ち着いた広場なのですが、先生のアパートはこの広場に面しており、最上階ながらシックな雰囲気満点の素敵な部屋でした。時々、「私もモンペリエに落ち着く日が着たらなら、住むのはこの広場」なんて夢想にふけってましたが、現実には大学教授さんがもつ部屋ですから、私には無理ですね。。。それに実際には車を所有する必要がある者には、centre villeに住むことはかえってマイナスだし。place de canourgueに住むという話は非現実な夢物語でした。

日本に旅立つということは、P教授にとっても一大事。地球の裏側の言葉も文化も全く違う国に、ひとりで行って、講義などをするのですから。いろいろなワンポイントアドバイスも頼まれましたが、秋といういい季節に旅立つので、「ご心配なく。秋は一番快適なきれいな季節ですよ。」と宣伝しておきました。先生は東京、京都、奈良、広島、宮島、そして別府と周るそうです。

この先生とこうしておしゃべりするのも別府つながりのご縁。
自分の知らない日本の土地に、フランス人を見送るのも不思議な感じでした。
「Bon voyage et bon séjour au Japon, M. P」

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