向かった先はJAM。モンペリエにあるジャズの学校です。フランスのコンセルヴァトワールの中にはジャズ科がある学校も少なくなく、モンペリエのコンセルヴァトワールにもジャズ科があるのですが、こちらのJAMは私立の学校。現役のジャズミュージシャンを多数講師としてむかえ、定評のある学校です。私は以前からこの学校の存在、評判はしってましたが、行ったのは初めて。
毎週一回、世界で活躍するジャズミュージシャンのコンサートが行われていて、時々無料のコンサートもあるのです。
この日、私が誘われたのはモンペリエ在住のヴィブラフォン奏者ミシェル・ムノズ(Michel Munoz)のコンサート。彼の新しいアルバムを記念してということで、入場無料だったんです。
会場に到着すると、落ち着いた年齢層の人たちが集まっていました。私の勝手なイメージで、ジャズの学校のコンサートであるから、生徒である若者がたくさんいて、煙草はもちろん、アルコール、はてはドラッグ系も入り混じっての雰囲気を想像してたんですが、そんな若者はあまりいなくて、熟年層が集まっていました。
話を聞いてみると、このムノズ氏は私の友達の同僚で、音楽学校でドラムの先生をしていて、さらには時々モンペリエのオーケストラのパーカッション奏者として助っ人で演奏しているとか。どおりで本人にあってみれば見たことのある顔で、「ああ、あの人!」て感じでした。
日本でプロのオーケストラ団員と仲良くさせてもらったことはありませんが、大学の先生とかを見る限り、クラシック正統派の人が多かったような印象があります。でも、モンペリエに来てから出会ったオーケストラ団員の人の中には、ジャズミュージシャンとしても活躍中だとか、タンゴのプロだったりする人もいて、いつもその幅の広さに感心します。だって、ただ趣味で、とかならまだしも、彼らはクラシックのバリバリのプロでありながら、もう一つのジャンルでもプロとしてコンサートをしたりCDを出したりしているのですから。
この日のコンサートでは、ムノズ氏の仲間であるドラム、ギター、ベースに加え、ゲストとしてトロンボーン奏者のアンドレ・カナールさんが参加してました。この彼もあいさつをしてみて「モンペリエとアヴィニョンのコンセルヴァトワールの先生」と紹介されて驚いたと同時に、どうも見たことがある顔でした。で、後で話を聞くと、以前はモンペリエのオーケストラ団員だったというではないですか。だからこの人もクラシックとジャズの二足のわらじで幅の広いミュージシャンです。すごいなあ。
コンサートが19時開始と聞いていたのだけれど、会場ではまずアペリティフ(食前酒とでもいえるアルコール)がグラス一杯プレゼントされ、おつまみもそろっていて、みんなおしゃべりでわいわい。
初めて来たJAMのコンサートで、入場無料どころか、アペリティフもサービスでおつまみつきだなんて、なんておいしい話でしょう。「こんなんだったら毎日来ちゃうよ?」とつい言ったら、友達に「こんなの初めての話だから、特別中の特別だよ。」と笑われました。
みんな一杯飲み終えて、いいリラックスモードになったところで、ミュージシャンがステージ上にあがってコンサート開始。

ヴィブラフォンという楽器のプロの演奏を目の前で聞いたのは初めてかも。
全曲ムノズ氏のオリジナル曲でしたが、ヴィブラフォンという楽器の音色からいっても、落ち着いた感じのいい曲ばかりでした。
この日私はデジカメを持っていくのを忘れてしまったので、友達の携帯で撮った写真です。
普段、夕方から夜にかけての仕事ばかりなので、夜の仕事がないときは家でゆっくりまったりする傾向の強い私ですが、久しぶりの外出、いい気分転換になりました。一緒に行った友達は10日間のバカンス中だけど、私は3日間の休日があるだけ。このコンサートでちょっとバカンスらしくなったかな。
ちょっとおまけですが、コンサート会場はもと倉庫だった建物を利用しているようで、天井の高い大きな部屋ですが、天井には綱渡り師のライトがぶらさがっていて、とってもいい味をだしてました。
一目見て「うわ、気に入った!」と思ってついつい人の携帯でパチリ。

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