このところ各地で雨が続いていましたが、今週末にはモンペリエのあるエロー県でもOrage(嵐)の警報がでるほどで、本格的な荒れ模様。フランス内陸部でも雨は激しく降ったようで、一夜あけるとロワール河が氾濫して、あたり一面水につかる大災害をもたらし、南フランス東部にあるモナコ公国周辺では、嵐のために電気がストップしてしまって街がマヒするなど、大混乱の週明けとなりました。
さて、その嵐のすごい風が吹く中、私は久しぶりに仕事のない日曜日を味わうために、友達と映画にでかけました。最近DVD鑑賞が増えていたので、映画館に足を運ぶのはほんとに久しぶり。おめあては、フランスでは数週間前から上映されていた「TOKYO!」。だいぶまえに友達に見に行かないかと誘われ、私が休みになるのを待ってもらっていたのでした。
私はいつも「外国人が日本をどうとらえているのか」を知ることに興味があるんです。
周りの人の間でも、マスコミの間でも、なかなかいい評判のこの映画。タイトルのしめす通り、東京を舞台にして、ミシェル・ゴンドリー(フランス生まれのニューヨーク育ち)、レオス・カラックス(パリ在住)、ポン・ジュノ(ソウル在住)という3人の新鋭映画監督が、それぞれ短編映画を作ったオムニバス映画です。日本でも上映されているので、見に行った人もいるのでは?
この映画を見に行った方、どうでしたか?
私の感想は、、、、。ミシェル・ゴンドリーの映画はオリジナルでハート・ウォーミングでよかったし、ポン・ジュノの映画もいいアイディアでよく練られた映画だと思ったけれど、問題は2番目のカラックスの映画。感想も何も、「はあ?」としか言えませんでした。別に映画の評論をしたいわけじゃないので、いろいろ言うのはやめておきますが、いろんな意味でがっくりでした。時間とか費用とかいろんな意味で無駄遣いなんじゃ、、、。
この3人の映画監督、それぞれみんな日本で生活したことなどなくて、それぞれのもつ情報やイメージをもとに作った映画。それぞれが東京という街に抱くイメージ、東京という街から得る印象、あこがれ、批判、それは人それぞれですが、ゴンドリーとジュノの映画に関しては、日本という国、東京という街について勉強、リサーチをしたうえで作られた感じがするのに対し、カラックスの映画は、ステレオタイプというにもほどがあるくらい、めちゃくちゃな日本像だけで、しかも冗談にしても質が悪すぎて「喧嘩うってんの?」と思いました。ああいう冗談を前に、「このジョークがわからないやつは、、、」とか言う人もきっといるんでしょうけど、私は映画監督というそれなりに影響力のある人が、ああいう適当な情報を発信するのはすごく危険だと思いました。だって、日本をよく知らない外国人の人が見たら、何が冗談で、何がでたらめで、何が本当かわからないのですから、もちろん、「ああ、東京はこんな町か」、「ああ、日本はこんな国か」と思ってしまいかねないのです。
外国人が映画などで日本をテーマに取り上げるのを見る度に不思議に思うのは、こんなに情報量が豊富な現代で、リサーチしようと思えばどれだけでも、徹底的にできるだろうに、日本の文化考証とか時代考証とかがちゃんとできてないのはなんでなんだろうということ。ハリウッド映画とかでも、「それ、日本の服装じゃないし」とか、「それ、他の国と間違えてませんか?」というのがよくありませんか?
改めて、日本という国はまだまだ理解されていないんだろうなと思いました。
経済大国、超ハイテクの国というイメージとともに、「日本」という国名はもちろん世界中に知られているけれど、実際の日本をそれなりに正確に理解している外国の人というのはすごく少ないと思います。親日家の人や、日本にあこがれる人などはどんどん増えているけれど、実際に日本に数年暮らした人なんて、まだまだ限られているわけで、遠い国からの憧れやイメージだけで「日本」という国ができちゃっているような気がします。だって、フランス人が日本と聞いて連想するもの=スシ、ゲイシャ、サムライ、ハラキリ、ニンテンドー、トヨタ、ホンダ、なんてもの。
いいところも、悪いところもひっくるめた本当の日本の姿を知ってもらいたいな~、そんなことになにかで貢献できたらな~と思いました。
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