パリの音楽総合施設であるシテ・ドゥ・ラ・ミュジーク Cité de la Musique でコンサートを行うためです。
ここで二年に一度行われているBiennale d'Art Vocal という合唱フェスティバルのようなものに招待されたのです。招待されたとは言っても、毎晩行われるプロの合唱グループのコンサートの前座のような枠で、毎晩、児童合唱団や若者の合唱グループが入場無料のコンサートを行い、そんななかで、Groupe Vocal が木曜日の夜のコンサートを行ったのでした。
いろいろと内部でゴタゴタがあったために、急きょプログラムの変更により私たちが行ったのは、12月にモンペリエで行った「Musique au Féminin」のプログラム。女性作曲家ばかりを集めたプログラムです。
Cité de la Musique というのは1994年にミッテラン大統領の最後のプロジェクトの一つとして実現した施設で、音楽を普及させるための活動を行っています。内部にはいくつかのコンサートホールのほか、めずらしい楽器などで有名な音楽博物館、音楽図書館などがあります。
サイトの英語版はこちら。
http://www.cite-musique.fr/anglais/Default.aspx
この日、朝早いTGVだったので、10時半にはもうパリに到着。リヨン駅のホームに降り立った瞬間、やっぱりモンペリエは南国だということを実感。だってパリは寒いんだもん!この日はパリとモンペリエの気温の差は10度!Groupe Vocal のメンバーのほとんどは真夏の格好。男の子の中には、ハーフパンツにビーチサンダルというめちゃくちゃラフな格好の子まで。すでに日焼けした顔や真夏の服装が、南からやってきたことを証明していて、パリのメトロで移動するときには「私たち、集団おのぼりさんしてる?」と思わずにはいられませんでした。
Cité de la Musique はla Villette ラ・ヴィレットとよばれる科学産業都市にあります。パリの北西エリア。このヴィレット地区のホテルに一旦立ち寄ってから、お昼をみんなで一緒に食べて、コンサート会場に向かいました。
私たちが着くと、通行証となるバッチをくばってくれたのですが、それをみてみんな大喜び。味気ないバッチではなくて、Groupe Vocalの名前とともに、メンバーそれぞれの名前が刻まれていたのです。これだけで素敵な思い出の品が一つ。
15時からリハーサルを開始。響き具合のチェックや、舞台上のポジションなどを確認して、17時にはもう練習終了。みんな朝からの移動ですでにバテ気味。本番までの1時間半の自由行動ということになりました。
実は私はこのヴィレット地区に来るのは今回が初めて。迷わずにお散歩にでかけました。
まず、Cité de la Musique の向かいにあるのは、「のだめ」で有名になったであろう、パリ国立高等音楽院です。
フランスの音楽教育のトップをいく学校。「のだめ」にあるように世界各国からの学生が来ています。言うまでもなく日本人留学生も多く、今では日本人の教員もけっこういるようです。
このヴィレット地区は、19世紀末には食肉市場として賑わった場所だったとか。当時の市場を改装した建物が、現在は見本市など展示会場などとして利用される La Grande Hall 。
Cité de la Musiqu とはまた別に、Zenithゼニットと呼ばれるポップスやロックのコンサートでにぎわう施設もこのエリア内にあります。
広々とした空間にこうした施設がちらばってあり、散歩道や芝生などがあってとても快適。
この日はとても天気がよく、平日の夕方だけれどたくさんの人がくつろいでいました。
そんななかに、日光浴を楽しむGroupe Vocalのメンバーを発見。本番前というのに、彼らも私もお互いのんきなものです。
お散歩を続けると、ヴィレット地区の真ん中を通っているのがウルク運河に出ます。
このウルク運河の向こう側にあるのが科学・産業都市館。子供から大人までが楽しめる科学発見館のようなものです。その建物前にあるのがこのヴィレット地区のシンボルであるジェオード。
このキラキラ光る球体の内部は、特殊な装置の映画館なのだそうです。いつかまたゆっくりと中も見学したいなと思いました。
こんな感じでざっと一時間のお散歩を終了。このエリアは初めてでしたが、また違った顔のパリが楽しめた感じです。ウルク運河だって映画「アメリ」で有名になったサンマルタン運河とはまた違う風景でした。

リラックスモードのまま、19時にはコンサート本番。私たちのコンサートはホールではなくて、大きな吹き抜けのような空間でのコンサート。合唱フェスティバルの一環ということで、合唱関係者、音楽関係者らしい人も聞きに来てくれていましたが、入場無料ということ、しかも吹き抜けロビーでのコンサートということで、歌を耳にした通りがかりの人たちが寄ってきてくれて、コンサート開始から終わりの間にお客さんは3倍くらいに増えました。
お客さんの中にはオペラjrのOBで現在はパリ在住の子や、「ディドンとエネ」に出演した俳優くんの顔もあり、久しぶりの再会。さらに私にとってうれしかったことに、パリの友人Lが友達のGを連れて聞きに来てくれたこと。Lとは1年4か月振り、そしてGとは2年ぶりの再会。今までオペラjrの話はさんざんしていたけど、実際にパリとモンペリエでは聞いてもらえる機会はそうないし、私のピアノを聞いてもらう機会もないわけだから、今回来てくれてほんとよかった。
みんな気持ちよく歌えたようで、笑顔笑顔。
みんなそろって夕食を食べたあと、お年頃の彼らはパリの夜を楽しむために出かけていきました。
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