2009年7月25日土曜日

モンゴルの風

22日水曜日の夜22時から、ラヴェリュンヌのお城の公園で、モンゴルの民族楽器と独特な歌唱方法で演奏するグループ「Huun Huur Tu」のコンサートがありました。




これもラジオフランスのフェスティバルの一環で、モンペリエの周辺地域で毎晩いろいろなコンサートが無料で行われているのです。



モンゴルのあの二種類の声を同時に出す独特な発声方法、歌唱方法はテレビなどで見たことがある人が多いと思いますが、私も生で実際に聞くのはこれが初めて。

低くてすごく響く声をのばしながらも、高音では別のメロディーを一人の人が歌うのですからとっても興味深い。フランス人にとったらモンゴルというのは全くの異国ですから、この発声方法を以前に聞いたことがあった人はあまりいなかったみたいで、みんな真剣に、そしてあっけにとられて聞き入っていました。





楽器の方も、たいこをはじめとしたパーカッション、笛、そして弦楽器とそろい、4人のミュージシャンが弾いて歌っての演奏をしてくれました。

民族音楽というのは不思議なもので、本当にその土地の風景、土地の空気、土地の色が感じられるのです。彼らの音楽を聞いていると果てしなく広がる草原とそこに吹く風が感じられました。「大自然」を感じさせてくれる音楽なんです。

その点、日本の民族音楽ってお祭りの和太鼓以外、歌にしろ楽器にしろ、どちらかというと街の人々を感じさせるスタイルだな~と思いますがどうでしょうか。

モンゴルの風を感じながら日本の民族音楽を思い浮かべてみたのですが、ピ~ヒャララ系のお祭りの音楽か、雅楽のスタイル化された音楽か、のどちらかしか思い浮かびませんでした。

彼らは民族衣装をみにつけて現れ、「モンゴル草原の音楽」と名をうってのコンサートでしたが、厳密にはロシア連邦の一国であるトゥバ共和国の出身の人だということです。顔つきも体つきも完全にモンゴルの人でしたが、ロシア語を話しロシア連邦の人だというのを聞くと、ロシアという国の大きさと、国土の政治的な区分の仕方の不思議を感じました。

アジア人である私からみたら、このミュージシャンたちはアジア人ですからね。まあロシアという国がそれだけ大きいということにつきますが。。。


この日の夜は気持ちよく吹く風があったのですが、ラヴェリュンヌのお城の庭には巨大なプラタナスの木が茂り、その下でのコンサートでした。

プラタナスの間を吹く風を感じながら、モンゴル草原を感じさせる音楽を聴き、なんともぜいたくな素敵な空間を味わうことができました。

このミュージシャンたちは、もうアメリカでも演奏をしているようですが、今回こうしてラングドック・ルシオン地方を巡演していて、モンゴルの音楽をロシア国籍の彼らがフランス人に聞かせるというのは、国境を超えたすてきな交流だなと思いました。

こんな点でも、このラジオフランスのフェスティバルはたいしたもんだと思います。

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