ヴェンチミリアの街をぶらりと歩き、軽いお昼ごはんにパンを買ってから、駅に戻りました。
ここは国境の駅なだけあって、イタリアの鉄道とフランスの鉄道の車両が見られます。
これはフランスの鉄道SNCFの地方路線の車両。車両には地方の名前と紋章が記されてるんですが、こっちの車両にはモナコ公国の名前が見られました。
独立国とはいえ、モナコ公国はSNCFに共同参加してるわけです。
駅のホームでパンをかじりながら行き交う人を眺めているうちに、私ののる電車がやってきました。
比較的きれいな上の写真の車両とは違って、かなり年季の入った古い列車。しかもたったの2両編成。国境の山岳地帯を走るこの路線は、本数は少ないし車両も少ないということで、中は満員。結局座れない人もいましたが、私は運良くイタリア人の男の子とそのおばあさんの向かいに座ることができました。
この路線はイタリア領土のヴァンチミリアを出発してから、一度フランス領土に入り、テンデtende というところで再びイタリアに入って、イタリア北部の街 クネオcuneo まで走る路線です。冬はスキー場、夏場は山岳ハイキングを楽しむ人でにぎわうようで、この日も完全装備の本格的ハイキングをする人たちの姿が見られました。年齢も様々、国籍も様々。
また、私のようにクネオ で乗り換えてその先のトリノに向かう人もけっこういました。ほとんどがイタリア人旅行客ですけど、わけあってこの路線を選んでる一種の「ツウ」の人たちでした。安いからか、景色が楽しめるからか。
テンデ で再びイタリアに入るまで、線路も通過する駅もSNCFの路線ですが、この路線を運行してるのはイタリアの鉄道Trenitalia。車掌さんもイタリア人で、車内放送もイタリア語しかありません。
私はこの日、イタリアに入る一日目で、私のイタリア語もまだまだ封印されたままで、「すみません」と「ありがとう」と「さようなら」ぐらいしか口から出てこなかった。そのため私はフランス語と下手な英語しかしゃべれない。向かいに座ったおばあさんは徹底的にイタリア語しかしゃべらないけれど、道中、寒過ぎる冷房のことや重すぎる荷物のことなどについてちょっとおしゃべりをしました。
古い車両のくせにフルパワーでかけてくれてる冷房があまりに強すぎて、ついには私が車掌さんに「寒いから冷房止めてくれますか?」と頼むことに。でも、ここでも私はフランス語で、車掌さんはイタリア語の会話です。お互い似ている単語などを頼りに、なんとか相手の言いたいことがわかるといった感じ。
山深いイタリアの街で、おばあさんと男の子は降りて行ったのですが、降り際に男の子が「アリベデルチ!」 (さようなら)とにっこり笑って去っていってほんといかわいかったのですが、それでもまだ私のイタリア語は眠ったままで火がついていませんでした。これが旅をしているうちに徐々にエンジンがかかっていくのだからおもしろいもんです。
イタリア領土に入ると電車は平野部に入っていき、クネオ に到着。ヴェンチミリアからは2時間弱の旅でしたが、私は景色を楽しんでまったく長く感じませんでした。
電車がちょっと遅れたために、私を含め乗り換える人たちはあせりましたが、乗り継ぎの電車が向い側のホームで待っていたからラッキー。問題なく乗り換えをし、電車もすぐに出発しました。
山岳地帯では明るい太陽の光が輝いていたのに、平野部におりてくると見事な曇り空。
進めば進むほど空は暗くなっていき、目的地のトリノについた時は雨。。。
雨の中のトリノ中央駅。
クネオからトリノ からは1時間半の旅でした。
それにしても山越えのコースはよかったですよ。
そうでなければニースからジェノバまで海岸線にそってかなりの距離を走ってから、電車を乗り換えてトリノまでまた山側にひきかえすようなコースが一番主要幹線ですから、スピードは出るだろうけど、かなり大周りになりますから。それはそれで地中海がずっと見れて楽しいんですけど、たまには景色を変えて楽しむのも正解です。
トリノに到着したのが15時半。
駅近くのホテルでチェックインして、雨の中というのがちょっと残念ですが街歩きに出かけました。
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