2009年8月18日火曜日

旅の記録 : Nice ニース

さて、ぼちぼちと12日間のイタリア旅行の記録を始めたいと思います。

いろいろ迷ったあげくに今回も電車で行くことにしたんですが、隣の国とはいえ、モンペリエからイタリア国境までは意外と遠いんです。電車で一番便がいいものを選んでも4時間以上は楽にかかる。そのため、今回はイタリアに入る前にまずニースに寄ってみることにしました。

世界的観光地のニース。そのせいもあってか、私はあまり興味もなく、あまり惹かれない街。一度だけ用事で行ったことがあるのですが、市内をゆっくり回ったことはなかったんです。

でも唯一、以前から行ってみたいと思っていたところがありました。それはシャガールの美術館。日本人に人気がある画家の一人ですね。

スーツケースをひきずる弱い腕を痛めすぎないように、駅前のホテルに泊まることにして、ニースの半日観光をしました。

こちらがNice Ville の駅。



シャガールの美術館は、線路をはさんで海とは反対側の高台にあります。
バスでもいけますが、私は断然歩き派。
東京の下町を思い出させるような坂道をあがっていきました。




高台の一帯はシミエという閑静な高級住宅地になっていて、入口にマルク・シャガール国立美術館があります。



入場券を買おうとしたら、なんとラッキーなことにこの日は入場無料。
フランスでは国立の美術館では毎月最初の日曜日が入場無料なので、きっとそのおかげ。



実は私が美術館に行くのは数年ぶりでとても久しぶりのこと。
でも入ってすぐに、来て大正解だと思いました。
白い壁のシンプルな内部に、シャガール色が広がっていましたから。

シャガールの青。

シャガールの緑。




シャガールの赤。




シャガールの黄色。

壁のモザイク画。見学者はガラス越しにこの絵を見るのですが、最初から自然な太陽の光の具合も計算に入っており、池に反射して見えるモザイク画のことを考慮してあったそうです。


そして音楽をする者にとってはあこがれの空間がこのホール。シャガールのステンドグラスを通って入る光が、なんとも言えない魔法のような青を作っています。

私は以前に友達からこのホールの存在を聞いていたから見逃さずにすみましたが、休憩スペースの裏手にひっそりとあるので、これから行く方は要注意。


このほか、絵や直筆の手紙などが展示されていて、シャガールの人生について知ることができました。

本当に来て大正解。

じつはこの美術館からもう少し行った同じ地区内に、マティスの美術館もあるのですが、時間的なことを考えて今回は断念しました。

他の見学者が次々とバスに乗り込むのを横目に、私はてくてくと歩いて海岸線を目指すことにしました。

モンペリエでは見ない、なにやらゴージャス感ただよう建物がいっぱいです。


大通りをずっと下って行って、15分ほどでガリバルディ広場に出ました。

この広場から海岸線の間にあるエリアがvieux Niceとい呼ばれる旧市街地です。
私にとっての第二の目的地はここでした。
足を踏み入れてすぐに実感。まるで京都の錦通りみたい!

錦通りのおつけもの屋さんのように、こちらには香辛料の店などがあります。
ニースの街は1860年にトリノ条約でフランスに併合されるまでは、イタリアのサルディニア王国の街でした。そのため、旧市街の街の色はイタリアの色。肌色やベージュ色といった暖色系の色が壁を彩っています。
旧市街地の街並みを楽しんだ後、私が目指したのは私の旅行ではお馴染み、「町で一番高いところ」でした。
海岸沿いの丘の上に、昔のお城跡地が公園となってあるんです。そこに行くには丘の裏手である旧市街地からひたする階段を昇るか、海岸側にある便利なものを使うかの二通り。
足が痛くなってきた私が選んだのは、海岸側の便利なもの。
それがこちら。
Ascenseurと書かれていますが、これはエレベーターのこと。
0.9ユーロ払ったら、エレベーターが丘の上まで運んでくれるんです。
お年寄りやハンディキャップをもった人のためにはとてもいいアイディアですが、私のような無精者も多いもんです。
エレベーターから出て海岸を見渡すとこの景色。
ニースの街が見渡せます。ニースのおもしろいところは、町とビーチが一体となっているところでしょうか。
この高台の公園は、ニース市民のいこいの場所のようです。子供向けの遊具もたくさんありました。
ニースの歴史は古代ギリシャ時代までさかのぼるようで、当時「ニカイア」と呼ばれる人々が交易をおこなっていたのがこの土地で、それがニースの街の名前の由来となりました。
このお城跡の場所には、紀元前から要塞のようなものが築かれ、中世にはお城が立てられ、ニースの街といえば、このお城と城下町である丘のふもとの旧市街地だったそうです。以来、プロヴァンス公爵、サヴォワ伯爵などが住む城として栄えました。
丘からビーチとは反対側の景色はというと、こちら。
ニースの港です。
リッチなヨットが並ぶこの港周辺もハイソな高級エリアです。
私が数年前に用事でニースに来たというのは、実はこのエリアに住む、とある作曲家の奥さんに会うためでした。今思い出すと、ずいぶん昔の話のようで懐かしい。
この日は天気に恵まれ、青い空と青い海、ニースらしい景色がみれて大満足でした。
上りはエレベーターで楽をした私も、下りは階段で下りました。
この丘を利用してジョギングする人もたくさんいるようで、汗をかきながら階段を走って上ったり下りたりしている人を見ていると、まだまだ若いくせにエレベーターを使っているような人との体型の違いはこういうところから生まれるのだなと、妙に納得してしまいました。
ビーチで楽しむ人たちを見ながら、ニースと言ったらここという場所「イギリス人の散歩道」まで行きました。
この時点でもう18時は過ぎていましたが、まだまだたくさんの人出で、ゆっくり散歩する人、サイクリングする人、ローラボードやスケートでスポーツする人、べンチに座っておしゃべりする人などなど、みんながそれぞれの夕方を過ごしていました。

私はショッピングエリアをぷらぷらと歩きながら、ホテルに戻ることにしました。




この町で感じたことは、シーズンがシーズンなだけに、本当に世界的観光地だということ。街を歩いていて耳に入ってきた言語の数は知れず。。。
やっぱりモンペリエとは全然違う雰囲気ですね。

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