最近、なにかとイタリア語のことばかり言ってましたが、やっぱり外国語として一番必要であり、便利なのは英語。
モンペリエに来てからずっと、フランス語の上達のためになることを最優先で考えてきましたが、やっぱり英語は世界で通用する一番の言語。
親の教育方針というか希望もあって、私はかなり小さい頃から英語には親しんで触れてきたので、発音は相変わらず適当だったけど、中学、高校の英語教育プラスアルファ的なものもあって、旅に出た時に必要最低限はまかなえていました。英語をマスターしてたり、得意な人に比べたら全然だめで、思いっきり関西弁発音だけど、自分では旅行会話ではそんなに困らないという感じでした。
しかし、ここモンペリエでフランス語に専念して数年が過ぎたために、低下してしまった英語力というのはみるもあわれなもの。
衝撃を受けたのは数年前、「星」=「star」すら出てこなかったとき。「エトワールは英語でなんだったっけ?」という疑問に頭を悩ませたんですね、私。「スター」なんて、もう日本語化しているというのに、、、。
こんなことでは「昔はフランス語よりも英語の方が話せたけど、、、」なんて言い訳すらもうできない。なんとかしなければ!という思いが芽生えました。
でも、フランス語を上達させるということが優先であることはずっと変わらない。一つの外国語を使って生活している中で、その言語はますます磨いていかなくてはいけなくて、、、という環境の中でさらに二つ目の外国語を勉強することはそう簡単ではありません。
特に英語とフランス語では綴りは似てて発音が違う単語とかが多くて、こんがらがってしまうんですね。
そもそも外国語習得というのは、進めば進むほどまだ足りないところなどが目につき、目標は高くなるものだと思います。要するにゴールがないのです。外国語習得のゴールを自分の母国語を操るレベルと同じところに置いてしまっては、ほんとキリがないのです。
そこである日私は考えを変えました。「しょせん、フランス人と同じようにはしゃべれなくて当たり前なんだ。」と。
私は幸いフランス人社会の中に入ることができて、日々接するのはフランス人だけという環境に身をおくことができました。おかげで私のフランス語も上達してきたわけですが、フランス人としゃべってると自分のフランス語のレベルが超低く感じてしまうわけです。そうして凹むこともよくありました。
でも「フランス語のレベル」というのを、「外国人が話すフランス語」という見方でレベルがはかれることに気がついたわけです。そうなると私は外国人。「外国人のわりに、まあ結構操れてるんじゃない?」と思えばいいんだと気がついたわけです。
まだまだ完璧には程遠いレベルだけど、初めてフランス語を習った日やモンペリエに来た日のレベルと比べたら、ずっとかずっとかましになってるはず。
そう思えるようになったのが、フランスに来て7年目のことでした。
時を同じくして、オペラ座で仕事をする機会が増えていき、インターナショナルな顔ぶれとコミュニケーションをとらなくてはいけないことがありました。
オペラの世界では、皆、フランス語か、ドイツ語か、イタリア語ができるのが普通です。でもやっぱり中には、しっかり発音できて歌えるけど会話はできない歌手とかがいるもんです。
一年半前に出会ったイギリス人歌手がそうでした。すると、スタッフは英語で彼とコミュニケーションをとらなくてはいけません。
ここでちょっと話の脱線。
フランス人の外国語能力というのはとっても低くて有名です。よく日本人観光客が、「パリでフランス人に英語で道を尋ねても答えてくれない。」だの「フランス人はフランス語しかしゃべってくれない。」と言うのを耳にしますが、はっきり言ってそれは単に「彼らは英語がしゃべれない。」からなんです。
日本人の平均的英語能力を私は知りませんが、北欧の人やドイツ人の英語能力を皆さんはご存知でしょうか?私は24歳の時に、彼らがまるでバイリンガルであるかのように普通に英語をしゃべるという実態を目の当たりにして、ショックを受けました。「英語を上手にしゃべる。」とかいうレベルじゃないんです。本当にバイリンガルレベルなんです。
そうなるように教育システムが整えられているんでしょうね。あれにはほんと参りました。衝撃を受けたし、感心します。
で、方やフランス人の英語レベルは、はっきりいって低いんです!
どんだけ低いかって、「ぷぷぷ。あんた私と同じレベルやん!」とからかえてしまうほどのレベルなんです。発音だって関西弁発音の私と同じか、さらにはもっとひどい!
そこで「他人のふり見て我がふりなおせ。」じゃないけど、「私ももうちょっと英語をましにしたいな~。」と強く思うようになったのでした。
特に私の場合、音楽をしてきたおかげでやっぱり耳だけは抜群によく、フランス語にしろ英語にしろ、相手がナチュラルスピードで話しても、かなりの部分が聞き取れるんです。そのため、私が的確にあいづちをうったり反応をかえすのを見ると、相手は私はちゃんと理解してると判断してくれるんですね。で、悲しいかな、いざ私が話し出すとそれはとってもスローリーで情けない英語になるわけです。
だから私のヒアリング力とスピーキング力のレベルの格差をなくしたい!という強い欲求がうまれました。
以来、「やっぱり英語をもう一度勉強し直してとりもどさな~、、、」と周囲の人にぼやくようになって早一年半。
このまま「言ってるだけで終わり?」のパターンに陥るのかと思いきや、ついに、英語力回復、英語ブラッシュアップのために行動をおこしました。
実は、前々から私には英語ブラッシュアップの方法、計画があったんです。
というのは、私にはアメリカ人とフランス人のハーフのリザという友人がいます。彼女のママがカリフォルニア出身のアメリカ人なのですが、彼女は大の音楽好き。長年ピアノを習い、ギターもしたことがって、今はチェロに夢中になっている彼女。数年前に退職して、今は趣味の充実に生きるといった感じで音楽三昧。そんな彼女となら、ピアノレッスンと英語のレッスンの交換レッスン、あるいは私がピアノ伴奏でチェロの練習相手をすることもできる。リザもこれなら彼女も大喜びでOKするはずだと言ってました。
だから要は話をつめて実行するだけだったんですね。
私が重~い腰をあげて、彼女と実際にこの話をしてまとめたのがこの7月のこと。
そしてイタリア旅行でも、やっぱり英語が国際公用語だというのを痛感して帰ってきて、バカンス明けをまたずして彼女に電話。先週、交換レッスンの第一回目をしたんです。
私が生い立ちや身の上についてちょっとしゃべり、彼女が間違いを直したり、ワンポイントアドバイスをくれたりして50分。
何がいいって、彼女はフランスに来てから高校の英語の先生をしてたんです。だからプロ。
私の方もピアノのレッスンとチェロの伴奏をしてあげて50分ほど。私だって一応プロ。
だからお互いにとても満足のいく交換レッスンができました。
やっぱりネイティブの人と話すというのはいいですね。
フランス人が日本語を習い始めるといかいうのとは違って、ひと通りの文法は習ってきたわけで、あとは忘れてしまっていることを思いだしたりしながら、ひたすら実践で慣れていくのみ。
二週間に一回とかのペースでしっかりとやっていけそうです。
私が自分で家でできることとして彼女が勧めてくれたのはやっぱり映画を英語で見ること。しかも英語を聴きながら英語の字幕をみて確かめるといいと言ってくれました。
実は映画好きの私は、DVDを見るとき必ずオリジナル言語で聴き、フランス語の勉強のためにフランス語字幕をつけて見ていたんです。
が、これを機に、英語の映画は字幕も英語にすることにしました。こうすることで100%英語の世界に入れますもんね。
私が今までしてたことは、やっぱりフランス語上達のためにしかなっていなかった。
今後はフランス映画はフランス語字幕で、英語の映画は英語字幕で見ようと思います。
しようしようと思っていたことをようやく実行に移せて、ちょっとすっきりした私です。
次はイタリア語もしっかり実行あるのみ!
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