
先日の記事にもしたように、ガブリエル・フォーレGabriel Fauré は私にとって特別な思い入れのある好きな作曲家。その彼の音楽だけでのコンサートに参加するなんて、私にとってはうれしいことでした。必要な集中力やエネルギーの面ではそれなりの消耗があるものの、練習中も本番中も「やっぱり彼の音楽が一番や。」と思えてしまうのだから幸せな仕事ですね。
プログラムはこちら :
混声合唱
La Pavane 有名なパヴァーヌの合唱付き
Cantique de Jean Racine ラシーヌ雅歌
Madrigal マドリガル
Les Djinns ジン
女声合唱
La Messe des pêcheurs de Villerville からの抜粋で Gloria, Sanctus, O Salutaris
Le ruisseau 小川
そしてソリストがフォーレの歌曲を歌いました。
Le secret 秘密
Le papillon et la fleur 蝶と花
Les rose d'Ispahan イスファーンのバラ
Au bord de l'eau 水のほとりで
Après un rêve 夢のあとで
そしてソプラノとメゾのドゥオでPuisqu'ici-bas toute âme この地上ではどんな魂も
火曜日は中学校などのクラス向けのコンサートで、水曜日の夜が一般向けのコンサートでした。水曜日はおかげさまで完売満席御礼。この日はワイン製造農家のストライキが派手におこなわれていて、コメディ広場では大砲のような号砲の音が連発して穏やかでない空気だったんですが、私たちはフォーレの音楽一色。
お客さんの到着入場が遅かったせいか、コンサート開始は予定時刻を大幅に過ぎて19時20分ごろとなりました。
Gropue Vocal のメンバーは15歳から24歳。男の子9人と女の子15人。去年「ディドンとエネ」をやった世代です。メンバーに加わってまだ3カ月の子も2人いましたが、他のメンバーはもう数年前からオペラjrにいる子たち。そのかいもあって、Groupe Vocal はここ2,3年で質がぐっと向上しました。
音楽的に難しいフォーレの音楽というのは若者にとってとても難しい曲目です。でもメンバーみんなも「c'est beau.....」(美しい、、、、)と心底感じる音楽でのコンサートは気持ちがよく幸せなこと。
フランス語のbeauとかbelleって言葉は訳せば美しいとかきれいなとかって言葉になりますが、音楽に対して使う場合、うまい日本語訳があまり見つかりませんね。。。
今回、何がよかったかというと、一曲一曲が終わるたびに、会場のお客さんが「c'est beau....」と思って熱心に拍手してくれているのが感じられたこと。音楽自体の質とメンバーの歌の内容でみんながうっとり別の世界に入っているのが感じられました。フォーレファンの私としては大満足。
「軽くてきれいな音楽」と片付けられがちなフォーレの音楽ですが、今回のコンサートのおかげで、若者も大人も、アマチュアの音楽ファンもプロの音楽関係者も、みんながフォーレの音楽の上質さに改めて気がついたんじゃないでしょうか。
私がなんでそんなにフォーレが好きかというと、彼はわざとらしく効果を狙った派手なものを好まなかったのですが、そこがしっくりくるんです。音楽の世界にはテクニックの超絶技巧をひけらかすための曲とか、ドラマチックな効果をこれでもか~と狙った派手な曲とかたくさんありますけど、そういうのが好きな派手好みの人もいれば、地味で控えめだけど中身があるぞってのが好きな人もいるわけです。
コンサート終了後、聞きに来てくれた人達がみんなして「c'était vraiment beau !」と言ってくれました。アマチュアの人だけでなく、プロのミュージシャンや音楽関係者も「c'était vraiment beau」とか「c'était très fin」(上質、洗練されたの意味)と言ってくれて、私は満足感無量。
いつもコンサート後に「よかったよ!」といった言葉はよくもらいますが、こんなにも皆が口をそろえて「Beau」という言葉を使うのは意外とありません。本当に音楽美にあふれていたんでしょうね。
フォーレファン万歳!
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