もともとはポップス、クラシック、ジャズを全部ひっくるめて行われていたのですが、1994年にはポップスとは分けて、Les Victoires de la musique classique が作られて、クラシック音楽とジャズを対象とするようになり、さらに2002年にはジャズ部門も独立して今日に至ります。
さて、クラシック音楽を対象とするLes Victoires de la musique classique では、器楽奏者、室内楽グループ、オペラ歌手、作曲家などそれぞれのアーティストや、CDアルバム、DVD、オペラ公演、音楽スペクタクル、世界初演の作品などいろんなカテゴリーがあり、基本はフランス国内での活動を対象としているのですが、インターナショナルレベルのアーティスト、またはフランス音楽に貢献した海外アーティストとかも選ばれます。
これまでにこのブログで名前がでたアーティストの中にも、過去の受賞者が結構いたりしますが、なんといっても、オペラjrの子供たちが参加したオネゲル作曲のオラトリオ「火刑台のジャンヌ・ダルク」の公演を録画して発売されたDVDが、2008年のDVD部門の受賞を受けているのです。
当時、私も子供たちを含め、制作にかかわったということで、このDVDをプレゼントされたんですが、やっぱり選ばれただけあって、完成度の高い舞台です。演出はこのブログでおなじみのスカルピタ氏。実際にこの作品は上演されることも少ないことはあるにしても、オネゲルの作品自体が傑作だと私は思うし、このDVDは一見の価値はあると思います。日本でも興味のあるかたがかなり購入されている様子を結構みかけます。お薦めします!

さて、前置きがながくなったのですが、なんで今日この話題なのかというと、実はLes Victoires de la musique classique の2010年バージョンが、二週間後にここモンペリエのCORUMで行われ生中継でテレビ全国放送されることになっているのです。
ブログでもおなじみのCORUMの大ホールBerlioz が会場なのですが、フランスを代表するクラシックの音楽アーティストが勢ぞろいするだけでなく、地元としてモンペリエのオーケストラとオペラ座の合唱団、そしてなんとオペラjrの子たちが出演するのです。この話は11月ごろに急きょ決まったものなんですが、ただ並んで歌うだけではなくて、ここはオペラjrらしく演出振付をつけて舞台上で歌うことにしました。
若者のグループGroupe Vocal が中心となるのですが、やっぱりテレビ効果のことを考えてテレビ局サイドからの注文にしたがって、一番ちびっこのLa petite chorale と子供グループLe choeur d'enfants からも数人ずつが選ばれて、只今合同練習に取り組んでいます。やっぱりこういうイベントもので子供というと、ちびっこの存在が大きいわけですね。
実際、16歳から25歳の若者グループの中に12歳くらいの子たちが入るだけでも子供らしいのに、さらにそこに8歳の子が加わるとそれはそれは小さくってかわいいのです。テレビ局がねらってる効果もわかります。
さて、オペラjrが演奏するのに選ばれた曲は、私たちが11月末にしたフォーレのコンサートから「パヴァーヌ」。そして演出振り付けを担当するのは、オペラjr今年最大のプロジェクトであり4月公演予定の「アマルと夜の訪問者たち」で振付アシスタントを担当しているジスレンヌ。残念ながら、モンペリエ・オーケストラが伴奏を務めるので私はなんにもなし。準備練習だけに取り組んで、本番はテレビで見るか、会場で見せてもらうか。
舞台に慣れているオペラjrのメンバーとはいっても、今年から加わった新人メンバーも多いし、フランス人ならだれもが知っている有名な番組に生中継出演というのは誰でもドキドキ。特に、テレビというのは大きな舞台の上で演技するのと違って、カメラがズームとかするので、顔を大写しにされる可能性もあるという点が大きな特徴。
振付、演出する側にとっても、舞台上の全体の構成だけでなく、クローズアップされる場合のことにも配慮しないといけません。
これには私たちもちょっとドキドキ。
また、彼らが着る服装のことでもけっこうもめています。大まかな線では、若者、子供らしい恰好ということで合意していて、さらにオーケストラのミュージシャンたちが全身黒で、その前、舞台全面でオペラjrは歌うことになっているので、元気な色をつけたいということまではいいのですが、テレビ映り、舞台照明のライトへの反射のことなど配慮しはじめると、これまたデリケートな問題で話し合いが続いています。モンペリエのとある服屋さんがスポンサーに名乗り出たとかいう話も。
一体どうなるんでしょうね!?
テレビ番組の生中継なだけにタイムキーピングもかなりデリケートな問題です。
曲のカットについてという大事な決定についての交渉が、つい3日前に始まりました。もう本番2週間前なのにね。。。
そして練習はというと、セレモニーの前日に45分だけオーケストラとの合わせ、そしてもう45分が舞台上でテレビカメラとの調整のためにリハーサルにあてられます。それだけ!
これにはかなりドキドキです。指揮者がどんなテンポで振るかもわかってないわけですし、それによってはタイムキーピングも変わってきてしまいます。まあ、テレビ局のスタッフもプロなわけですけど、こっちはプロではない若者と子供をかかえているのでちょっと心配です。
それにしてもここ数年でオペラjrは大きく成長して、フランスの音楽業界ではすでに認められた存在となりつつありますが、今回のテレビ出演はまたさらに知名度を上げる絶好のチャンスです。
フランスに住んでる方、または日本からインターネットでこちらの番組が見れる方、放送は2月8日月曜日の20時半からFrance 3上での放送です。番組自体は3時間くらい続く長丁場ですが、オペラjrの登場は21時から21時半の間ごろのはず。
興味のあるかた、ぜひ見てみてください!
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