CORUMには金曜日の午後からテレビやラジオの関係者が現地入りしています。トラックもいっぱい。
2月8日の月曜日20時半からテレビFrance3 とラジオ France Inter で放送される3時間に及ぶ番組で、つまり3時間に及ぶコンサート&セレモニーなわけですが、リハーサルは今日と明日の日中のみ。分刻み、秒刻みで舞台進行をこなさないといけないわけですから、時間との戦いです。
この日、オペラjrは舞台上での練習時間50分を与えてもらいましたが、これがとっても大事。指揮者とは金曜日の夜に顔合わせをしてありますが、このリハーサルで初めて指揮者とオーケストラがそろっての演奏となり、初めて実際に会場、舞台を確認できて、音響はもちろん、舞台上のスペース、位置関係のチェックができました。しかもこれが最初で最後。
舞台裏は中継のために映像と音声のスタッフが、それぞれモニターとともに並んでて、ホールの客席側もテレビ番組なだけにいつもとはちょっと違う雰囲気。客席に向けてたくさんの大型テレビが並んでいました。
私たちのリハーサル前は、招待指揮者としてエルヴェ・ニケ氏がモンペリエのオーケストラを指揮して、去年モンペリエ・オペラ座で「アーサー王」で演出を行った人気お笑いカップル、「シャーリー&ディノ」で有名なCorinneとGillesの二人と共に「指揮者に挑戦!」的なお笑いの場面の打ち合わせをしていました。お笑いとバロック音楽、クラシック音楽ファンと興味がない人なんかをひきあわすことができて、ニケさんとジルとコリンヌという意外な組み合わせは今や成功例。彼らの「アーサー王」はDVD発売もされて好評だとか。今回のVictoires de la musique にとっても、この3人はモンペリエとテレビ業界をつなぐ、うまい接点となったわけです。
続いてモンペリエ・オーケストラのヴァイオリン奏者であり、私の恩師ニコ氏の息子であるルトヴィク氏が、なにやらオリジナルで原始的な楽器をもって登場。ハープと長いパイプホルンを伴奏にサン=サーンスの「白鳥」を演奏。どこから音が響いているのか不思議な楽器から出る不思議な音色に会場に居合わせた人は魅了されました。
このルトヴィク氏はクラシック音楽の演奏はもちろん、タンゴ音楽でも熱い演奏をしてくれるし、今回はこんな秘密特技まで披露してくれて、もしかしたら一躍時の人になってしまうかも!
さて、ニケ氏がからんだシーンの練習が終わり、舞台袖ですれちがって挨拶。
「元気?次は君が指揮する番かい?」なんて軽口を言われて、「違いますよ~。客席で見るだけですってば。」と返す。
こうしていよいよオペラjrの順番となりました。
会場内にはおえらいさん方がそろっています。
はっきりいって、テレビ局側、セレモニーのプロダクション側の人たちは、オペラjrというのがどんな団体なのかよくわかっていませんでした。単に「子供や若者が歌う」というのを予想していたようですが、オペラjrが舞台に登場して振付や動作とともにフォーレの「パヴァーヌ」歌いだすと、会場の注目が一気に集まりました。こういうとき、空気が変わるのがよくわかります。
インタビューをするためにニケ氏とジルとコリンヌを追ってホールの外に出ていたジャーナリストたちも戻ってくるとともに舞台に注目。
私は客席に座って遠くから見ていたのですが、「人の気を引く」というのがどういうことかというのがよくわかる情景でした。
オーケストラをバックに、彼らの声のよく響くこと。そしてやっぱり心地よいのは、自然な声だということ。オペラ歌手やロック歌手のあるいみ「作られた声」ではなくって、子供の自然でシンプルな声がす~っとホール内に響き渡るは、普段一緒に練習している私にとっても快感でした。
テレビ局のえらいさん、さらにはVictoires de la musiqueのえらいさん達がヴァレリーのもとに称賛の声をあげにきてくれました。「子供や若者がこんなに自然体で演技をしながら歌うのは初めて見た!」と。みんなの注目を集めた子供たちやヴァレリーは、リハーサル後に早速取材を受けていました。振付を担当したジスレンヌともども、私たちもとっても満足。
早速、この日の夜のFrance 3のニュース地方版では、このリハーサルの模様が伝えられ、やっぱりテレビなだけにジルとコリンヌさん、そしてオペラjrにも焦点があてられていました。
次のサイトのLanguedon-RoussillonのDimanche 07 février を選んでもらったらニュースが見れます。だいたい17分たったあたりからがVictoires de la musique の話題です。
http://jt.france3.fr/regions/popup.php?id=c34b_1920&video_number=0
オーケストラとともに30分練習して、そのあとは舞台のすみっこにあったピアノを使って私のピアノ伴奏で練習。これは予定してなかったので、おえらいさん方を前に突然弾くことになってちょっとびっくりしましたが、「このピアノ使ってもいいんでしょうか~?」なんてスタッフに尋ねながらフタが完全に閉じたままのグランドピアノに向かいました。最終チェックをして私たちの持ち時間は終了。後はもう、明日の本番で今日のように本領を発揮してくれることを願うのみです。
みんなから称賛の声をいただいたオペラjrでしたが、今日、唯一問題となったのはやっぱり衣装。(笑)実はスポンサーに名乗り出た地元モンペリエの子供服メーカーがいて、新作コレクションの中からオペラjrのスタッフが選んだんです。でもそのメーカー名がどど~んと背中にのってるTシャツとかもあったりして。そもそも選びに行ったスタッフは私たちがどういう音楽でどういう振付で歌うのか、知らないでいってますから、私たち現場のスタッフから見たらみっともない、センスがよくない、、、というのがちょっと。。。でも最終的にはオペラjrのディレクターがそうすると決断したためにどうしようもないこと。
しかし、彼らの衣装を見たとたん、テレビ局関係者、番組関係者から「これはなんだ?」という声があがり、さらにはモンペリエの音楽界の王様クリング氏が「話にならん!」と一蹴り。
いくつか柄や色違いでそろえてあるのですが、その全体はまあそのままにするとしても、このメーカー名が大きくのってるTシャツは、明日の本番までの間になんとか代わりを見つけなくてはいけなくなりました。
私はこの衣装をまったく気に入ってなかったので、王様の一言であっさりと事が片付くところは見ててスカッとしました。(笑)なんといってもフォーレの音楽とは全くマッチしてないし、振付ともまるでかみあってない。。。このままテレビでの電波に乗ったとしても、「すばらしいけどあの衣装はなんだ?」という声が聞こえることになることはわかりきっていましたからね。
さて、この番組の司会を務めるのは、本人もミュージシャンでありクラシック音楽ラジオ番組のパーソナリティーを長年務めるフレデリック・ロデオン氏(Frédéric Lodéon)とテレビでおなじみの女性キャスターマリー・ドリュケールさん(Marie Drucker)です。
実はこのマリーさん、いつも私がきれいだなあと思って見てる女性の一人で、知的な女性として選ぶならとっても私好みなんですが、このネタだけでブログにかこうかと思っていたほど。その人を生で見れるとなると、きっと実物はさらにきれいなんだろうな~なんてミーハー気分丸出しで、今日会場で姿を見るのを期待してたんですが、今日はまだ会場入りしていないようで残念。Les Victoires de la musique の公式サイトがあるので、どうぞご覧ください。登場するアーティストの写真が載っています。マリーさんの姿も見れますよ。
http://www.lesvictoires.com/classique/home.htm
今回のセレモニー&コンサートは一般にチケット発売はされずに招待客のみで行われます。CORUMの大ホールは2010席あるのですが、音楽業界のおえらいさん方、アーティスト関係者、そして出演者の関係者、さらにモンペリエの各界のおえらいさん方が中心となって埋まるということだろうと思います。幸い、オペラjrのメンバーの父兄もそれぞれ2席ずつもらっていました。もちろん私も「2枚は欲しい!」と希望を出していたのに、数日前にどうやら私の分はもらえないらしい、、、ということでがっかりしていました。が、今日、初めて関係者が現地にそろったということもあって、最終的には土壇場で私もちゃっかり3枚招待券をいただくことができました。
舞台正面のいい席に招待されている人たちには、立派な招待カードが送られ、そこにはしっかりと「正装で」と明記されています。フランス語ではtenue de soirée となりますが、そう言われるとハリウッドのアカデミー授賞式やカンヌ映画祭みたいなとまではいかなくてもドレスとタキシード着用なのか?という感じがしますよね。私が招待券をあげようと思っていた友人カップルも「tenue de soiréeなんてもってないよ~。」と言っていて、「普段よりちゃんとした格好だったらいいかな~?」と気にしていたのですが、雰囲気的には正真正銘の正装でないといけない感じでした。まあ幸い、私が今回ゲットできた席はサイドのバルコン席。普通に言ったらあまりいい席ではないわけですが、今回に限ってはそんな席のほうが正装うんぬんで厳しくみられることもなく、気楽に行けるだろうからよしとしましょう。
さて、本番はどうなるんでしょうか?!また追ってお伝えします。
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