Sandrine Piau はフランス人ソプラノ歌手。もともとバロック音楽の分野で注目を浴びた人で、今やレパートリーも幅広く、オペラ、またはリサイタルで世界各地の舞台で歌っています。
私が彼女を最初に知ったのはテレビで歌ってる彼女を見たときでした。オペラ歌手によくある「私が、私が」というあくの強いアピールはなしで(オペラ歌手の方すみません、、、、)、すごくシンプルな雰囲気で、歌声も軽やかで且つ芯があって、とてもつぶのそろったきれいな歌い方をする人だなあと印象に残りました。
次に彼女を見たのが、昨年9月、モンペリエのオペラ座のシーズン明けとなったオペラ「魔笛」のとき。彼女はパミーナ役で出演したのです。私は練習を通して、ほとんど毎日のように彼女の生の姿を見ることができました。
そしてそれが私の予想通りというか期待通りというか、本当にシンプルで、まじめで、そしてチャーミングな人だったのです。
ちょっとネガティブな言い方をすれば、優等生タイプか、地味と言ってしまう寸前な感じなんですが、本当にオペラ歌手ではあまり見ないタイプの人です。自然体でシンプルでまじめ。ああ、こういうオペラ歌手もいたのか、って。そしてもちろん超プロフェッショナルな態度。
すっかり好感をもってしまった私は、彼女の活動を気にするようになっていました。
その彼女がモンペリエに歌曲のリサイタルをしに来たのです。
世界の舞台で歌っている人のリサイタルが、私も馴染みのあるオペラ座コメディーで行われたのです。
しかも私は招待券をゲットして、舞台正面のとってもいい席。舞台上の彼女としっかり目が合うくらいの距離です。
なんというラッキーさ。
さらに、この日のプログラムは私の好みのプログラムだったのです。
ツィマリンスキー、ショーソン、シュトラウス、フォーレ、プーランク、そしてブリテン。つまり19世紀末から20世紀半ばにかけての音楽です。
私も知っている曲、しかも好きな曲をたくさん歌ってくれて、ほんと素敵なコンサートでした。
私が唯一、全作品を知っている作曲家であるフォーレの歌曲をこうして聞いていると、最初にフォーレの歌曲を知ったのは私が20歳前のころのことだったな~、あのときは普通に日本にいたんだな~、あの時はフランス語の歌を聞いていても訳詞がなかったら何にもわかっていなかったな~、なんていろんなことが思いだされました。
それからプーランクを聞けばもちろんNちゃんを思い出す。Nちゃんのおかげで、私もプーランクの歌曲は全曲知るようになったのです。うん、やっぱり私もフランス歌曲が好きだな~。
この日のピアノ伴奏はアメリカ出身のスーザン・マノフ。今はパリのオペラ座の合唱指導やパリのコンセルヴァトワールで教えたりもしているようですが、とにかく歌曲の伴奏を得意として、いろんな有名歌手からひっぱりだこの人気伴奏ピアニストの一人です。
なんちゃってピアニストの私は、彼女のそれぞれの曲の最後の一音の終え方が素敵だなあ、最後の瞬間まで神経が行きとどいているなあ、と感銘を受けました。
サンドリンヌ・ピオとスーザン・マノフは一緒に活動して数年になるし、CDも一緒にだしているし、すっかり息のあったドゥオです。
舞台上での二人からは、お互いをリスペクトし合って、友情でも結ばれて、、、というのがよく感じ取れ、見ていてこっちがうれしくなるようなドゥオでした。
大喜びで大拍手する聴衆に、彼女たちは3曲もアンコールで演奏してくれるというサービスぶり。
とても素敵な気分になれるコンサートでした。
やっぱり歌曲はいいですね。純粋に音楽として話すなら、やっぱり私はオペラよりも歌曲のほうが断然好きだわ、と再確認してきた夜でした。
4 件のコメント:
こんばんは。日本で実は一昨日代々木の白寿ホールというところで、この二人のコンサートを聞きました。プログラムもフォーレ、メンデルスゾーン、ショーソン、R・シュトラウス、休憩を挟んで、ブーショ、プーランク、ブリテン。凄く素敵でした。フォーレは私には少し味付けが濃かったけれど、メンデルスゾーン、プーランク、シュトラウスは最高、さらにブリテンも滅茶苦茶良かったです。これからもまた聞きたい最高のフランス歌曲歌手になりそう。フォーレの全集録音入れないかしらと期待しています。(その昔アメリンクで良く聞いていました)
siegfriedkarinさん、コメントありがとうございました。ずっと気がつかないでいるままに一年以上がたってしまっていました。すみません。
アメリンクのフォーレ歌曲がお好きであるということで、サンドリンヌ・ピオもお好きなことがとてもよくわかります。
これからも彼女の活躍に期待しましょう!
とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
履歴書バイブルさん、ありがとうございます!
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