2011年。皆さんはどんなお正月を迎えましたか?
私は友人たちと夕食・年越しパーティーをしながら2011年へ突入しました。
元旦の夕方には、モンペリエ・オーケストラによるニューイヤーコンサートがあり、opera jrも参加するということもあって私は招待券を頂いていたので、聞きに行ってきました。
毎年恒例のニューイヤーコンサート。思いおこしてみれば、私にとってモンペリエで迎えた初めてのお正月、2003年のニューイヤーコンサートに知り合いが招待してくれたということもありました。
いつもはCORUMの大ホールSalle Berliozで行われるのですが、今年は違いました。
2010年に完成・オープンした超大型スポーツ・コンサート施設であるArena (アレーナ)で行われたのです。確か9月に人気ロックグループIndochineによる こけら落としコンサートがあったはず。
モンペリエにはすでにCORUMがあるし、パリにあるのと同じコンサート施設Zenith Sudもあって、そこでは6300人が収容できます。ここにさらにもう一つ、しかももっと大きな施設ができるとあって、私は感心するやら驚くやらしてたわけです。だって、モンペリエの人口を考えたときにそんな施設が必要あるのか、有効活用できるのか、、、とふと疑問だったわけです。
このArena、現代的な多目的使用の機能が備わった施設としては1984年に建設されたパリのPalais de Bercy(ベルシー)以来、初めての建築物だったとか。つまりモンペリエうんぬん、ラングドック・ルシオン地方うんぬんのさわぎではなくて、どうもフランス全土にとっても画期的な特大ホールということのようです。
なんといってもコンサート用に舞台を配置した場合で14800人の観客収容、スポーツの試合用に配置した場合でも9000人収容できるそうです。
サイトはこちら。
http://www.arena-montpellier.com/
すでに予定されているプログラムは多種多様で満載。大物歌手のコンサートはもちろん、スポーツイベント、そして有名なテレビ番組の生収録もまもなく行われるようです。
へぇ~、ふ~ん、と言いながら基礎情報を得たうえで、現地に向かってまいりました。
Arenaの場所はモンペリエの市街地からパラバス・カルノンの海に向かう方向。
ちょうどモンペリエ空港の向かいにあり、国際見本市会場施設であるParc Expoの敷地内にあります。
私の家から車で道一本だし、17時開演のコンサートに向けて余裕だろうと思って向かったら、、、。
明らかにこのコンサートのせいであると思われる渋滞にはまってしまいました。
高速道路のインターも過ぎた後で、残るは空港と海という地点からの渋滞。
きっと皆さん、私のように今回が初めてという人ばかりだったんでしょうね。
渋滞をよけて遠目の駐車場に車を置いてからは徒歩。
Arenaの全景写真をパチリ。
建設工事中の時を含め、外からはもうすでに何度も見てた建物なんですけど、私ははっきり言って好きではありません。
だって、変な暗い紫のマーブル調の色がなんとも陰気、、、。
外観はシンプルと言うよりも殺風景で、私に言わせればお葬式会場施設の建物の様、、、。
こんなことを言う私に、周囲のフランス人も失笑しながら同意してました。
ま、ケチばかりつけてても駄目ですね。
建物に向かって歩いていると、オペラjrの子供グループのメンバーであり、私とピアノをしている女の子のファミリーと遭遇。
「Bonne Annee !」と新年のごあいさつ。
そう、なんといっても元旦ですからね。
彼らと別れてチケット窓口に向かい、招待券を受け取るために誘導してもらっていると、「ハイ!マダムleonardoどうぞこちらへ!」と元気に迎えてくれたのは、オペラ座のスタッフで、いつも字幕でお世話になってるJ=M。
意外なところで彼と会い、彼とも新年のあいさつをかわしてからホール内へ。
チケットもぎりのエリアから、このホールが超ハイテク施設なのだという匂いがぷんぷんしはじめました。 だって入口がオール機械式ですもんね。
って、今は普通なのかな?
エントランスのロビーには、客席に向かう階段が吹き抜けスペースをかけめぐってます。
そしてホール内へ。
おおっ、さすがに大きい。
大きいです。
コンサートのための配置ということなのでしょう。
ホールの奥がカーテンで仕切られていて、舞台が設置されていました。
そして天井には巨大モニター画面が。
アメリカのバスケット競技の施設みたいだなあという印象。
こんな大きなホールに入ったのは久しぶり。
日本で学生時代に行ったドリカムやビーズのコンサート会場を思い出しちゃいました。
ふふふ、そうです、私、こういった歌手たちのコンサート行ってましたよ。楽しんでました。
さて、今日のこのコンサートのプログラムをまだお伝えしていませんでしたね。
実は超有名オペラ、ビゼー作曲「カルメン」のコンサートバージョンということになっていました。
題して「Carmen, les grands airs」。つまり有名なアリアのオンパレードということです。
演奏はモンペリエ国立オーケストラが。
ニューイヤーコンサートなだけに、歌手の顔ぶれは超豪華。
カルメン役は今日のカルメンと言ったらこの人と言われるくらいのはまり役、Beatrice Uria Monzonを筆頭に、ホセがAndrew Richards、ミカエラがBarbara Haveman、エスカミーヨSergey Murzaev。
贅沢ですね。
このメンバーならぜひともこれでオペラバージョンか、せめてコンサート形式で全幕フルで演奏してほしかったものです。が、なんと単にコンサート形式というだけはなくて、ほんとに有名なアリアをいくつか取り上げただけのおいしいトコどりコンサートだったのです。
そのためにその他のソリストはなしだわ、合唱すらない。そこへ、唯一4人のソリストとともに参加したのが、なんとびっくり我らがオペラjrの子供たちだったのです。
オペラ「カルメン」には、有名な、しかもはずすことのできない児童合唱のパートがありますからね。
さて、オケ団員入場とチューニングに続いて指揮者登場。
アランです。Alain Altinoglu。
彼は私よりもたった一つ年上なだけ。そしてもうメトロポリタンでもデビューしている。
大型スクリーンに彼の笑顔が映し出されます。
彼はこの人懐っこい笑顔で世界中の人を魅了しているんだろうな、、、と思いながら私もすでに癒されている。
さて、たとえおいしい所どりの演奏になるとは言え、オペラの順序どおりにするのかと思っていたら、違いました。
序曲に続いて出てきたのがさっそくオペラjr。
思わず私は驚いて「わ~!さっそく子供達!」と騒いで写真を撮りました。
実は私、12月18日までは彼らと一緒に練習に取り組んだいたわけですが、バカンスに入ってからお休みをもらったりしていたので、この日、こうして彼らが舞台に出てくるのを見るのがなんだかおもしろく、ちょっぴり変な感じでした。
子供たちの退場のあと、カルメンの「ハバネラ」やエスカミーヨの「トレアドーレ」などが続きました。
このカルメンさすがです。
演出なしのコンサートバージョンといっても、彼女自身がもうカルメンみたいですごい迫力と妖艶さ。
カルメンは彼女のものと言われていても当然ですね。
ホールがホールなだけに、マイクとともに音響サポートがあってのコンサート。
彼女たちの声は生で聞いてみたかったな。。。
改めて「カルメン」というオペラは、その曲のほとんどが有名。
クラシック音楽を普段聞くことのない人でも必ず聞いたことがあるであろう曲が満載。
すごいことですよね。
お客さんは満足している感じで、コンサートは順調に進み、18時過ぎたことろにはもう終了の様子。
え、もう終わり??
エスカミーヨなんて「トレアドーレ」しか歌ってないけど?
まだ何かあるんでしょう?なんて私が思っているうちに、指揮者のアランがオーケストラ団員とともに「あけましておめでとう!!」と閉め、ほんとにコンサート終了。
「それではオペラjrとともに皆さんとお別れです!」と言って、アンコール曲は子供たちの合唱。
大喜びのお客さんたちは子供たちに大拍手。
そして演奏終了とともに、こんどは大爆音。そして紙吹雪、紙テープの嵐。さらには花火までもが。
これにはまたお客さんも大喜び。
さすがはニューイヤーコンサート。そしてさすがはArenaでのコンサートだけありますね。
余談ですが、遠くの私からも客席最前列に座るクリング氏とスカルピタ氏の姿が見えました。
実は12月31日をもってクリング氏はディレクターの座を引退したのです。よって、この日のディレクターはすでにスカルピタ氏。
もともと引退は2011年12月31日と正式に決められていたのに、ここ数カ月のいろいろな政治情勢を含んだ動きのために、クリング氏は急きょ引退へと進まれたのです。
私はいろいろな裏事情、裏話を知ってるだけに、こうして二人の姿を見るだけでもなんだか感慨にふけってしまいました。
このエピソードもまたぜひいずれ。
というわけで、こんな感じで私の2011年スタートです。
今年の抱負をいくつか友人たちに宣言しましたが、そのうちの何が実行されるのか、、、。
いずれにせよ、モンペリエ生活9年目である今年は、私にとって変化の時です。
何がどう変化していくのかはわからないけど、すでに気持ちの面で動きだしていますからね。
一歩一歩進んで実行していくのみです。
それでは、皆さまにとって、健康に恵まれ喜びの多い年となりますように。
どうぞ今年もよろしくお願いします。
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