2014年1月26日日曜日

モンペリエで世界の人とこんにちは

ここモンペリエで生活するようになって、何が一番日本での生活と違うかというと、それは「世界が近い」ということ。

日本の都会に慣れた私にはとても小さなこの町で、世界中からやってきた人と出会い、接してきました。

フランスの近隣諸国からの人はもちろん、アフリカ大国からの人々はとても多い。日本にいたときから名前こそは知っていたけど、、、という国でいえば、モロッコ、ナイジェリア、アルジェリア、チュニジア、セネガルなどありますが、ブルキナファソという国の名前を知ったときは新鮮でした。西アフリカに位置する国です。

現在世界には195か国(日本基準)あるそうですが、 皆さん195国名前をあげれますか?知ってるつもりで知らないことの一つに入ると思いますが、ブルキナファソは私にとって名前はもちろん存在すら知らない国でした。

さて、中東諸国も日本にいてはとても遠い存在ですが、モンペリエにはいらっしゃいます、皆さん。イラン、イラク、シリア、レバノンなど、教科書やニュースではもちろん知ってはいますが、国の情勢がとても不安定な国からきた人たちと実際に接することで、初めて現実問題だと実感するものです。
私は2004年にシリアからきた16歳のチェロ弾きの男の子と出会い、しかもその子がすごい才能の持ち主であり、フランスへの亡命手続きをしている最中だとしって、日本人はいかに恵まれて温室育ちなんだろうと実感した思いでがあります。

フランスから見て地理的には少し遠くなりますが、コロンビア、ベネズエラといった南アメリカ諸国からの人々もたくさんいます。
コロンビア人の同僚が「コロンビアの貧困層の子供たちに音楽をさせたい」と語るとき、そこには日本人では実感しきれない深い想いと難しい現実問題があると感じます。

フランスは移民大国ですから、移民2世、3世がたくさんいるのは当然ですが、移民してきた両親のもとでフランスで生まれた人ではなくて、私の世代の人で本人が実際に幼少期をそうした不安定な国で過ごした人たちと接していると、日本にいては見えないことが見えてきます。

かつて植民地大国だったので、世界に領土を広げたフランス。おかげで、ヴェトナムなどのアジア勢、そしてニューカレドニアやマルチニーックといった島からきた小麦色の肌の人もたくさんいます。

日本では実際に出会ったことがなかった国の人々を思いうかべてリストアップしてたら、きっと195か国に近い数字がでる実際にでるのだろうと思います。それだけフランスは世界と直接つながっているのです。

現在のフランス社会は経済、雇用、安全、保障といったあらゆる面で問題を抱えていますが、必ず移民を問題視する人々がいます。けれど落ち着いて考えたら、誰が本当の生粋のフランス人だと言い張れるのでしょう。どんなに純粋な白人系家庭の人だって、先祖をさかのぼればどこかで外国の血が入ってるものです。
フランスは大昔から外国との交流で栄えてきました。 その豊かさこそがフランスの財産だと言って、すべての移民を受け入れることを推進する考えの人々もいます。
私は移民受け入れオープン賛成派でもありません。各国にそれぞれの文化、言葉がある限り、そして国境がある限り、厳格なルールは必要だと思っています。私自身、移民の一種。日本国籍をもち、生粋の日本人ですが、フランス社会で仕事をして生活をしている以上、移民とみなされても当然です。外国人ツーリストではないのですから。私はフランスの慣習にああだこうだと文句をいいながらも、外国人としての手続きの必要性には疑問を抱いたことも文句をいったこともありません。郷に入っては郷に従え。フランスに住むならばフランスの慣習を尊重するべきだと思っています。
けれどそうは思わない外国人も多いのが事実。そしていろいろ問題を起こす移民が多い一方で、自称フランス人で問題をおこし犯罪をおかす人たちもたくさんいます。この現実を前に前述のように「移民のせいだ」と言い切る人もいれば「移民を受け入れてこそフランスだ」と言い張る人とで、意見は真っ二つです。

しかし言うは易く行うは難しとはこのこと。植民地といって諸国を侵害、支配した後、大量の移民を受け入れたフランスが、この先どうやって問題を解決していくのか、、、。見ものですね。




この写真は16世紀後半にオランダ人が描いた世界地図ですが、それから4世紀がたち、私たちは世界を知った気になっていますが、実際はまだまだだと感じます。

ここ数年、世界が荒れていると感じるできごとが日常茶飯事ですが、世界平和が訪れるためには、実際の交流をもっともっと促進して深めていかなくてはならにのでしょうね。
物事を頭で知識として知っているだけでは、本当の理解になりません。
すべては実体験と実践によって獲得できるものだと、私は確信しています。


2 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

こんにちは。モンペリエについて検索していたらこちらのブログにたどり着き楽しく読ませていただきました。

今年9月頃よりフランスに渡りフランス語習得を目指している47歳です^^。
語学についてのお話、大変興味深く読ませていただきました。メモって調べる、、本当に血と成り肉と成る習得方法だとおもいます。

現在学校を探していて昨年パリに一ヶ月滞在した際、再度渡仏の夢をもちこの一年すごしました。だだ、フランス語が全く話せない、聞き取れない私はまずは語学習得と思いパリで探していたのですが費用も含め環境が必要ではないかな、と思いました。
モンペリエの街は語学習得についていえばよさそうな感じですね。

leonardo さんのコメント...

Sho Mi さん、コメントありがとうございます。

コメントいただいてから日が経ってしまっていますが、もう留学先の年、学校は選ばれましたか?

モンペリエではここ10年で日本人の数も増え、普段私は接触する機会がないものの、短期語学留学できてる学生さんたちもかなりいるようです。一応フランス第8の都市ですから、そこから考えるとまだ少ない方なのかもしれませんね。

充実したフランス滞在となりますように!