皆さんご存知のように、フランスは夏時間と冬時間制度を導入しています。
今年は3月29日日曜日に夏時間に切り替わりました。
毎年二回行われる、この時間をずらす操作。単純なようで、本当にやっかいなしろものです。
生まれたときからこのシステムで生活しているはずのフランス人だって、毎年毎回時期を忘れたり、時間を早めるんだったか遅くするんだったかわからない様子。テレビやラジオのニュースでも毎回忘れないようにと声がかけられます。今回は一時間早める作業でした。
このたった一時間の違いが思っているより重要な差なのです。一時間早めるときには「一時間失う」、一時間遅らせるときには「一時間もうかった」という表現もよくします。
たまたまこの日曜日に朝から約束があった私たちは、「朝7時の約束」と言っても、実際はその日までの「朝6時の約束」のことなのですから、早起きのきついこときついこと。当然、太陽はそのままの自然な位置をキープするわけですから、明るかった朝の7時が、薄暗い7時へと変るわけです。
省エネのためと言われているこの制度、果たして今でも省エネの効果があるのか正直疑問です。私にとったらそのエネルギーよりも人間、動物を含めた生態系への悪影響のほうが大事なんじゃないかと思えます。だって、今日、どこの家庭でも夜遅くまで電気をつけて起きてパソコンやらゲームやらビデオやら見てる人がたくさんいるわけで、みんな大量にエネルギーを消費しています。
このシステムで暮らして13年。自分が年をとっていっているからか、一向に慣れる気配はありません。年々、慣れていないというよりも疲れを感じていっている気もします。
もうやめたらいいのに、このシステム、、、。
省エネになっているかどうかという点については、確かに、各国の位置によってこのシステムが有効か無駄かという違いがでるようですね。
日本でもかつては(1948年から1951年)一度導入していたというのが信じられませんが、南北に長い領土をもつ日本では、北海道で得られる効果と沖縄、九州で得られる効果には大きな違いがでることでしょう。
各国の事情を説明してるサイトを見つけたので、興味があったらごらんください。
http://www.time-j.net/uc/dst/
まあ文句言ってる私ですが、もちろん、冬時間よりも夏時間が好きです。
夏時間の到来は夏の到来でもあります。
本来は春の到来ですけど、いつも言ってるようにフランスでは「春」というのは単に「冬から夏への移行期間」に過ぎないように思います。「春が来た!」と感じたらそこから「夏だ!」となるまでがあっという間だからです。
夏時間になると空が明るくなり、気温が上がり、なんといっても日が長くなります。
この時期になると、人間も所詮は動物だと実感します。そして私自身も単純な動物だと実感します。だって自然とうれしくなって、自然と明るくなって、自然とわくわくしてエネルギーが出てくるのを感じるから。
逆を言えば、冬の間の私は良く言って冬眠したい動物、悪く言って元気がない落ち込んでる人。最近ますます「夏と冬は仕事をしないで、春先と秋ごろだけ仕事をして暮らせるようになるのが究極の贅沢。」だと公言するようになりました。
もちろん寒く暗く厳しい冬にこそこつこつと仕事をして、、、というのが普通の考えですが、もう仕事にいくのもおっくうになってきたのです。こういうのを「モンペリエ病」というのかも知れません。ハメハメハの国の住人のように、輝く太陽にエネルギーをもらう一方で、この太陽の光がないとなまけものになっていくのです、、、。そんな話はまた今度。
実は今は私、数ヶ月に渡る病欠の身ですが、普段夕方から夜にかけての仕事が多い私には、仕事帰りに空が明るいというのがなんともぜいたくなことなのです。この日の長さはこれから6月に向けてどんどん伸びていきます。
4月末現在で、21時の空がこんな感じです。
かなり明るいですよね?これからまもなくして徐々に仕事に復帰をしていこうと計画していますが、6月になったらまた21時の空の色を披露しますね。もっと明るくなっていると思います。
仕事帰りが21時でも、「これからアペロだ!」(アペリティフ:軽く一杯ののり)と自然に思えるのがいかに当然か、わかってもらえると思います。
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