2015年6月24日水曜日

ここはどこでしょう?in l'Ecusson de Montpellier その1 : rue bras de fer

モンペリエの旧市街地には魅力がいっぱいですが、観光、散策の見所の一つに、この小さな路地があります。

名前は「rue du bras de fer」。
訳すると「鉄の腕通り」。

この通りにある昔の店の看板が鉄の腕の形をしているところからつけられた名前です。



見えますか?



2002年当初、日本から来たときは、まさに中世のヨーロピアンな雰囲気がするこの路地をすぐに気に入りましたが、色あせることなく、今でも私が好きな場所のひとつです。

この鉄の腕は11世紀からあるそうですよ。当時はこの通りがモンペリエの街へ入る入り口の一つだったとか。11世紀と聞くと、それからすでに10世紀ではないですか!すごい時の流れを感じますね。



石畳でゆるやかな階段になっているこの路地には、もう一つ特徴があります。
それは写真のおくに見えている、アーチ型天井の部分です。左右の建物をまたいで大きな一部屋がこしらえられてるわけですが、このタイプの増築は12世紀頃に禁止されたようです。みんながこうして増築してたらキリがなくなりますからね。そのため、現存するのは旧市街地でたったの三箇所。それを見つけるために散歩してみるのはどうでしょう。
中世の名残の路地は、まるで迷路のようにカーブしててお互いにつなぎあっています。今では住み慣れた私でも、ちょっとでも時間に余裕があると、普段あまり通らない道にわざと入って、建物や店の並びを見て楽しんでいます。



今、この路地には数件の店が並んでいて、本屋さんもあります。路地にテーブルを並べた喫茶店もあります。夏でもなんとなくひんやりして素敵なスポットですが、この路地が一段と素敵になるのが夜。


どうですか?
オレンジ色の街灯と石の色が見事にマッチして、これこそまさに南ヨーロッパ、ラテンの国の夜を演出するにはもってこいの空間。
こういうところが、モンペリエはフランスの街とは言っても、地中海の街ととらえた方がしっくりくる理由です。




こうして人気もなく、店のたたずまいもひっそりとすると、かつての中世の街がよみがえってきそうですね。
モンペリエに初めて訪れる方は、ぜひとも昼と夜の二つの顔を楽しんでください。

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