モンペリエはエロー県にあります。
「エロー」と発音するものが「Hérault」と書くあたりが、フランス語学習者を面白がらせたり、くじけさせたりもするところですね。
県名にもしっかりと冠詞がつくので、実際には「L'Hérault」であり、もっぱら「レロー」と呼ばれることになります。
実はこの名前、川の名前なんです。
フランスには県が101あって、そのうち5県は海外県。メトロポル/la Métropoleと呼ばれるフランス本土/La France métropolitaineに限った場合は96県となるわけです。
日本でも小学校で都道府県を習いますが、フランスの県名を全部覚えるのは一つのチャレンジ。フランスでは行政上それぞれの県に番号が当てられていて、郵便番号や車両登録などに使われるうえ、大抵のフランス人は県名と番号がセットで頭に入っているようです。
エロー県の場合は34番。
そして全国の県名のほとんどは、県を流れる川の名前に由来するのです。
エロー県もその例にもれずに、エローという川が県を横断するように流れています。
お隣のガール県/Le Gardの山の中から湧き出て、北から南に147.6キロかけて流れ、最後はアグド/Agdeという街で地中海に流れ出ます。
モンペリエの市内を流れるわけではありません。モンペリエからドライブなどでちょっとお出かけをすると、エロー川に出会うのです。
私は川や運河が好きなので、エロー川のほとりにもあちこちで行きましたが、上流から下流までで周囲の景色がずいぶんと違うのが印象的です。
今日ご紹介するこちらの景色は、地中海に流れ出る一歩手前のアグドの市街地を流れるエロー川の様子。
かなりゆったりと流れていて、岸にはヨットが並び、南フランスの開放的な雰囲気が漂っています。
この日はお天気にも恵まれたので、なおさら南仏の運河のような雰囲気が増しています。

船を所有している人たちが、ちょっとしたクルージングを楽しんでる姿に遭遇すると、生活レベルの豊かさ、リッチ度がさく裂しているように見えますが、その大半が優雅な社会層の人達であるとはしても、実はフランスには、極々質素に暮らしながら船を所有している人達もいます。
穏やかな流れの水面をゆったりすすむ船で時間を過ごせば、心が洗われるような感覚になりそうですが、私もいつか運河や川のクルージングの旅に出てみたいなと思っています。
同じエロー川でも、 上流側でみる景色はこれとは全然違って、雄大な自然あふれる景観です。またぜひ別の機会にそっちのご案内もしたいと思っています。
また、アグドといえば、海岸線にあるキャプダグド/Cap d'Agdeという街が、世界最大のヌーディストビーチとして知られています。話題やネタとしては、もうそこだけでも山ほどある場所なので、またいつか話題としてお届けしたいと思います。



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