日本がゴールデンウィークで賑わう頃、フランスではとあるイベントが毎年開催されます。
それは今年で15回目を迎えた「Tous à l'Opéra !」。訳して「みんなでオペラ座に行こう!」といったところでしょうか。
今年は5月6日から8日の週末にかけて行われました。
オペラ劇場やオペラの世界そのものをよく知ってもらおうという試みで2007年に始まったこのイベントは、フランスのオペラ連盟がリードをとって開催されます。
フランスオペラ連盟/Réunion des opéras de Franceには、現在35の劇場やオペラカンパニーが属していますが、フランスの主要都市のオペラ劇場はもれなく仲間に入っており、「Tous à l'Opéra !」に関して言えば、実質、フランス全土各地で開催されるイベントとなっています。
どんな内容かと言うと、劇場の一般公開からリハーサルの公開、オペラにまつわる職業の紹介などがあって、舞台メイクや衣装なども含め、アトリエ形式でスタッフと交流をもったり、普段オペラ本番の舞台を見に行くだけではなかなか触れられない舞台裏の部分に、一般客にもアクセスしてもらう機会を提供するものとなっています。
しかもうれしいのは、たいていが入場無料、参加費無料で行われるということです。
こういうところ、フランスは大したもんだなあと思わせるところですよね。
そもそもオペラというジャンルは、そのものが幅広い職業や分野と関わってなりたっています。本番の舞台にたつ人だけでも、歌手、ミュージシャン、指揮者、ダンサー、俳優と、それぞれがその道をすすむ人たちのコラボレーションになります。が、舞台を作る側の人たちも入れれば、演出家のもと、舞台装飾や衣装、照明のデザイナー、そしてスペクタクルを実現化して実行するスタッフとして、大道具、小道具、照明、音響、舞台マネージャー、衣装、メイクなどなど、各自の職業は多岐にわたります。
もちろん、その他にも舞台装置を作る人、衣装を作る人、などもいるわけですし、ミュージシャンが演奏する楽器を作る人もいれば、楽譜出版に関わる人だっています。
こういった関連性を紹介するのも、このイベントの目的の一つです。
さらに、毎年特別にテーマを絞って、それに重点を置いたイベントプログラムが組まれるのですが、今年のテーマは 「楽器製造」でした。
「楽器製造」と一口に言っても、そこには楽器を作る人だけでなく、修理する人、楽器を売る人、など、様々な人々が関わっています。
イベントに参加する劇場やカンパニーが、それぞれイベントプログラムを提案して開催されるのですが、もちろんモンペリエのオペラ座もイベントに参加して、3日間のプログラムで開催しました。
私自身が足を運ぶことはあまりなかったのですが、今年は久しぶりに、しかも観客の一人として参加してきたので、また追ってご報告したいと思います。
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