皆さんは管楽器の材質や作り方を知っていますか?
私は勝手に頭の中で、木製のものに比べて金属製のものは、あまり繊細な作業が必要でないというイメージを作ってしまっていました。なんという偏見と思い込み!
今回の管楽器製造についてのアトリエで、写真やビデオを通した説明を聞くとができて、新しく学ぶこと多々ありで、とても新鮮な勉強になりました。
大量生産の工場で作るのはまた違う雰囲気だとは思いますが、今回の講師であるファミリー企業ゴデのステファンさんの製作所は、完全に職人さんのアトリエの雰囲気。 ステファンさんが公開してるビデオを使って、簡単にお伝えします。金管楽器の中でもトロンボーンの製造を主としておられるので、トロンボーンの作り方の説明です。
まず素材は銅と亜鉛との合金。この合金のことを英語でブラス(Brass)というということさえ、今回初めて知りました!日本語では真鍮(しんちゅう)とか黄銅(こうどう、おうどう)と呼ぶとのこと。含まれる亜鉛の量の歩合にとって、呼び方が変わるそうです。
トロンボーンは構造上は、管の部分とラッパの部分(朝顔とかベルとかいいます)の二タイプからなっています。
まず管の部分の製造工程を見てみましょう。
金管楽器は金属性の管でできている、なんて単純に言っても、精密な調整が必要なのは当然ですよね。とくにトロンボーンの場合はスライド部分がとてもスムーズにスライドする必要があるわけだし、管の幅の調整や金属の厚さの調整とか、どこをとってもまさに職人芸なわけです。
ラッパの部分に関して、私は管状のものから広げたり伸ばしたりしてラッパ型にするものかと思っていましたが、全然違いました。一枚の銀杏のような形の板状のものから、 端と端を熱で接合して、酸で洗う工程を経てから、木づちなどでたたいてラッパ型にしていくのです。板一枚から作る 1枚取りベルと、二片の板を結合させて作る2枚取りベルがあります。全く違う作り方を想像していたので、びっくりでした。
金管楽器といえばピカピカに光り輝く華やかさが持ち味ですが、もちろん表面の加工作業をなくして、あのような光沢は出ません。
磨いて、磨いて、磨いて。仕上がりの色合いの素晴らしいこと。
最期の仕上げにラッカー塗装やメッキが施されます。銀や金という素材が使われるのは、この工程においてです。
ざっと説明してこの流れ。こうした工程の一つ一つの作業や仕上がりの違いが、音色の違いにつながるのです。
私は以前から職人芸や職人気質のプロの仕事に惹かれていますが、個人で楽器製造をしている人たちは、まさに職人芸。時間がかかるけれど、一つ一つ、毎回同じ作業の積み重ねではあるけれど、丹念に、作っては仕上がりの確認しての繰り返しです。
制作に費やす時間、費用といったものを考慮して、一つ一つの楽器に値段がつけられるわけですが、そお技術と労力を考えたら、安い楽器なんて提供できるわけはありません。
大手メーカーの大量工場生産とは、値段の上では競争ができませんが、フランス内外から「ゴデのトロンボーンで演奏したい」と思うトロンボーン奏者がいるということが、何よりの喜びでありモチベーションの源であり、そういう仕事をして生計をたてるというのは、「お金」だけでは語られない、幸せと充実感があるのだろうなと、とても強く感じられるひとときでした。
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